2017年4月30日日曜日

土佐の暁錦(仮)

「土佐の暁錦(仮)」
最初の一枚目。

「土佐の暁錦(仮)」
その後2枚目も出てきたので、ウィルスが入ったのでなければなんらかの遺伝的な斑ではあるようだ。けれどもこんなもので「錦」と言ってよいものやら。ここから覆輪とか本斑になることはあるのかね。

~おまけ~
「タマアジサイの斑? 伊豆箱根産」
十国峠周辺の山中から一枝分けていただいてきたものをばらして挿し木したもの。無事発根していたらしい。葉脈に沿って出ているのでウィルス斑かも知れないが、2枚に確認できる。継続しないかと思ってたらまた出てきた。本斑のタマアジサイからするとかなり地味ではある。なお、花未確認のため本当にタマアジサイかどうかは不明。


多福弁天

「多福弁天」
江戸期からの古典椿の品種である。
花色・花形・葉型の3芸品で江戸バロックとでも言おうか空間恐怖症的なゴテゴテ感でお腹いっぱいであるが、さらに糸覆輪の枝変わり「三笠の月」があるそうだ。
この弁天葉に覆輪までつくというと二重覆輪になるのだろうか?さすが200年を超える古典品種。と思ったのだが、花色の方であるようで葉っぱは普通。

日本文化というと侘び寂び引き算の美学とか言われがちだがあれはデザインみたいなもので創造してから後の作業。狭い庭に入りきらない多品種をなんとかしたい奇品収集家の執念の結果だったりして。

「多福弁天」

あまりキレイに咲いてないが花芯が開いていて肥後椿のようである。「肥後椿」はその特徴である開いた花芯もさることながら、花弁がよれている感じとかからしてサザンカが混じっている気がする。

フギレオオバキスミレの斑

「フギレオオバキスミレ」
カンアオイに関しては斑入りは邪道だと思っている自分は、ほかの植物でも葉模様のあるものは「フイリ(地模様)」が至上だと思っている。基本的に斑入りは植物の生育の妨げになるだけで管理が難しくなったりするからである。

と言うのは建前で、スミレに関しては斑入りもフイリも栽培している。と言うか非人工交配種(=自然種あるいは天然の交雑種)しか集めていない。スミレの良い所は閉鎖花をつけるのでクローンで純系の個体維持と増殖・株の更新が同時にできることである。ただ、往々にしてその種が飛ばされちゃって見つからない。ウチでは切り込みを入れたストローで鞘を挟みこむ方法で確保している(天南星などの折れかけた枝を支えるギブスみたいな用途にも使える。傷の具合にもよるけれどそのまま一期保った)んだけど、花茎が伸びてきちゃって逃げられることがよくある。スミレはマニアがいっぱいいるようだけど栽培してるひとたちはどうしているんだろう・・・。


「フギレオオバキスミレ」
黄色の物体だが、むろん花ではない。念のためちゃんと見てもやはり葉である。・・・どうせビックリ斑とかいうやつで継続はしないのだろうけれどまあ面白いかと。最初の葉がよれているので何かの病気の感染かと思ったがそれと関係あるのかどうかは分からず。花期も分からず。

高山植物や北方系の植物はウチではうまく育たず、前回購入した時は葉が展開すらせずに枯れてしまったのだが(冬季~春季は水やりくらいしかできないので、さすがにこれで管理の悪さを指摘されても困る)今年はいいな。低温が長引いたせいかな。実生苗だと個体差によって適応能力に違いがあるらしいので、だとすると良いのを引いたのかも。

たぶんコスミレ系と思われるやつから始まって、ヒゴスミレ系(とても香りがよく、日本ではまずないと思われるが南欧の菓子にはあるスミレのフレーバーと同じ匂いがする)、マンジュリカ系(錦葉スミレとして古典園芸植物の遺産であるようだが、関西の山採りとされるものが似ているので屋外に逸出している可能性がある)、フモトスミレ系(*詳しくないので適当な分類。花期が限定的すぎて花を見てもサイズと色以外の違いがよく分からん。参考書籍を見直すまでとりえず勘違いも含めてこのままで)と花が咲き終わり、キスミレはいつ出てくるのか・・・。なおいただいたエゾキスミレはすでに花期が終わっていた。


フギレオオバキスミレについてはこちら(参照:北海道オオバキスミレ探訪記)が非常に詳しい。よくここまで調べられていると感心する。

2017年4月29日土曜日

テイショウソウの斑

「テイショウソウの斑」
「打ち込み斑」と言うのか正しい古典園芸用語辞典が欲しい。それはともかく次の葉にも出てきたのでこいつは本物であると認識。実生時には常に斑入りを期待するものだが、出来過ぎぐらいの果報である。

