2019年5月28日火曜日

柑橘実生の変わり物 2019

「紅まどんな 実生」
今季は多品種の柑橘を実生しているのだが、その中でも変わり物の出現率が高かったのが、この「紅まどんな」である。

他にも数本真っ白なオバケ斑が出たのだが、そのままでは育たないと思い接木してみた。
なにせほぼ初めての挑戦なので、手際が悪かったりして枯れてしまうとは思う。

この個体は葉緑素が見えたのでそのまま育ててみる。中斑と言うよりは、曙斑的なものになるのではなかろうかと思っている。カラタチバナの麒麟錦とか、茶の斑入り(何種類かあるが一番安価なタイプ)とかでこんな感じの斑が入る。

なお、真っ白な幽霊斑でもそのまま頑張れば葉緑素が乗ってくる場合(ヤフオクにフィンガーライムの斑入りが出品されていたが、茎が白いものがあった)もあるようである。


「ゆず 実生」
「ゆず」はたくさん実生して接木用(作為的な「小林柑」作成用。及び、芽がなくなって棒状になってしまった苗用)に使用した。が、たぶんほとんど失敗していると思う。

また、周囲に他の品種(麗紅、甘夏、星タンゴール、河内晩柑等)があったので、一番太い芽だけ残して(多胚?)選り分けてあるのもある。選定方法に誤りがあるかも知れないが、結論が出るまで生きているかどうかも分からないので、単なる道楽である。接芽の方がまだ夢がある。

この個体はほのかに色が淡いと感じたもの。比較対象がないとよく分からないけれども。


「紅まどんな 一才? 花芽?」
何枚も撮影したのに全部ピンボケ。

柑橘が実生から結実を始めるまでに十年以上はかかると言うが、こいつにはもう花芽がついている。

この形質が遺伝するなら、なんとかして利用できないものかと思う。

2019年5月21日火曜日

自作の斑入りヤマアジサイの初花

「ヤマアジサイ 黄斑1号 開花」
3年目だっけかな。開花した。
意外と早いが、手間を考えると適度な面倒くささだと思う。金魚交配と同じような感じだ。

だがしかし残念ながら種親と思われる「藍姫錦」と大差ない感じである。色がやや淡いくらいで、特に見どころもない劣化コピーのような気もしないでもないな。


「ヤマアジサイ 黄斑1号 開花直後」

「ヤマアジサイ 黄斑1号 開花」
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「七変化錦(だと思う)」
開花直前の色合いはこれにそっくりであった。


「藍姫錦(だと思う)」
だいたいにおいて、これに似ている気がする。
札落ちしたらたぶん分からなくなってしまう…



2019年5月9日木曜日

チャンドラポメロの斑の変化 と 柑橘実生のつづき

「チャンドラポメロの斑」
2017年には斑抜けしてしまった個体の源平斑のすぐ上まで切り戻したもの。
さすがにほとんど葉がなくなってしまって復活するのが2年越しとなってしまった。

だが、はっきりとした雪白の源平斑や掃き込み斑もあったにもかかわらず、地味な中斑(でも掃き込み斑の方はこんなもんだったかも…)になってしまった。

新枝は4本出てきて、幹の左右から一応斑入りの葉が出て来てはいるが、無地の枝も2本あったので取ってしまった。

「チャンドラポメロの斑」
源平斑が左隅にちょっと残ってる。この下までは斑の変異の形質が残ってるってことだね?


「夏蜜柑(甘夏?)実生」
接木用に実生した(斑入りなどは狙ってなかった)ものの中に変なやつがいた。
やけにいっぱい小さな葉が出て来ている。八房(矮性)タイプだろうか?


「夏蜜柑(甘夏?)実生」
こっちの方が通常。あきらかに別物。


2019年5月5日日曜日

イナヒロハテンナンショウ 2019

「イナヒロハテンナンショウ」
昨年に引き続き咲いた。
小さな増殖球根が数個ついていたが、そちらからの発芽はない。

天南星は地上部がある間は球根がしぼんでしまってほぼ根っこだけでいるらしいのだが、この個体も昨年は事故で地上部を失ってしまう(鉢が落とされて茎がぽっきり逝った)と言う最悪の状態にあった。

もう枯れたと思っていたが、栄養の流転が起き始めてから後のことだったようで復活。
サイズ自体はあまり変わっていないようなので、やはり無傷ではなかった模様。
でも昨年よりも花がしっかりしてきている。



アツモリソウの暖地栽培実験

「釜無ホテイアツモリソウ
栽培技術向上のためと言う名目で栽培し始めて5年目くらいになる。

最初の2年は「礼文アツモリソウ」と共に「クマガイソウ」の発泡スチロール箱に同居させてみたのだが、レブンの方は1年目で、ホテイは3年目を待たずして枯れた。
実験にしては高くついた。まあ、当ブログではわりと良くある散財であるが…

この2株は3年目。静岡のふた夏を過ごしたことになる。
さすがに昨年の前代未聞の酷暑で枯れちまったか…と落ち込んでいたが、ようやく芽が出てきたので、このやり方でもなんとかいけるかとほっとしている。ただし枯れてはいないだけであまり大きくもなってはいない。

元々実生苗には個体差があって耐暑性の強めなものがあったりするらしいと言うことを、暖地で栽培されている方のHP(閉鎖されてしまったようだ…)で読んだのだが、その当たりを引くかどうかは運次第。

