2016年5月29日日曜日

テイショウソウ実生 花芽

「キッコウハグマ(テイショウソウ) 実生」
予想通り花芽がついた。他の屋外栽培品たちはまだ2センチくらいの本葉が出たか出ないか程度なので今季は無理かも知れぬ。取り蒔きして実生する際は屋内管理をすべし。

葉型はやはりなんだか変。交雑してたと見ていいと思うんだけど確証はない。閉鎖花から採種できれば検定できるかも知れないが、それによって同定できるような情報も持ってないので真相は闇の中のパターンかも。


「キッコウハグマ(テイショウソウ) 実生」
どうにも焦点が合いません。いつも思うが何とかならんのコレ。マニュアルでやると画質が落ちるし意味が分からん。

2016年5月22日日曜日

葵錦錦?

「細辛 葵錦(1991年登録)」
細辛の葵錦である。微妙に作落ちしている気がする…昨年から小さいながらも葉は継続していたのだが。
小さな穴ぼこはナメクジの食害痕。毎晩のように捕殺しているが収まる気配がない。
特に自作液肥の葉面散布後に大量に現れる。おそらく酵母や生菌を舐めとりに来ているのだろう。
これがヨトウムシとか芋虫系になるともっと大きな穴をあけられて一晩でボロボロになる。

葉面吸収量は微々たるもので吸収できるものとそうでないものもあるらしいのだが、用土に不要な肥料分を投入して根を傷ませるよりもよいし、変な病原菌の防疫にもなってほしいと思ってやってみている。そもそも山野草なので野菜や果物ほど肥培する必要はないのだし。とは言え大株にするのが好きというかちゃんと栽培できてると安心する。


「細辛 葵錦 斑入り葉?」

根本付近から真っ白な小さな葉が出てきている。冬季中に出ていた古葉は手前の中くらいのものなので新葉の筈だ。斑入りだとすると「アオイニシキニシキ」になっちゃうのだろうか。

実は何回か花を上げている青軸桃花のオナガカンアオイはおんなじような芽変わり的な出方をする。斑入りとして入手している身としてはなんだか騙された気分でいるのだが、どうやら確かに新葉の時期に一枚くらいは白い葉が出てきているようだ。が、隠れていた古葉のようでもありだからなんなんだという程度のものである。

「細辛 胡蝶の舞(2007年登録)」
昨年より作が上がりました。じっくりと育てております。
「六歌仙」の上位互換。



2016年5月21日土曜日

帯化チコリ開花

「チコリの花」
観賞用としても悪くない花であるが1~2日咲いているかどうか程度のようである。蕾はいっぱいあるからいいもののあまり虫も多くないし受粉の機会を逃しそうである。
人工授粉してみたがどこが雌蕊の柱頭なのかよくわからん。

「帯化した茎」

「帯化チコリ」
ごちゃごちゃしているが花の方は特に変形していない様子である。
一輪幅広になった蕾はあったが。

2016年5月19日木曜日

ヤマアジサイ開花

ヤマアジサイの花期の幕開けである。

と言ってもウチの庭だけなのか山へ行ってもあまりアジサイの花は見かけないけど。
先日訪れた伊豆箱根地域もヤマアジサイにはちょっと早かったのかそれともあまりないのかタマアジサイばかりを見かけた。ガクアジサイも見かけなかった。むしろ以前、江の島や鎌倉周辺で多く見たような気がするが植栽されたものの可能性も濃厚だしちゃんと探してないので仕方ない。あるいは海から遠いからなのか。

まあアジサイじゃなくて別の植物を探しに行ったんだけどもう全然見つからないのであきらめた。
カンアオイも見つからなかったくらい。むしろ面白かったのはヤマアジサイ(アマギアマチャかも?「参照:伊豆のあじさい」さん)とタマアジサイとコアジサイが局所的に同居していたこと。花芽がついていたので枝を分けてもらってきた。他にも気になったものもあるので挿し木が成功したらいいが。


「藍姫錦」
ヤマアジサイにはいくつかもっとも青い花と言うのがあるらしいがその一つの「藍姫」の斑入りタイプである。確かに目を惹く凛とした藍色である。黄白斑との対比も良い。増殖が容易なヤマアジサイにしては高かったのだがその価値はあったな。同じ品種でも斑入りがあったら素体を所持していても意味ない(古典園芸道は極道かも・・)し。気持ち紅が入っている青色で某模型誌のあの機体の色と同じじゃないかとか思うのは自分くらいだろうな。