「テイショウソウの斑」
自家産発酵肥料を発酵途中で与えてしまって(*物凄く反省している。これについてはいいずれ別にまとめる)やや元気がない。

昨年はまったく気づかなかったのだが、直射日光炎天下の越水栽培と言うあまりに過酷な環境で秘めたるなにかが覚醒してしまったのか。後悔する前に単独栽培することにした。

テイショウソウは植え替え時に根を傷めるとへなへなになってしまうことが多いので警戒したが、昨年来の鍛え方が違うのかへっちゃらであった。良い傾向である。これを狙っていたのだ。もっとも幼苗だからと言う可能性もあるが。

「テイショウソウ実生2歳」
キク科のカンアオイあるいはフイリスミレの巨大葉と言った趣の美しい葉模様である。同じような林床の薄暗い環境に適応した他人の空似であろうか。

色の濃いのも薄いのも銀糊の多いのも混じっているが、株元を見ると同じ株だったりする。芸の発現条件が不明なので選別するなら本芸になってからだな。若さのせいか葉幅が広めでヒロハテイショウソウの葉型に似ている。


2017年4月24日月曜日

甘い菌

「金山寺風の匂いの菌」
麹とかを拡大培養していると培地表面にコロニーを形成するものだが、この自家産の金山寺風ニオイの菌の場合何が気に食わないのかずっと液体ドロドロで、何回か上澄み水を捨てたにもかかわらず固化する気配がなかったのでごはんを追加した。その際適当に振り混ぜたらフタの隙間から漏れ出してきてしまったので適当に拭いておいた。

いつもならセメダインの乾いてしまったような琥珀状物質が残るのだが、今回はなぜかべたべたして松脂のようである。

むむむっと思って、意を決して人体実験を行った。

甘い・・・・・・・・・

完全に水飴であった。

「炭水化物を糖に分解するなんて有望株かも!」って思ったがよくよく考えてみるとだいぶ前にブースターとして砂糖を添加したような気がしないでもない。こういう記憶が曖昧の時には自分の考えそうなことを想定してみる。たぶん、金山寺風なのでタンパク質を分解すると仮定したと思う。同時に麦味噌を想定したので炭水化物でもいけると思った筈。となるとやっぱ砂糖入りの可能性が濃厚。

であるとすると砂糖なしでも甘くなるか確かめないとならんな。

「フタの隙間のウグイス色の菌」
そういえば紫色の菌を採ったつもりが最初に出来たコロニーはこんな緑っぽい色だった。それが一時的に消えて白いコロニーになった。麹菌にはウグイス色から白いものまでいろいろあるが同じ菌の変種なのか同じ菌でも培地状態によって表現型を変えるのか。ニオイはずっと金山寺風であったが。

「フタの裏の黄色の菌」
鮮やかな黄色。日本の麹は黄麹とも言うそうだが、緑を青とか紺と言うお国柄である。
これは同じ菌なのか別なのか。どっちかはっきりしてくれ。
と思って両方採ったが同じものだと仮定して拡大培養することにした。


なお、これを書き込んでいる時点ではまだ生きているし腹痛もないが。はてさて

2017年4月23日日曜日

バジル各種

「スイートマンモス」「クローブ」「シャムクイーン」「レタス」
「ペルシャ」「ナーノ」「アニス」「ジェノヴェーゼ」
「ルビン」「シナモン」「マルセイユ」「ラージリーフ」

バジルにはいろんな品種があるのは分かった。が、異名同種もあるようなので別品種であろうと思われるものを選んだ。

まばらなものは種数が少なかったせいもあるが、すべて同じような管理をしているので見たままが体感的な発芽率と思って良い。例外は最初の輸入もの「ラージリーフ」と最後の「マルセイユバジル」で前者はカビの発生。後者は覆土のミスで水不足(*厳禁である)になった部分があったようで生き残ったものが偏って生えている。

購入元によっては種数が少ない上に極端に発芽率も悪いものがあった。専門の種屋から購入したものは種数も多く発芽も早い傾向にあった。品種のレア度に比例しているのかも知れないが、鮮度が原因じゃないかと思っている。

まあ全滅でなかっただけ良しとする。

オナガカンアオイの赤花とか

「夕映」
オナガカンアオイ赤花の銘品である。
オナガは高価なものが多いしとてもではないが集めきれないのでせめて無地葉の品種は入手しないように自制していた(花がなくなってしまうと個体識別できなくなるのも嫌なので)のだが本芸の花容に圧倒されてつい購入してしまった。

が、数年前根腐れた。
やっちまった・・・・・・・と思って泣く泣く小苗を再購入したらなんと… 復活した・・・。そんなんで作落ちさせておりまだまだだが結構きれいに発色している。

