2012年7月31日火曜日

2012年度 自家産金魚 鋭意交配予定中 その④のその①

「朱文金和唐内型」


この手の雑種金魚の形態を記述する時には、いつも結構悩む。
希望としての品種名と、実際の見た目が違うこともままある。
漫然と交配させていると、「一体何をしたかったの?」と言いたくなるような魚になってしまうこともあるし、逆に思わぬ良魚に見えたりもする。

「朱文金」のような普通体型の魚に長い尾鰭をつけたような品種は欧米では人気があるようで
ヒラヒラした尾や色合いが好まれるようだ。かえって中国金魚は不気味に見えるらしく、あまり評判がよろしくない。

とは言え、今更「朱文金」の改良品種を造るのもどうなの?てな感じで、「ブリストル朱文金」なんかも、どこが良いのか分からなかった。と言うか「蝶尾と掛け合わせておいて、なんで3つ尾にしなかったの?」と言う疑問がぬぐえなかった。


輸入直後はえらく高価だったものの、現在ではそれほどもないようで。まあ、所詮は「朱文金」であるから、すぐに増殖されるだろうことは予期出来たものだが。


そもそも「♡テール」にあまり魅力を感ぜず、「ブリストル」と言えば「ポップグループ」以下「トリッキー」「ポーティスヘッド」ら「トリップホップ」系「ブリストル・サウンド」だったのだが・・・・・・

う~む今聞くと、すごく90~00年代的なデジタルサウンドエフェクト群だなぁ・・・
つーか。最近少しは変わったのだろうか・・



GREENの店長さんが選抜された「寿恵廣錦」の親魚の動画には素直に感心した。
扇状に広がった大きな尾は見ごたえ抜群。
「横見金魚」の最高峰であると思う。


思い返せば、NHKで放映された金魚番組で、ブリストルの現地ブリーダーが「尾が垂れる」などの理由で、老魚を庭の池に放していたのだが、その尾も立派であった。パラダイムシフトと言うべきか、良い鑑賞点の転換を行ったものだと思う。

GREENさんには以前、ザリガニ等も通販されていた頃に、珍しい輸入金魚(最近全く見かけなくなった、青文ライオンヘッド花房付き、燈眼丹頂龍眼、浅葱蝶尾など今考えれば、ちゃんと保存しておけば良かった・・・)でよくお世話になったものだが、今は金魚に専念されているようだ。

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話は戻って、この稚魚だが、「パールスケール」と「朱文金の青系」との交配である。
「青朱文金」
厳密には墨から赤が出てきちゃっているので、この魚のように鱗に墨斑点が乗ったタイプではなくて、
皮膚にメラニンが乗っただけの「天青」タイプの「青朱文」の方が希少性はあるのかも知れないが、
こちらの方が外人受けはいいし、個人的にも美しいと思う。


まったく交配する予定はなかったのだが、どちらかが死んでしまった場合の保険として掛け合わせておいただけ。

ちなみに、「パールスケール」には出目の遺伝子が入っていないことは確認済みなので、この交配魚から出目になる可能性は低い。ただ、元が中国金魚の血が濃厚に入っているので、予期できない部分もある。


対する「朱文金」は、近代日本金魚の最古参であり、これもまた当時交配テクニックを駆使して作出された最新品種であったろう中国産の「三色出目金」に、わざわざ「ヒブナ」等を掛け合わせた、先祖がえり的な後退交配品種である。


だがこの「ヒブナ」と言うのが曲者なのだ。


まず、「フナ尾のワキン」なのか、日本のフナの変種である「ヒブナ」そのものなのか良く分からない。「ヒメダカ」「シロメダカ」は江戸時代にすでに存在したのだが、「ヒブナ」がどうなのかは良く分からない。

そもそも金魚の輸入自体が「大航海時代」まで遡り、明治時代には各地にワキンが放流されている。北海道の有名なヒブナもどうやらその子孫らしい。

そんなこともあってか金魚博士こと松井佳一氏は、「テツギョ」をただの金魚と鮒の雑種とみなしていたようで、「金魚」はともかく「フナ」の事はどこまで真剣に研究されていたのか疑問である。


「日本産フナ類」とその変種である「ヒブナ」と「テツギョ」については、いろいろと調べてみており、面白い情報もあるのだが、いずれまた。


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結論から言うと、この片親である「ヒブナ」は、おそらく「日本のフナ」ではないと思う。