*追記→後日検索していると「七変化(四国)錦」なるものを発見。千草園芸さんによると「藍姫(九州)」とも言われるが弁先が尖っているとのこと。Nakaの泥轍日記さんの藍姫写真を参照すると・・・うーむ確かに丸っぽい。斑色も黄色だし。葉先が紅色っぽくなるのは藍姫的なのかも知れないが、葉型ではおそらく判断不可能。となるとこれは藍姫の錦タイプでない可能性が高いな。もしそうだとしたらすごくガッカリ。いずれ購入元に問い合わせしてみよう。

「銀糊三光中斑」
葉質が違うのでわかりづらいが、鋸葉でもあり銀葉ツバキや銀葉ヒサカキと同じタイプの変異(がかり芸)ではないかと思われる。


「土佐茜」
全面黄葉のヤマアジサイで、同じ黄葉芸の「黄金駿河」と「雨山黄金」と区別がつかなかったのだが…


「黄金駿河」
「駿河」の方は当地産らしく白花だった筈(大株なのに未だにちゃんと咲いたことがない)なので開花してみると区別できたと言う。「雨山」の方は未開花なので分からん。

なお、この写真のような緑との2色葉タイプも選別されている。昨年挿してみたが黄金葉に戻ってしまった。個人的にはこの黄と緑の虎模様の方が良いと思うので気が向いたらまたやろう。「土佐茜」も同様の芸が出るのでそちらも可能と思われる。

「紅錦」
赤花の名花「くれない」の斑入りタイプ。一度緑葉に戻してしまった(案の定復活せず)ので再購入。昨年は花を期待せずに斑入り枝だけを選びひたすら剪定しまくってこの通り。今年の斑の冴えは最高である。
なお、赤くなるのはもうちょっと先である。最初は白なのだ。「藍姫」と並べて置いたら赤鬼青鬼みたいでいいかも。

「土佐の暁」
咲き始めだからか酸性(鹿沼土単用)だからか分からんが本来の発色である赤茶色ではないようである。それでも独特の色合いで悪くないと思うのだがダメらしい。アジサイ道は深いな。

「土佐の暁錦(仮)」
むむ。よく見ると葉に斑が?

「土佐の暁錦(仮)」
変形を伴う地味な斑ではあるが、一過性の斑の様子ではない。

「土佐の暁錦(仮)」
ピンぼけてるけどこれだけの葉数に斑が入り込んでいたら芽変わりは確実。撮影開始時には花が3本ついていたが、斑入りの枝を発見した直後に切り取ってこれだけ残した。容赦はせんぞ。いくらヤマアジサイとは言え斑入り枝だけ切り取って挿し木をすると言う冒険をする気にはならなかった。プロでも上手くいかない年もあるらしいし…

「斑入りヤマアジサイ」
無銘の斑入り種がいくつかあってなんだか分からんが、どこかで銘品となっている場合もある。
斑入り品種の中には芽替わりの選抜具合によっては変化しているものもあるのかも知れんね。

「九重山」
だと思われるが九州産の無銘斑入りとして入手。株は大きいがあまり花が咲かない。
涼しげな花色(一昨年までは水色だった気がするんだが)と安定した三光散斑で個人的には好きなヤマアジサイ。紛らわしいので斑入り品種には「錦」を付けてもらえるとなおいいのですが。でも山採り品と芽変わり品を区別する必要もあるのか・・・悩ましいな。「黄金駿河」とともに安価で普及しているのでお勧めです。

それにしてもヤマアジサイはこじんまりとしていて風情があっていいなあ。傘さしてまで見る気はしないので梅雨前の今ぐらいのまだ涼しい時期に2~3輪咲いてくれるくらいがちょうどいい。山野草の世界にどっぷり浸るようになってから和の植物の良さが分かるようになった気がする。エゾアジサイやガクアジサイやタマアジサイは蒐集するとなると中~大型になってしまうのでちょっと困るが、花付きもよいので梅雨時に窓越しに見る用には向いている。鉢植えの場合高温期には頻繁に水切れするので要注意。またスリット鉢を使うと底穴から他の植物の根が侵入する場合がありカラカラに乾いてしまうこともある。これで枯らしてしまった株もある・・・

2016年5月8日日曜日

カギガタカンアオイ

日本平有度山系に行ってきた。
現在農地の区画整理中でただでさえ少ない自生の植生域が次々と消失している。残念ながら近い将来なんにも残らなくなるのだろう。数十年前の静岡県の自然誌や植生についての書籍を何冊か入手しているのだがその最後の方の記録になりそうである・・・