「無銘 赤花」
こちらの方がより赤が鮮やか。例年赤の発色には不満があるが、これなら文句なく赤系と言える。栽培において特に工夫したことはない。数個のIB化成と水だけ。直射日光にも当ててない。年々作が上がってきたのか暖冬なのに寒さが長く続いたのが効いているのか、今年は全般的に生育が良いようだ。

色はともあれ花型はシャイ・フルドなのが残念。もうちょっと平開するといいんだけど・・・。

「紫々舞」
見るたびに思うのだが、梅シソ色。
なんか口の中が酸っぱくなってきそう。
カンアオイに限らず他の植物の花でもこういう色は稀であると思う。

「無銘」
充血しているというか内出血といおうか乾きかけた血の色をしている…

「白雲」
タニムラアオイ(旧ハツユキカンアオイ)のようなバニラ的質感の濃厚な白さが気に入っている。地色が白いから紫色が赤く見えるという訳でもないようだ。素心は桃色になる傾向があるのは要するにアルビノとかリューシとかであるということか。

「無銘」
このあたりが標準花だと思うが、この花はやけにさっぱりとした印象である。
個人的には尾長寒葵であるだけで素晴らしい。

「無銘」
花容がちょいとだらしなく三つ巴みたいな恰好だが、ピンと張ってるよりは好きな形態。
一ヶ月くらい経ってるが最初からこんな感じ。

「無銘」
ピンと張ってる方。なんか緊張感があって落ち着かない…


🌸おまけ
「タニムラカンアオイ(Asarum leucosepalum)」
通常のカンアオイ(カントウなど)と同じく1~2㎝程度のごく小さな花だがこの白さのせいで目を惹く。薄暗い自生地で花粉媒介者を呼び寄せるためだろうか。


2017年4月22日土曜日

ヤマアジサイ 黄金駿河の変わり

「黄金駿河」
ヨトウムシにやられた。

「黄金駿河」
全面黄葉もいいけれど、適度に緑の刷毛込みが入る方が個人的には美しいと思う。
昨年挿し木した時には黄葉に戻ってしまってダメだと思ってたがちゃんと芽変わりを固定できてるっぽいね。

「黄金駿河」
昨年は紺中斑矢筈型葉となったものが、今年はこんな状態に。
何かちょっと変な雰囲気。


♨おまけ♨
「ヤマアジサイ 静岡産の実生」
昨年の実生苗で定点観測していたやつ。やや矮性の気がしたがどうなのか。

ウチのトウカイタンポポ 2017

「(元)カラス葉トウカイ」
最初の年以降はほぼ紫色にならぬ。カラス葉系を選抜しても緑葉に戻る。石化や斑入りなどの変わり物もここ数年は出て来ないのであまり構ってやっていない。

発酵肥料のつくり方(著:薄上秀男氏)によると「冬越しするキクのような花は低温にあうと茎葉にリン酸欠乏症状の紫色のアントシアニンが発生する」とのことなので、栄養が充分なのかも知れぬ。

「(元)カラス葉トウカイ」
ひっきりなしに虫が訪れている。「アキノノゲシ」を思わせる薄黄色である。写真に撮ると更に白っぽく写る。

「薄黄花 トウカイ」
庭に生えてくるタンポポはこの薄黄色の系統の子孫が多い。
もう5年以上かな。作落ちなのか老化なのか勢いが弱っている。しいな率が高い。

「変わり葉?」
数年前からなんか白(銀葉)っぽい気がするなあ。と思って別けておいたもの。実生3年目くらいかな未だに開花しない。左奥のがカラス葉選抜。

「変わり葉?」
なんかちょっと違う気がするのだがたまたまそういう状態あるいは時期にあるだけかも知れない。

「カラス葉選抜」
う~ん。ダメだったね。

「シロバナタンポポ 日本平産の実生」
クローンなので100%結実するが、発芽率が低く性質も弱いのかしっかり実生しないと育たない。そんなわけでウチではまったく雑草化しない。

2017年4月15日土曜日

4月初旬~中旬までの椿


「黄散斑」
ヤブツバキ系のようだが詳細不明。
静岡県産と聞いたような気がするが違っていたらすみませんね。掃き込み斑で枝変わりを固定したというもの(別個体)の方は由来も確実。

「黄散斑」

「雲竜芸 九州産」
山採りとのことであったがおそらく銘品。屈曲はしているが正確には芸自体が雲竜でなく「七変化椿」かも。雲竜椿は所持していないが、来歴のはっきりしているヤブツバキ系の「三河雲竜」が欲しい。