と言うのも、関東で作出された「朱文金」の親となるのなら、「キンブナ」か東北以北の「ヒブナ」であろうけれども、「関東キンブナのヒブナ」と言うのは聞いた事がないし、背鰭の軟条数が大きく異なるので、子孫の容姿にも影響が出ると思われる。

東北以北、特に北海道などの「フナSP(キンブナ不明種)型ヒブナ」は、3倍体以上のクローン系統が多いようであるので、万が一交配に使用出来たとしても、その「ハイブリッド朱文金」自体が新たなクローン系統となってしまう可能性もあるからである。

となると一番入手しやすい「ヒブナ」は、「フナ尾ワキン」であるとみなして良いだろう。

ただ、「金魚」松井佳一著(昭和38年)には、「サンショクデメキン」と、「ヒブナ」と「フナ尾のワキン」との自由交配である。と明記されており、ヒブナの写真もあるのだが、背鰭の軟条数は17本+1であるので、「ギンブナ」あるいは、「金魚との雑種」(関東で生産されている「オナガブナ」も雑種であり、「テツギョ」とは別種)と思われる。



まあ、DNA検査をしてもらわない限りは、唯一の「日本産血統金魚」である可能性はまだある。


ところがね。実際にはもう「純国産金魚」と呼ぶべき魚が存在するんですね。
これもDNA検査してもらってちゃんと確認を取ってもらうのが最良だとは思うんだけどなぁ。

その②へ つづく

2012年度 自家産金魚 鋭意交配予定中 その③


「龍眼パール系」


「龍眼らんちう」の租魚の雑種第一世代の水泡花房出目金」(白。巨眼かどうかは未確認)姉妹魚と「ピンポンパール」*(網透明鱗)の子供と、「赤竜(出目浜錦)」「中国花房(らんちゅう花房。大阪らんちうではない。)」の子供を交配。

*「ピンポンパール」は地金っぽい四つ尾で、ヒレ先が縮れた独特のヒレをしており、皮膚は充血し易く、大きくならなかった。そしてこうした特徴(の一部)まで遺伝した。


それそれの子供(琉金・和唐内系のごく普通のハネ金魚のような外見だった)を交配して、「出目水泡パール花房」らを得る。

この中で、「網透明鱗パールスケール琉金型」と、「出目パール水泡花房」型が残った。

「出目水泡花房パール型」
ごく小さいが水泡と花房付き。

これらの子が「マルコ型のピンポンパール」が出現したが、今年の春の交配に間に合わなかったし、♂♀でないかもしれない。7月末現在でもまだ小さく、おそらく背鰭の欠如性も低いので、どちらかを別の系統と組み合わせる事になりそう。

「ピンポンパール型マルコ」
花房・水泡に加え、肉瘤も多少は出てくると思われる。

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この「出目パールスケール型」は、 一世代前の「網透明鱗パールスケール琉金型」 と「丹頂龍眼」との交配から選別した「丹頂型」の親から分離したもの。

「真珠鱗琉金型」

「高頭丹頂龍眼」
高頭を選抜したとは言え当歳魚からの水槽飼育にも関わらず肉瘤の盛り上がりはご覧の通りバッチリ。
飼育環境に左右されない中国金魚の形質は、なかなか再現性を伴わない日本金魚も見習うべきではないかと思う。


「丹頂」柄同士の交配だったにも関わらず、ほとんど丹頂が出ない。
「パール鱗」もほとんど分離してこない。

完全背鰭欠如も出ず、わずかに2尾だけ不完全マルコ型、その内1尾はパール鱗が出たが、
見た目が悪いのでおそらく交配には使わない。


先はまだ長い・・・ つづけられるのか・・・


しかし、いつも思うんだけど、今自分がいなくなっちゃったら、こいつら終わっちゃうんだよな・・・

2012年7月30日月曜日

2012年度 自家産金魚 鋭意交配予定中 その②

「龍眼らんちう」

 自家産の「出目らんちゅう」である。


 最近は中国産か、「黒出目らんちゅう」の血統か良く分からないが、出目「ライオンヘッド」型のものが市場に出ていて紛らわしいので、とりあえずウチの「出目らんちゅう」は仮に「龍眼らんちゅう」としておく


別に一匹だけいるんじゃないのだけども、まだ出目にならないとか、もっと酷い形をしているとかの理由で撮影していない。


今考えれば、出目のらんちゅうの作出自体は難しくないんだけれど、志を立てた時にはいろいろと考えていたので時間がかかってしまった。

もともとはと言えば、大多和氏の中国金魚に関するHPにすごく影響されて、その目玉であった「珍珠鱗虎頭鼓眼(でしたっけ・・・HPが閉鎖されてしまっていて検索できず・・・」がどうしても欲しかったのだった。