農地開拓される以前は無数の沢があったそうで未だに久能山側の渓谷地帯は立ち入り禁止になっているくらい切り立った崖が出来るような地形なのでかつて経験のないほどの原生林。ただしすぐ傍に様々な遊戯施設があったり道路が通っているせいで車や人の気配も濃厚にする。

ただ今回観察できた場所は人が踏み入れた形跡があまりないものだから、あまり見かけないようなカンアオイの大株がけっこうあった。スズカの葉模様をしたランヨウアオイみたいな感じの草である。ちょうど開花期だったらしく一目で確認できたがおそらくカギガタ。ようやくこの目で確認できた自生の本物である。葉は照り葉でツヤありやや大型(成長が良い株だけかも)葉質は薄めでつるりとしている。花は中型くらいで草姿は全体的にランヨウに似ている。ひょっとするとカギガタ以外も混じっているかも知れないが皆よく似ていた。

ちなみに斑入りとかはまったくないし(あったとしても斑入りランヨウの不人気ぶりを見るにたかが知れている。くどいようだが基本的に斑入りのカンアオイはヨコシマだと思っている。種親としては所持しているものもある)、地味なアラレ模様のものだけ。とは言えワサワサと葉を茂らせたカンアオイを無数に見ることができたのは貴重な体験であった。

問題はもんのすごくヤブ蚊が多いこと。沢が多いというのはこういうことかと。数か所回ったが山歩き中どこへ行ってもずっと蚊に付きまとわれ耳元でぶ~んと鳴りっぱなし。日焼けしたみたいに真っ赤な顔になってしまった・・・またイノシシの沼田場がいたるところにあって獣臭いし殺人ダニなんかがいるとやばいし大丈夫だろうかオレ。

「カギガタカンアオイ」
「カギガタカンアオイ」
「カギガタカンアオイ」
大きな丸い石が多いのでかつては海岸だったのかも知れない。

「カギガタカンアオイ」
「カギガタカンアオイ」
「カギガタカンアオイ」
「ヒロハテイショウソウ?」
テイショウソウまで発見。しかも見かけたものは全部同じ丸っこい葉タイプ。キッコウハグマはあったが、長細い葉で濃い模様のある「普通のテイショウソウ」は発見できず。てなるとヒロハテイショウソウは交雑種じゃなくてやっぱり地域変種(海浜型?)とする方が妥当だ(交雑自体は起きるとしても)。やはりちゃんと自分の目と足で確認しないとダメだなぁ。全国の自生地を渡り歩く草数寄者たちをほんと尊敬するよ。

「ヒロハテイショウソウ?」
植物標本(参照:徳島県立博物館)を見るにヒロハで間違いないようである。

「ヒロハテイショウソウ?」
「ヒロハテイショウソウ?」
一番幅狭で色が乗っていそうに見えたこの個体ですらこの地味柄。

「ヒロハテイショウソウ?」
どう見ても全体的に丸葉傾向があるようだ。葉の切れ込みが深めなのでモミジバハグマも参照してみたがあっちはむしろモミジガサに似ていて違うっぽい。種の季節に再訪せねば。


2016年5月5日木曜日

ハナイカダ結実

「ハナイカダ 実」
あれれ・・・これ結実してますよね。と言うことは、前回の雄花と思われるものはやはりそうだったのだ。

「ハナイカダ 実」
こっちも実が生ってるし幻でない。雄木は持っていない筈なんだけどねぇ。
となると、やはりハナイカダも雌雄異株ではない。あるいは両性株もある可能性が・・・?

「ハナイカダ 羅紗斑入り葉」
♂か♀かも分からない。羅紗抜けの枝だけ挿し木してみた。
ハナイカダの挿し木はヤマアジサイ並みかそれ以上に超簡単(このオレでも余裕で成功する)なので、庭をハナイカダだらけにしたい奇特な人にはおすすめ。

2016年5月4日水曜日

テイショウソウ実生の経過観察

「キッコウハグマ 実生 屋内管理」
室内管理していたもの。今年花も咲くんじゃないかと思うサイズである。
キッコウハグマかその雑種のつもりだったが、丸葉のテイショウソウにしか見えない。
葉模様まで出てきた。

「キッコウハグマ 実生 屋内管理」
3枚目の葉は長細く、完全にテイショウソウにしか見えない…

「キッコウハグマ 実生 屋内管理」
こっちの葉はキッコウハグマっぽい無地だが、他は同様の形態を示す。雑種なのか、(間違って播種した?)テイショウソウなのか謎である。肥培によって姿が変化するとかじゃないよね・・・

