2016年12月25日日曜日

激辛トウガラシの発芽

「キャロライナ・リーパー (芥川特辛株) 実生」
とんがらしの芥川さんからの購入株からの実生苗。発芽後3週間目くらいかな。
春蒔きすると当年中の結実に間に合わなくなる可能性があるので、種の一部(および全て)を試しに播種してみた。


自家製発酵液肥をやったら葉が腐ってしまったものがあるので、葉面散布は停止。液肥散布後は葉面洗浄をしている。おもしろいことに実生苗に水を与えるたびに、フルーティな甘い香りがするのである。

この香りの元は、どうやらトウガラシ(実)自体のニオイであると思われ、トウガラシの実を原料に発酵中の天然酵母から漂っていた強烈な刺激臭が和らいでくるに従い嗅ぎ取れるようになってきた。
辛みがなくなってしまえば、フルーツになりそうな感じであり、何かに使えそうであるので思案中である。

手持ちの2年もののCR株の実と比べてみたのだが、ややマイルドな刺激臭。香りと辛さが比例するのかどうかは不明。 また、これがカプサイシンと関連するのかもわからん。

ウィキペディアにも書かれているが、金魚の白点病治療に使われる。金魚飼育最初期にやったことがあるが個人的には効果はないし、濃度によっては魚にダメージが及ぶ。また、酵母の件でも分かるようにトウガラシには殺菌効果はない。あるようであれば、キムチが酢酸発酵したりしないでしょ。

ただし、熱感刺激が微生物にも反応するのか高温耐性のある菌株が多いそう(「コチュジャン開発秘話」 参照:日出味噌醸造元)なので試作。幅広い温度帯で活発に活動する有用菌が優勢になれば、魔の梅雨時や盛夏の腐敗菌。しいては水槽の病気を抑制(殺菌ではなく防疫)できるかもしれない。

オレの頭の中ではすべてのブリーディングがリンクしているのである。もっとも熱殺菌できない病原菌なんかを増殖させかねない恐れは常に頭をよぎる。

「ブート・ジョロキア紫」
このブート・ジョロキアは発芽率がかなり悪い。種が腐りやすいのである。テストの筈なのに結局全部蒔かざるをえなかった。

明らかにカラス葉のやつが一株。軸がどれも紫色を帯びはするが、固定率は高くないのかも。親株も寒くなるにしたがって実の色が紫にならなくなってきた。

年末だというのにまだ蕾がついており、温度次第では結実しそうである。また、実生したトマトが結実している。葉がダメになってきているので完熟はしないだろうが、本来多年草なナス科植物なのは同じ。また、地域によっては屋外越冬してしまうケースもあるらしい。

実生した記憶がないが実生と思われる(ミニ)トマト


さすがにすべての株を屋内退避させることは無理なので、やらない気次第で皆さん外で頑張ってもらうことになるかもしれぬ。あとは、水を切るのが良いのかこのままがいいのか、それが問題である。




2016年12月24日土曜日

いつぞやの光合成細菌

「左:油粕 右:魚粉」
だったと思うが定かでない。何回も暴発させたので途中でだいぶ薄めた。まったく増殖せず。
失敗は基本的に放置なのだが、片付ける前に記録だけ。

光合成細菌の培養もほぼ止める。油粕の発酵堆肥もやめようと思う。臭くてたまらない。屋内での使用に耐えないものは屋外では近所迷惑だし。少なくともちゃんと発酵をコントロールできるようになるまではやめ。

今後は微生物培養に移行する。というか、目下の興味はそちらのみ。
すでに数種類わかして分離した。

が、分離後酵母を選択的に培養しようと思って砂糖添加したら、せっかくの色違いの菌がいなくなってしまった。そんなわけで、目下嗅覚でしか判別できずしかも大半が同じような香り。米麹というよりはフルーツ系の芳香があるので、ワインとか果実酒用の酵母に近いものなのかも。

