2014年7月30日水曜日

本斑ニシキシダのつづき

最下層の棚のカンアオイにまで光を届かせようとして上の棚の鉢を動かしていたら、うっかり葉焼けしてしまったらしい。
あるいは、単に暑すぎるだけなのかも知れないが、とにかく葉の痛みがひどい。

カンアオイの方だが、どうも梅雨前後に地上部を失ったのが今頃になってまた芽出ししてきた個体もある。「キンチャク」や「オナガ」は同じポットの全ての個体が次々に落葉して次々に発芽してきているので、「冬葉」「夏葉」みたいな切り替わりの生育周期があるのかも知れん。

慌てて殺菌剤を撒いてしまったけれども、取り越し苦労だったのかも。しかし、まだ音沙汰ない稀少苗がいるので、マジで怖い。ダメだったら絶対に凹む自信がある・・・
そして、また幽霊みたいな葉っぱになってしまう・・・・・
さすがに来年はもう無理かも。

あと、関係ないが「マツバラン」に「カイガラムシ」がくっついてしまって駆除が非常に困難。昨年以前は気付かなかった。特に一部の株に多いので、どこからか貰って来たものだと思うが、定かではない。
出来る範囲で取り除くが、卵が落ちるのかいつの間にか元通り・・・キリがない。一ヶ月くらい水没させてみたこともあるが、絶滅出来ず。嫌いな薬剤を撒いてみたが、ほとんど効果がないようだ。

2014年7月6日日曜日

オナガカンアオイの実生苗

梅雨時はカンアオイにとってもっともヤバイ時期らしくて、葉を落としてしまった個体がいくつもある。根は大丈夫そうだけど、心配。

 スミレなんかも萎れてきたかと思うと、根が腐って逝ってしまう個体がある。別に変なことはまったくしていないのに、謎である。ただ、腐る前に「ナメクジ」か「ダンゴムシ」に新芽をかじられてしまっていたりもするので、傷口から病原菌でも入ったのかなとは思わないでもない。だいたい枯れかけた葉などを好むナメさんは枯草菌や腐敗菌などでイッパイなんじゃないのかね。

どちらかと言うと無防備なこの二種がウジャウジャいるのだから、その捕食者もいても良さそうなのだが、どこで何をしているのだろうか。それとも狭い庭のスペースだけで循環型自然状態を創りだそうと言うのに無理があるのだろうか。

カンアオイ類は結構するせいもあるのか、基本的に鉢植えされていると思うのだけど、勝手に授粉・交配をしてくれたらいいな~と言う考えで大きいプランターにまとめ植えしてある(ものもある。あまりにも高額なのは隔離はするが・・・)。

「細辛」類は意外に丈夫なものが多く、葉がなくなってしまっても復活してくる。「タイリンカンアオイ」は基本的には肥料を好み頑丈らしいし、「オナガカンアオイ」に比べても生育旺盛な気がする。にも関わらず、実生苗が出来てるのはオナガだけなのだ。なんでかね。

ともあれ宮崎県から遠く離れたこの地でも、ほぼ自然状態(さすがに肥料と水は必要な時には与えるけど)で増殖しつつあるのは、実にうれしい。こう言うことをやりたかったのだ。

「オナガカンアオイ(普通種)」
花期は終わっていて、授粉成功していると花が残る?
・・・のか気温のせいなのかよく分からないが、アリに穴を空けられてしまった。
信州の某山野草店に立ち寄った時、園主さんに「アレ(カンアオイの花)は甘いんだよ」とか教えてもらったのだが、花は地面に埋没しかけている。のでおそらくエライオソーム付きの種を狙ったため?
種の持ち出しを阻止しようと穴を塞いだら、翌日には花自体が切り取られてしまっていた・・・為に種は回収できず。いつかどこか思いもよらぬところから生えてくるかも・・・。どうせなら鉢内に落としてくれればいいのだが。
「株全景」
オナガにはあまり銀葉がないらしく、これも「銀葉」として入手した訳ではないのだけど、やけにギラギラ反射して見えるのは気のせいか。
昨年ジベレリン処理失敗した実生個体の筈。
別に問題なく本葉になっている。
「親株?」
花のある辺りから出ているので、自家受粉したものがそのまま落ちただけかも知れないが分からん。
ジベレリン処理成功した方の実生苗。
失敗した方と葉のサイズは大して変わらないよ・・・
なんだかエンボス加工したような厚めの葉で、細辛(「葵錦」?)の花粉をつけてみた雑種かも・・・
実は2子苗とも青軸・・・
う~む。花を見ないとなんとも言えないが、細辛の青軸って優性遺伝するのだろうか。

ベニシュスランの授粉?

