2016年10月30日日曜日

トウガラシの乾燥法について(激辛の場合)

トウガラシの乾燥法について検索してみても適当なものが見つからない。
いくつか方法を試してみたので、どなたかの参考になれば。

こちらの条件としては、種を傷つけない(実生するため)のが基本。トウガラシ自体は保存できる状態であればなんでもよい。

でも保存となるとやはり乾燥しか思いつかないのでとりあえずやってみた。↓

①木に生らせたまま放置。 →腐る。

②風通しの良い所で陰干し(不織布の袋。百均で売っている生ごみの水切りネットで吊るした)。 →腐る。

とまあ、普通にやればどうしても腐る。 そもそも一般的なトウガラシと形態が異なり、「ブートジョロキア」や「セブンポット」は瑞々しくほとんどピーマンかシシトウの形と匂い。先っちょが沈潜した悩ましい最凶の「キャロライナ・リーパー」は萎縮した部分がどうしたって乾燥しない。

なので、開腹手術を行い種だけ取り出してあとは冷凍することにした。水分が結構残っているのでカチンコチンになってしまった。この保湿状態では乾燥する前に全部腐ると思う。

ただし、普通は行わない「ヘタの切除」をして中まで空気が入るようにすれば乾燥するかもしれませんね。が、どうせ種とつながっているので、それをするなら切り開いてしまった方が早いと判断した。

ちなみに冷凍していたものを数ミリずつ切り取って料理に使えます。当たり前ですがメッチャ辛いです。ただただ辛くUMAMIもへったくれもありません。真っ赤な🍘を食べられるくらいにはカプサイシンをたしなみますが入れすぎると食欲が失せて食べられなくなりました。はっきり言ってこれで料理が美味くなることはないです。大食い競争とかゲテモノ食いとかと同じような競技とか人類の食文化を拡大する試みのたぐいだと思ってください。

乾燥する必要はないと思われますが、アンデスのジャガイモや凍み豆腐や寒天の要領で凍結後に冷蔵庫で開封保存することで乾燥させることも可能ではないかと。それによって辛み成分が揮発することも考えられるので収容スペースが許す限り自分ではやりませんが。

「キャロライナ・リーパー 2年目」
目下公式での世界最辛のトウガラシ。
比較的小ぶりなのでその分濃縮されて辛いのかな?
昨年は実をつけなかったので室内で越冬させた。トウガラシは水を好むので直射日光下で腰水をして過ごした(表面にコケが生えるくらい)が問題なかった。勝手な想像であるが、ナス科の連作障害にもこの方法で対処できる(*流水で生育阻害物質を流し去るワサビ栽培と同じ考え方である。樹木化したトマトの水耕栽培を見よ)のではないかと思っている。
春と秋にアブラムシがよくつく。


*なおワサビであるが、鉢植えでも3年は問題なく育っているし、それなりに根茎も肥大化する。営農と道楽では要求水準が違うのでなんとも言えないがネットサーフィンして情報収集する個人レベルの栽培では連作障害は気にしなくても良いのではないかと思う。


「ブートジョロキア 紫型」
とんがらし芥川」さんから購入した苗が2株。実生苗で形質にむらがある為か1株は実が大きくなってくるとすぐに赤くなる。そのためこちらから種を取るのは止めた。送ってもらった苗自体は状態が良く、昨年別のところから購入した苗と同じくらいのサイズになり、ひと夏でちゃんと実をつけた。こちらのキャロライナ・リーパーは非公式ながら公式記録を上回るそう。が、食べ比べる気力がありません。

トウガラシは多年草で茎が木質化してくるので、環境によっては関東でも屋外越冬できる品種があるらしい。ウチでは斑入りトウガラシの野ざらし越冬に失敗した。また実をまるごと埋めても芽は出かった。おそらく腐ってしまったと思う。実生し続ければ耐寒性の強い系統に・・・なるのかなあ。岡山では遺伝子の発現を制御することで耐寒性を高めたパパイアの品種改良を行っているそう(参照:桃太郎パパイヤ研究所)で非常に興味深い。こういう品種改良の仕事は楽しそうでいいよなあ。やりたいなあ。

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ところで、よく激辛トウガラシについて言われている「触るなキケン!」についてですが、敢えてぜひ素手でやってみることをおすすめします。一生ものの話のネタになりますよ。

指先が3日くらい痛いなんて冗談じゃねーよ(怒)。爪の間なんて洗ってもなかなか取れないし、しかも舐めると辛い・・・。ちょびっと種を触っただけでだよ。しかも取り出した種を乾燥させてるだけで部屋が辛くなって気分が悪くなってくる始末。さらに乾燥させてから種を保存しようと不織布の茶漉し袋に移したらそれだけでクシャミが出ると言う。うっかり鼻をかんでしまったら顔についたらしく目が開けられないとかえらい目にあった。とにかくどこで触ったのか分からなくなったら、どこも触るなとしか言えん。

他人の言うことをよくきく素直な心の持ち主は使い捨てラバー手袋はせめてはめて作業した方が安全だろうと思う。ガーデニングとかの手荒れが気になる時にも使えるので一箱常備しておくとよろしい。

2016年10月8日土曜日

テイショウソウ開花

「キッコウハグマ? テイショウソウの花茎」
10月になった、これでほぼ一年かな。
結局キッコウハグマから採取した種だった筈なのに、テイショウソウであるようである。
なんだかもうどちらでもいいや。ともかく開花。 
葉は完全になくなっている。

「キッコウハグマ? テイショウソウの花」
だいたいにおいて自然状態のテイショウソウと変わらない状態にあるようだ。

蒸れなければ腰水で常時ウエット環境でもOKである。この蒸れるっていうのが微妙な説明になってしまうが、直射日光下で腰水(一時的にでもお湯になっている可能性あり)でも死ななかったりする。たまっている水よりも上まで切り込みのあるスリット鉢で防げている気もするが、それでもダメなものもある。

高めの温度帯で湿度も高く、通風が悪いときが良くないようである。こういうときに鉢を乾かすと中で根がカビていることが多い気がする。一度濡れて乾きかけた段ボール箱に青かびが生えてきたような感じだろうか。完全に濡れていればカビも生えないと言い換えることもできるか。

花の下に写っているのはマツバランたち。熱いのが苦手なのか、乾風がキライなのか夏場に作落ちする。湿度が高く通風が良く、暑すぎずぬるい温室のような環境が好きなのではないかと思ってる。


一応これにてテイショウソウ実生の栽培記録は終了。