「雲竜芸 九州産」
今年はやけに花付きが良い。筒咲きでこれ以上開かない模様。
ヤブツバキ系のようだが。ワビスケ系は中国椿との交雑種なので導入を控えている。
*侘助型でもヤブツバキ系の変異体品種がいくつかある。

「桃金魚(古典品種の錦魚葉椿かも?)」
花が傷んでしまっているがこれくらいの桃色。

「紅葉狩金魚」
ようやく一輪キレイに咲いていたのだが気付いたら落花していた・・・なんてこったい。

「梵天赤」
だと思うが、札がなあ。怪しい。まあ金魚か梵天のどちらかで八重に斑が入る花。
毎年うまく写真に残せないやつ。

「オランダ紅」
やっとこさ手に入れた古典品種。有名なのに入手困難な気が。
オランダの名は金魚と同じく南蛮交易の頃に流行したのか。
実はこれに似たような花もいくつかあるので実生なのか同じような変異が起きているのかどちらかだろう。

「玉之浦」は様々な品種の親としても有名だが、古典品種の「多福弁天」も似たような紅白覆輪柄の花である。しかも弁天葉なので品種としての格は上だと思っているがどうなのか。確かには玉之浦は美しいが釈然としない。江戸期の椿園芸品種のレベルは極めて高かった事は確かである。

まだちゃんと咲かないが「友の浦」と交配させたいと思っている。
・・・と初旬に思っていたのだが、実際には↓の「梵天白」と相互交配させた。

「梵天白」
ヤブツバキ的には白花自体が芸なので葉芸との2芸品。八重花になれば3芸品である。


ヤマアジサイ 黄葉3種 その2

「土佐茜」
サイズのせいか↓の2種よりも葉が革質っぽい(エゾアジサイ系に多い感じで微細な毛が生えているのかも)。

「雨山黄金」
赤味が消えた。

「黄金駿河」
緑の刷毛込みが入る枝を挿したもの。そのせいかやや緑の斑が多い。
前2種にくらべて2週間以上遅い展開。植物まで駿河ボケなのだろうか。
ここ数日で急激に暖かくなってからの芽出し直後のせいか葉がつるつるしている。


南アフリカの山野草

[Lachenalia orchioides var orchioides]
数年前にまとめてシルバーヒルズ種屋さんから再々購入して実生していたもの、どうしても放置栽培になるので咲いているのも気づかなかったりする。名札と顔が一致する唯一の個体群。
こちら(参照:www.plantzafrica.com)によると黄色型と書いてある。

「Lachenalia orchioides var orchioides」
薄黄色に黄緑の斑点が口のまわりにつく。
ネット上の写真は彩度をいじってあるようなものが多いので同定するのに若干迷う。ハンドブックを持ってるのだが重いので出してくるのが面倒…

「?」
Lachenalia ventricosa(参照:SANBI) の札になっているが、どう見てもmutabilisである。種か球根が零れ落ちてきたのだと思われる。一本立ちなのが余計怪しい。花屋からラケナリアMIXを買った時の個体であると思う。
交配種でもなんでもキレイであればいいやという考えでいたのだが、ちゃんと純系の山野草を実生出来る環境にあればやはり交雑を避けて管理したいものであるとは思う。

Lachenalia haarlemensis
名札がハアルレメンシスになっていておそらく顔も一致。3本立ちなので実生兄弟だと思うがそっくり。購入した球根でそれらしい個体↓がいるが札が劣化して札落ち状態になっているので不明。なお2か所(一つはMIX。交雑種で桃色系のものもあったが姿をよく覚えてない)から購入している気がする。

「?」
微妙にhaarlemensisの方と姿が違う気もする。石斛とまったく同じ環境で育てている。
着生ランと同じ生態なのでなく、砂漠環境に適応した結果だと思われる。
多湿環境で栽培しているらしい写真をネットでは多く見るので他の多肉植物らと同じように水は好きなのだろうと思う。ただ、夏に球根が腐りそうで怖い。栽培環境によっては花の色味が本芸でないやつもあるんじゃないかと思っている。

他にも白系のもの(虹色のラケナリアにしては普通過ぎて毎年咲いてるなぁ。くらいにしか思わないので札を見てない。ごめんね)や爆殖しているアロイデスの4色や地味な殖えの3色やも花期の最後の方である。

「?」
おそらくイキシアのなんかであろうがカンアオイの鉢の中で勝手に殖えていて、雑草と一緒に引っこ抜いてしまったものの兄弟株。すまぬ。適応できる株というのは限られているので毎年似たような(地味なので気にもとめない)ものが残る傾向があるが、ちゃんと育てたいとは思っているが元来のモノグサ精神を発揮して意志が続かない。