悪臭と言う感じでもないが「栗」っぽい香りのするのもあるが適当な表現でいいのかなぁ。と思ってたら「老ね香」の項に「マロン」臭とか書いてある。己の鼻の感知する発酵物の「フルーツ臭」ってヤツは「リンゴ香」とか「バナナ香」ってものだと思われる。カプロン酸エチル酢酸イソアミルの匂いを嗅いで検定してみたい。

他にもあきらかにアルコール発酵香でなく、好意的に分類すると「金山寺味噌」的匂いな菌がいて区別できる。ウグイス色の菌を選別したヤツで、ひょっとするとタンパク質分解に特化した系統のいわゆる味噌麹系なのではないかと推測している。が、砂糖添加した時点で緑色のコロニーが消えてしまった・・・だって腐敗菌とかだったらいやだったのでとりあえず比較的安全そうな酵母に助力してやろうと思ったし。

もともとは紫色のものを分離したつもりが、コンタミしてしまったらしい。一応微生物検査の方法を応用して簡易ドラフトをやったつもりではあったが完全には落下細菌を防げなかったか、やはり培地で増殖させないとだめなのか・・・。まあ、悪臭というのとも少し違うので本能的には一応どれも発酵の部類にあると思う。が、悲しいことにアレルギー反応なのか香臭気確認中に鼻が詰まりかける。

あと内心恐れているのがアンドロメダ・ストレインとか怪しい菌を誤って増殖させてしまうこと。麹菌にも毒性のある種が結構あるようなので心配である。未知の病気で入院とか洒落にならん。「天然酵母」を売りにしているベーカリーやそのほかの有機なんたら屋さんたちは、ちゃんと安全を確認しているのだろうかとちょっと心配になる。

またアルコールを醸造したからといってそれがメタノールでない保証はないよなあ。と思ってたらば、こんなサイト(参照:自家醸造/蒸留総合 @ ウィキ)を発見。ペクチンがまずいのか・・・。むしろ積極的に利用してるじゃん。じゃあ、飲めんね。というかペクチンってジャムにするような果実なら確実にはいるじゃんか。柑橘なんかやばいかね。

2016年12月23日金曜日

テイショウソウ実生の結実

「テイショウソウ 種」

たった一粒だけだが受粉成功したようである。周囲の状況を鑑みて、ハナアブのおかげだと思われる。

しいなの方を確認しようと触ったとたん風が吹いて(昨日は暴風雨であり糸魚川周辺では大火災が発生延焼中だとか。こちら本日は晴天であるものの風が強め)、肝心の種の方が吹っ飛んでしまった。

一瞬茫然としてかたまってしまったが、もう一年を繰り返すわけにもゆかず、大慌てで周囲を探しまくって、運良く発見。とりあえず屋内に取り込んだ。

一安心して別の作業をして、もどったらまた見失う・・・


室内だったので、なんとか再発見。

心臓に悪いよ。個人的には劇的な事件となってしまった。

札を書いて、主のいなくなったマツバランのポットに植えこんだ。

これで本当に最後の栽培記録。一巻の終わりである。一安心だ。
責任から解放された~~



運が良ければ2週間後に第2巻?


ひさびさの金魚

「昨日くらいから孵化開始、本日完了」

久ぶりのブリーディングだ。

本アズマの血の入った「出目花房珍珠鱗」(花房&パールになってないので、みかけは透明鱗の竜眼。ただ育種的にはこれ。本当は水泡も入っているのだが出て来ない→前回の掛け合わせではフロッグヘッド系はいる。ので、将来的には再掛け合わせが必要になるかも)を♂。

これが一尾しか生き残っていない。まあ、数尾はいたのだが全部♂だったので乞われてあげてしまった。ウチで飼うよりも幸せだろうと思ったのではあるが、毎度毎度綱渡りである。