しかも、ただでさえ苦手な蘭系の栽培を拡大する気にもならない(葉っぱがみんな同じに見えるし…)ので、とりあえず花がすごいなあキレイだなあと単純に思った(京都筋の宇野先生も素人に見せて可愛いと思われるものが良いとおっしゃっておられたようだし)ホテイアツモリソウを選んだ。クマガイソウがまあまあ殖えかけていたので、正直調子に乗っていたと思う。

さらに、二重鉢など断熱や気化熱を利用した冷却効果を狙った栽培方法をもうちょっと楽ちんに出来ないものかと思った。なにせ、カンアオイの鉢が山ほどあってそのすべてを高価な鉢にすることは出来ないから。分厚くなるので収納にも困るし。


と言う訳で本題に入るが、スリット鉢+底皿の腰水。
斑入りヤマアジサイ(実生)とシラネアオイ(実生)も通年この状態である。

半軒下で雨がかろうじて当たり、奥のツバキ越に日光もあたってしまうくらいには光量のある場所。意図的に遮光率があまり高くならないようにしてある。常緑樹であるツバキの配置を変えてしまい(大きくなり過ぎたり、毛虫に丸坊主にされた)、葉灼けの心配もあるので、盛夏の折にはもう少し遮光した方がいいかも。斑入り葉のヤマアジサイはすでに若干焦げている。


こんなやり方でいつか花が咲くのかどうかも分からないが、生きてさえいれば可能性はある。鹿沼土単用土で、たぶん有機質が圧倒的に足りないので、そこは他の方法で補わないとならぬのかも知れぬ。一昨年は化成肥料はやったがあまり反応がなかった気がする。

植え替えをまったくしていないので推測だが、細根のようなものはまったくできていないと思う。暑いのが苦手だったり、その逆だったりするのは何かしら理由がある筈なので、ちゃんとそのわけを理解したい。


ちなみに周りに生えてきちゃっているのはネジバナである。蘭同士相性がいいのか、こういう用土表面のコケが生えてくるくらいの多湿状態を好むのか、主よりも繁茂している。

蘭栽培をしている。しようとしている人に参考になるかどうかは分からないが。まあこういう例もあると言うことで。

「クマガイソウ (3月末)」
クマガイソウの方は結局今年も葉が出てきてはいるものの、一芽になってしまった。
なんだか小ぶりになってしまった鉢の隅に寄ってきているし。さすがに来季は放置するわけにはいかなそうだ。

2019年5月4日土曜日

実生テイショウソウのその後

「テイショウソウ実生」
葉模様の個体差があったような気がするが、株の状態でも変化があるようで全部似たような感じになってしまった。たくさんあるように見えるが2株+1小株だけ。
一番下の小鉢に入ったものが、一昨年の斑入りのやつ。完全に斑が抜けてしまった…

ナメクジの大好物で油断するとすぐに丸坊主にされてしまうため、まとめ植えした方は昨年壊滅状態になってしまった。別居していた3株だけ無傷で成長した。



「マルバテイショウソウ実生」
うじゃうじゃ生えて来ていたもの。うじゃうじゃ大きくなった。
こちらの方は(今のところ)虫害がない。毛深いせいだろうか?

こちらも腰水くらいの多湿を好む。
根腐れはしなかったが栽培環境にも依るかも。明るい日陰でカンアオイが育つような環境なら問題ないと思う。

病気発生の原因として、鉢内部が蒸れてしまうような高温状態が良くないのだろうと推測はしているが、どうしてそういう状況になってしまうのかが良く分かっていない。横から日光が当たって鉢全体が熱せられて…と言う感じだろうか。まんべんなく水をやるようにはしていても、時間がないとどうしてもぞんざいになってしっているだろうし、人間が介在しなくてもシステム的にある程度均一に保てるハウスみたいなものがないと厳しいのかなぁ?

オナガカンアオイの斑入り

品種にもよる(増殖率や人気の差)のだが、一般的に斑入りのカンアオイは非常に高額になることが多くレア物自慢のようであまり紹介に積極的でない。

何よりもせっかくの希少品をミスや、栽培技術の未熟さで枯らしてしまうことの罪悪感が先立ち恥ずかしくさえあるのだが、そうなってしまう前に記録にだけでも残してしまおうと思う。今後も頻繁に更新できそうにないので…

「打ち込み斑」
手元に来てからも3年以上は継続して出てきているので本斑の類であると判断する。
花は未確認だったような…


「散斑」
ぼんやりとした斑だが、こちらも2~3年継続して出て来ているので本斑であろうと思っている。赤花だった気がするが葉数が増えない…


「曙斑?」

「曙斑?」

「曙斑?」

今年になって初めてこんな色になってしまった。
病気なのか芽変わりなのか…しかも新葉3枚とも。
稀に斑入り芽が出てくることはある(が、継続しない)ようだが、3枚すべては珍しいのではないのでしょうか?

刷毛込み斑の銘品もあるが、斑が継続してくれるお陰でまったく成長しなかったりする。
プロの方々や趣味者の先輩方はこんなデリケートなものをよくも増殖させるものだと感心するばかり。

よくある雑草の斑入りとは違い基本種自体の生息地が限定されている為責任重大。常に絶滅の境を彷徨っているようで結構神経をすり減らす。