「ベニシュスラン」は10cmにも満たない小型の草体に見合わぬ3cm程度の大きな花を数輪つける。
「ベニシュスラン 普通個体」
充分に光がある状態だと草体と花の大きさがほぼ一緒ぐらい場合によっては花の方が大きかったりする。
遮光下で徒長させるのは貧弱に見えて好きでないので、時に陽が当たるぐらいの軒下においてあるがさすがに葉焼けすることもある・・・
今が花期らしくて、普通の個体も斑入りも淡い朱色の花をつけている。素心の純白花と白い茎の個体があり大変美しく、何年か前にネット上で見かけてからずっと欲しいと思っていた。で、数年前から集めていたのだが、古典園芸植物の例に漏れず、斑入り個体に大変人気があり、特に花も美しいことから小個体でも結構高価な部類である。
「丹沢錦」
斑入りのベニシュスランには白や黄覆輪の他に銘のあるものが数種類ある。
「丹沢錦」は白軸白花個体で斑入りがキツイので、普通株が元気一杯でも調子が落ちてくる。
なおすでに昨年一株溶かしているので、非常に心配・・・・来年拝めるか分からないので記念に一枚。
栽培法がいまいち良く分からず、寒さには問題ない(らしい)のだが、夏の暑さに弱く結構溶かしてしまった。でも、斑入り以外はまあまあ育てられるようになってきた。おそらくベストの育て方ではないのだが、水苔単用でほぼずっと湿った状態にしてある(乾いた状態でも株自体は元気みたいだが、挿し芽をするには濡れている状態が良い模様)。

「ベニシュスラン 青軸」
未確認だがおそらく白花だと思う。
やはり白花であった。7月末~開花
普通の色の花との対比

ついでに言うと「八丈シュスラン」「カゴメラン」などの南方系のシュスランも加温無しで越冬できたよ!結構枯れたのもあるけど、生き残りは新芽も出てきている。暖地で馴化されたのと実生した「カシポオキナグサ」と「カゴメラン」が一緒に育っているのを見るのはなかなか感慨深いものがある。まあ、これからが夏本番なのだけど。

そんな訳で、加温・冷却等(*置き場所や水やりはそれなりに気を使ってはいるが、いつか日本庭園を造る時に放置しても大丈夫な程度)の特別な管理もせずに安定して開花させたと言って良いような栽培状態になったのだが、ベニシュスランは開花させると枯れてしまう(らしい。ウチでは少なくともそのようだった・・)のである。なので、せっかくの花もちょっと見たらば切り取られねばぬ。ましてや、授粉させようとすると相当に危険である。

とは言え、基本的には育種の為に買っているので(基本的に古典園芸植物の増殖は株分けなので、その由来の正当性や系統の良さが大事なのであって、実生は軽く見られる傾向があるせいか、こう言うヒトは少数派らしいことを実生されている方から伺った。せっかく苦労して貴重な品種を交配させても評価されないのは残念なことだ。が、ホームセンター等に流通する大量生産品とは違うのだよ的な世界があってもいいとは思う)授粉を試みたことがある。が、花を分解してみたが雄しべは分かっても雌しべがよく分からん。丹沢錦の実生もしている方にも伺って、一応は正しいことをしていた筈だったのだが、結局人工授粉は出来ていなかった。

「ミヤマウズラ」や「カゴメラン」など葉芸の美しいシュスランの類が地味な花穂(1つの花は5~10mm未満。人工授粉されている方もおられるが、根性あるなあ。よほど好きで好きでたまらないのだろう。やりたい気はあってもやる気にまではならぬ。生後1週間の金魚の稚魚の選別ならやらんこともないが、正直授粉作業は虫にやってもらいたいと思うくらい)をつけるのと比べ、より大型なので人工授粉も容易かと思ったのだが、すでに授粉済みの購入品以外で種を見たことがない。大きめな花なので相応のサイズの授粉昆虫がいるのだろうとは思っていたのだが、いかんせん自然状態で見たこともないような植物の生態など知る由もないのであった。

でも、ひょっとすると?と思ったのが、この写真。ハアリか何かか?と思ったのだけど、よく分からず。
背中に雄蘂(?)がくっついてしまっている。
女王アリみたいな気がするがなんなのか。
水に濡れても取れないよ。

*7月半ばぐらいには花は萎れてきたが授粉した形跡もなかった。