それと入江氏の「アルビノらんちゅう」(普通鱗の方)♀。 


貴重な本物の「本アズマ」の血統にもかかわらず「三色」ではなく「桜」でしか表現できないのが惜しいが、まだ色で選別できるほど余裕はない。

これらの子は、たいして数がとれそうにないので、アルビノの出目らんちゅう系の透明鱗タイプの材料になる。2年前のパールらんちゅうタイプがだいぶ大きくなってきたので、そろそろ産卵してくれるのを期待しているが、そちらはアルビノ出目パールを狙ってのインブリーディング用。アルビノにならなければ三色出目パールらんちゅう候補に。


未だに掛け合わせが成功していないが、宇野系の方で網透明鱗にしようと思う。あまりにも遠ざかっていて、いろいろな決断が鈍ってしまっているので、再度決心のし直し。本年には使う予定だった個体がすべて落ちてしまったせいで、再構築中。


これだけグチャグチャの交配をしていても、人工授精しかしていないので、コンタミは不可能。宇野系と協会系のらんちゅうは絶対に混ぜたくないし、浜錦やクラウンパールの水泡状肉瘤と、キイチゴ(ラズベリー)型肉瘤は別遺伝子と仮定しているので区別したい。


とは言え、遠い昔に「虎竜」の血が入っているのでダメかもしれんが。ただし、中国金魚にしてはまったく頭が出ていなかった。当時は出目とパールの組み合わせ自体がかなりレアだったため、出自が知れない。ごくごくまれに、浜錦系統の透明鱗(浜錦と呼ばれていた透明鱗の高頭パールの系統。おそらく輸入系)にまじって出目がいたことがある。飼育していたこともあるが子供は取れなかった筈。記憶はあいまいだが記録は遡ればよいのでこのブログの意味もある。


協会系の方はぷるぷる肉瘤のフンタンを伸ばす方向に進化していると思っているので、その系統(鈴木東)を混ぜ、宇野(京都らんちうの会の系統に近いそうだと伺った。尾を重視しない)系に本アズマを入れようと思っていた。

今回そうなっていないのは、大人の事情。

再分離と言うのは純血にはもどれないもどかしさがあるので、困ったものであるが死滅してしまうのはもっと困ったことなのである。

いつか三色に戻す余裕が出来たら、鈴木東をなんとかして手にいれて本浜錦の血もあわせて導入したいところである。しかし、鈴木東からパールが出たという話はきいたことがない。理屈から言えば出る筈なのだが、鈴木東として固定化された品種であるので出にくくなっているのではないかと想像していた。

なお、ここ数年の最新の情報は入れていないのであしからず。

2016年12月18日日曜日

斑入りオニタビラコの実生苗

「富士産 斑入りオニタビラコの実生」
ツバキの鉢に飛び込んで勝手に出てきたもの。

「斑入りオニタビラコの実生」
親のいた鉢。越年草らしいので代替わりだ。彼らも来年種をのこしたらさようなら。本来は山で絶えていたであろう突然変異した雑草たちがこうして生き延びてひょっとすると園芸品種化されるのは山野草古典園芸界の醍醐味の一つではある。しかし、多少なりとも毎年手間をかけてやらねばならんとすると難しいかもな。

「斑入りオニタビラコの実生 日陰置き」
リスク分散の意味で日陰で育てたもの。徒長しているが大き目。日光はほぼ当たらずカンアオイとヤマアジサイくらいしか育たぬ。ツワブキですら微妙に作落ちする。

横の木は「クマヤナギ」の斑入り。在来種であるが、海外で作出されたものらしい。5年以上は経っているがようやく結実し始めたのでいずれ実生できるかも。直射日光でも栽培可能だが、枝によっては白い部分が多いくらい派手に斑入りになるので葉が傷まないこともない。ツル性で巻き付く性質があるのでうまく誘導してやれば洋風のおされなお庭の入り口とかにも使えるかも。ただし冬季落葉する。


オマケ

「緑花 関東タンポポ 翠玉」
「翠玉」であるが、改良園のカタログ(2017年春号)によると、「東京都清瀬市で発見された緑色吹詰咲きのカントウタンポポ」だそうである。やはりトウカイではなかった。現存する緑花蒲公英はカントウのみである模様。