「テイショウソウ 実生 屋外管理」
直射日光下で管理していたもの。さすがに枯れたものもある。が、意外にも結構耐えている。ただギリギリなんだろうなとは思う。さすがにこれ以上気温が上がる季節になったら日陰に持っていこう。枯らしてしまったら元も子もない。

「テイショウソウ 実生 屋外管理」
ずっと棚下。成長は直射日光下のものよりちょっと良い程度ではあるが、みずみずしく平和そのもの。まあ、こんなものだろう。栽培場所がいかに大切なのかが如実に表れていて興味深い。

ようするに「温室を用意して環境と水の管理をしっかりせい!」と言うことだ。

当たり前すぎてつまんない結果になったな。これ金魚も同じだし。ズボラでやるのはダメだってことは最初から分かってるので自分的には不満足。

温室・・・欲しいな。誰かくれないかな。

2016年5月3日火曜日

帯化チコリ

「チコリ 帯化
帯化」した「チコリ」である。珍しいのかどうかは分からない。自分では「おびか」、「つづれか(綴化)」と湯桶読みしているが、「たいか」、「てっか」が正しいらしい。たしかに石化を「いしか」とは言わないもんな。でも、「せっか」「たいか」「てっか」じゃそれぞれどれがなんだか非常にわかりづらい。

PCの普及で手書きならば絶対に使わないような難読漢字を使ってみたり逆引き(参照:GigaDict日本語教育漢字熟語逆引き字典)しないとなんだかよくわからん漢字変換しちゃう書き方はスノッブな感じがするのでホントは横文字もあまり使いたくないけれどもPC画面は見づらいのでいやらしくならない程度に適度に織り交ぜつつこだわって書いている。実は。

「チコリ 帯化」
「チコリ 帯化」
数年前に種を送ってもらって実生したのだが大半が枯れてしまった。同じようにアーティチョークもダメになった。どうも鉢植えがよろしくないようである。結局食べずじまいでどんな野菜なのかもよく分かってないが検索してひっかかる白菜状のものになるとは到底思えない。せいぜい大柄なタンポポみたいな感じである。

でも生き残ったものは環境に適応したらしく半野生化しているので、ぽつんぽつんと勝手に生えてくる。最初は1株しか残らず自家受粉してないように感じたのだがこうやって勝手に生き残っているとなると問題ないのだろうな。しかしだんだん不和合性が出てくるとかないのかどうなのだろうか。採種して固定できたら面白いかもしれんが。

「チコリ (普通)」
シソやハーブ類ほど強靭ではないのでうじゃうじゃ出てくるほどではない。なので邪魔と言うほどにはまだなっていない。


雑草にもブームがあるようで今年はやけに「ムラサキケマン」と「ネコノメソウ」(マルバネコノメソウ?『参照:西宮の湿性・水性植物』さん)が特に多い。ネコノメソウに至っては雪割草とキンチャクアオイの鉢を埋め尽くし、中が見えないほど。抜いちまえばいいのだが、うかつにやると昨年の細辛の大絶滅みたいに根が残って用土中で腐敗して白絹病などの原因になりそうなので諦めた。

もっともネコノメの茂みをかき分けて中を覗き込むとちゃんともともとの家主が生きているので良しとしているのだ。遮光布や寒冷紗の代わりみたいなものだ。生ミズゴケに着生ランを植えこんでいるのと同じアイデア(嘘です)。

このネコノメソウは信州の山野草屋さんからもらってきたもので、 元々は斑入りで株分けもしたらしいが、それが斑抜けてしまったそうなのだ。であるので訪園時には斑入りは残っていなかった。園主さんは「みんな珍しいものからもってっちゃうんだ」って愚痴ってた。どうやって栽培していいのか分からなかったのでミズゴケ植えをして日陰に置いていたのだがそうとう種をばらまいたと見えてもう庭中いたるところから生えてくる。その鬱陶しさと言ったらツクシスミレ並みである。

昨年以前は「スベリヒユ」をよく見かけて炒めて食べてみたりもした(わりといける。世界的にはむしろ野菜扱いみたい)。もう魚の屋外飼いをやめたので農薬を使っている今ではできん。農薬は正直効き目が良く分からないのだがおまじないのようなもんだ。ネコノメソウに毒はあるのか?わりとみずみずしくさっぱりしていそうだが。


ところで、エリック・サティの演奏でも知られるアルド・チッコリーニ氏であるが、小チコリ(複数)さんなのかとおもっていたら、Lの方なのでぜんぜん関係ないようである。イタリアはさすがに歴史の長い国だけあって地方野菜の品種もいろいろあるようで面白そうである。