当時「黒出目らんちゅう」も分譲されていない時期だったもので、K氏のブリード個体を一尾、その後O氏から直々に6尾お分けいただいて、その内の一尾と高頭パールと交配できたが、残念ながらその子供も含めて落してしまった。


であるので、ウチの系統には「中国宮廷金魚」の血が入っていない・・・。


 タワシ氏作出の「黒出目らんちゅう」は、「出目金」「蝶尾」系の優美な尾をしており、それがとても印象に残っている。


また「高頭青文」譲りの「兜金」頭でもあった。氏がらんちゅうのブリーダーであるからか、当歳であったが肉瘤の上がりも素晴らしかった。ただ、「出目」の突出があまり良くなかったと記憶している。




であるので「龍眼らんちう」は、まず「出目」がはっきりしたものにしようと思った。




交配租親は、「*巨眼出目水泡」と「竜眼花房(出目金型。出目オランダ型の竜眼とは違う系統かも。目が充血し易く、こう言う悪い遺伝子もちゃんと子孫に伝わるのだった・・)」。



*同一個体と思われる魚が、某掲示板に「養魚場で見かけたけど気持ち悪いので買わなかった」とかで写真が貼ってあったようだが、蓼食う虫も好き好き。 K氏経由でウチに来たのだった・・・




この子供らが「水泡花房出目金」タイプであり、似たような魚ばかり出たので、ウチの系統の基本魚となっている。 もともと出目金好きで、金魚の交配を始めたのも飼育していた出目金が産卵したからなのだった。



このうちの「巨眼水泡花房出目金(赤)」に「協会系らんちゅう」(九州の血統で、吻端が豆のようにデカイもの)を交配したものの孫である。母魚は短尾だが、小さな花房と水泡が出たもの。父魚は平付けの長尾。

「龍眼らんちう」 
極小の「花房」が一応確認出来る。水泡は殆んどないかもしれない。
これだけ平付けの尾だと転覆するかも・・・  よく考えると「出目大阪らんちう」みたいなものか・・・・・






2012年7月22日日曜日

2012年度 自家産金魚 鋭意交配予定中 その①


「瑪瑙(青文)出目水泡花房」


まだ褪色途中なのだが、この子らの曾祖父は「パンダ出目金」から抜き出した「青文・瑪瑙系」色の「花房」付き。曾祖母は眼にまでメラニンの乗った猩猩の「出目水泡」。 濃い赤には墨色が不可欠なようだ。




勝美商店」の店主さんがオークションに出品されていたころはよく見かけたのだが、積極的にチェックしていないせいかここ最近「出目水泡」をあまり見かけない気がする。「おばこ」の店主さんがその頃の魚を累代繁殖させているようだが、元々は関東に卸している中国の養魚場の方が趣味で作出した魚らしい。作出経緯は不明だが「出目金と水泡眼」の単純交配だろうとは思う。眼が上を向かないし、当時は「黒」も時々出品されていた。

「頂点水泡眼」なら中国金魚品種にいるのだが、まったく見かけた事がない。出目金系の最終形態とも言うべき品種だが、眼が上を向いてしまって、水泡までついているのがどうにもグロテスクで、相当の変わりもの好きでもない限り一般の日本人には受け入れられなさそうだなぁ。

向こうでもちゃんと維持されているのかどうか分からないけども、さすが本家「中国金魚の凄み」みたいなものはある。



同様の理由なのか、単に卸価格が高すぎるのか、ほぼ全色のカラーバリエーションまで揃っている「四泡」も未だに輸入されていないようだし・・・。「中国金魚好き」には残念。市場向けの退屈な品種ばかりなのはつまらん・・・・・

「顎泡(顎袋)」自体は極端に珍しいものでもなく、金魚飼育書にも書かれているし、時々水泡眼などに混じっていたりするが、「四泡」は別格。日本で九州かどこかですでに固定しているブリーダーがいるらしいが、市場に出さないのだとか。




2世代目は「出目水泡眼」の水泡無しタイプ。あるいは「出目津軽錦」。中国金魚の「龍背」と言うものと同じと思われる。日本産金魚には該当するタイプがいない。


「龍背」型
「水泡眼」よりも、「丹鳳」と言うか、「丹頂龍眼」の「秋錦」型っぽい体型。
肉瘤はほぼなかったが、盛りあがってきそうな予感があった。


3世代目は黒虎出目金に水泡と小さな花房がついたような先祖返り形態であり、親魚は病死してしまったが、黒と赤黒の虎だった。数が少なかった事もあり「青文」色は3世代目の出現を確認できなかった。