しかしながら思うのだが、山野草の作出権とかはどうなっとるのかね。誰が発見して、誰が増殖して、誰が改良したとか知りたいのは自分だけなのかね?ブリーダーとしてはそういうデータは重要だと思うのだが、あいまいにして流通していっちゃう感じで、暗黙の了解のグレーゾーン的なものなのだろうか。インディーズバンドの悲哀的なものを感じたりもする・・・・・・・・

2016年12月17日土曜日

2016年12月の椿

「尾張五色椿」
二花あるがどちらも同じ青紫の覆輪の花弁をもつ。花の終わりごろに紫色になる品種があるのは知っていたが、本当に青紫色を帯びるのはちょっとした驚き。


なのだが、本来咲き分け品の筈。株が肥えないと本芸を出さないのは山野草の常ではあるが意外な展開である。ちゃんとした椿園から購入したものだが、札はあってるんだよね?

「銀葉椿の実生」
がかり芸を呈さず。残念。他の数個の種は発芽せず。

「中斑」
ヤブ椿系の中斑とのことだったのだが、詳細は不明。

「中斑の枝替わり」
↑の個体の枝替わりの掃き込み斑が出現した。一過性のものかとおもったがどんどん成長してくる。どうやらこっちが本体で、中斑の方が枝替わりかもしれない予感。

ツバキの斑入りとして出てくる不詳のものの中には同一のものが含まれているのではないかと思う。人工授粉してみれば検定もできるとは思う。しかしながら、ウチの椿は結構種が出来ているのだが一本だけなので本当に自家受粉しないのか謎である。自然実生したものは同じような花が咲いている。ただし、隣にサザンカもあるので交雑種である可能性もなくもない。

出来ることなら、ヤブツバキはヤブツバキとだけで交配させたいと思って、ヤブツバキを中心に集めている(詳細が分からず栽培後になってユキツバキ系やその他と判明したものも含む)のだが、染井吉野の例を持ち出すまでもなく古典品種の中には交雑品種も混じっていると思われる。

山野草などで純系が確保できるものは系統累代をし、家畜品種(よく考えると「野菜」って変な漢字だ。なんで「家菜」じゃないんだ?)は、特性を強化するために混ぜまくる。とは言え、地方野菜とかも評価されているからして。

いやだがしかし、フルーツならば目的はただひとつ「うまい」かどうかであるので、美味くかつ豊産かつ強靭とかそういう方向であれば雑種か否かなど問題ではなかろう。どこに価値を置くかだな。二重基準になってしまうが、まずくて虚弱なものの需要などないからな。そうなるとレアと言うだけでキレイでもなんでもない山野草も微妙な立場ではある・・・・・


「三色あるいは五色斑椿」
常緑樹の下にシダ類とともに置いてあるが状態は良好。斑入り椿は直射日光で葉灼けするものが多いので遮光してやった方がいい。同管理でユキツバキ系の斑入りである「麗山峰」も状態良し。
斑入りに限らず全体的にツバキは直射日光があまり得意でないようである。

「黄葉 九州熊本産の山採り」
葉が2枚しかなくて、枯れるかと思っていたものだが数年かけてここまで来た。日陰管理ではちぃとも成長しないし、色もつかない。直射日光に当てた方が良いとのプラントハンターからのアドバイスで冷や冷やものであったがなんとか。
本芸でないのかウィルス斑っぽいのが残念。左側の株は別の斑入り九州は鹿児島産とのこと。地味ではあるが本斑。右の散斑も九州宮崎産。ともに無銘品の筈。

じつはもう一株本黄葉らしき若草色のものもあったが、日に当てすぎて葉を痛め、植え替えたら水不足らしく枯らしてしまった・・・・今年もやっちまった。夏場はあれほど「水切れに注意!!」と言っていたのに・・・・・自戒の意味も込めて記す。反省しても足らぬ。一品ものだったし・・・・

でも蚊がわるいんだよ!