3世代目 「水泡出目金花房」 型

積極的に交配する予定がなかったので数匹が残ったのみ。
特筆すべき魚でないとは思うけれども、「出目水泡」と「花房」の遺伝形質と、
親サイズでも「黒色」が維持出来ていたのが良かった。
「乱鱗」あるいは「龍紋」と言う、鱗の向きが不整列になるものも総数の割には複数出た。





そして、この4世代目でようやくマルコ型が多少出始めた。
外の舟で自然繁殖したものなので、どの親だったのか分からない。
背なりはガタガタの物が多く、尾もご覧の通りすぼんでいる。


「青文(瑪瑙*)出目水泡花房乱鱗(龍紋**)」


個人的には「藤色」と「アズキ色の背斑」の混じった「瑪瑙」色が一番好きなのだ。

*青と茶の二重劣性遺伝とのこと。 
**一列ごとに鱗の向きが違う。古くからの表現形質とのこと。
by「金魚80品種カタログ改訂版」(すごく良い本なのに絶版とのこと。勿体無い。翻訳して海外で出版したいくらい)



「瑪瑙」色や「茶色」は、中国金魚の真髄だと思う。

「紅白」を至上とする日本では生み出せなかったのではないかとすら思う。

「褪色過程」の一時経過色であることが多いのにも問題があるが、「穂竜」の体色の維持固定率はどれくらいなのだろうか? 一時飼育していたが落としてしまって以来飼育していない。


「瑪瑙出目水泡花房乱鱗」

鱗の並びが不規則であり、「青文」「瑪瑙」に特徴的な背中の茶色も出ているのが確認出来る。

曾祖父の「パンダ出目金」は一年ほどで完全褪色し、いわゆる「白鳳」色になった。
「蝶尾」でこそないものの、かなり大きく長い尾を持った出目金で、子孫にもその血が受け継がれているようだ。

当初長手の「水泡竜背花房」として完成としようと思っていたのだが、「出目水泡」のただの色違いに見られそうなので、自家産の「龍眼らんちゅう」系と、もう一種を掛け合わせようと思っている。ただ、パール鱗にするかどうかは未定。

「穂竜」や「出目らんちゅう」「パール黒らんちゅう」などの超レア金魚も、最近は入手可能になってきたので、自分の行ってきた交配過程の数年は無駄になりつつある。

ただ、そう言った金魚をようやく分譲していただいたにも関わらず、飼育している時に強く感じたのは、先輩ブリーダー諸氏の個性と情熱と審美眼であり、自分の魚ではないという諦観だった。

早く固定化に専念したいという気持ちはあるのだけれども、ここで手を抜いてしまっては意味がないと思うし、しかし本来目標としていたものを達成しつつある今、どこで完成とするかしっかり考えておかないとなぁ・・・

2012年7月17日火曜日

斑入りと栽培品種のあれこれ

「斑入り植物の観察と栽培」 著 広瀬嘉道と言う本を手に入れた。


小さくて薄い本だけども、中身は濃い。


最近同氏の「 斑入植物集 」via すてき葉っぱたち全三巻(写真がたまり次第四巻も予定とか。斑入り植物の写真をお持ちなら提供して欲しいとのこと。実生で何かオリジナルが出来たら記録しておこう)を手に入れることが出来たのだが、これがありとあらゆる「斑入り」の植物の写真が載っている。

山野草屋さんの通販や、ネット・オークションなどで「斑入り」や「古典植物」の情報へのアクセスは大幅に敷居が下がったと思われるが、古典園芸種、普及種から、洋種、サボテン、多肉植物と網羅されているのはやはり書籍ならでは。


ただ、本のサイズの割にはあんまり写真が大きくなく(斑入りの場合は、全体像と部分の拡大がないと分かりにくいものもある)、記録の為の写真であったりするせいか、レイアウトがいまいちで、山野草の専門雑誌など程美しさが伝わってこない。


また、学名順に並んではいるのだけど、草木関係なくグチャグチャに混在しているので見にくい。
有る意味専門書なので、これでいいのかも知れないんだけど、同様に、ありとあらゆる多肉植物の写真をブチ込んだ「多肉植物写真集」国際多肉植物会刊は見やすく、物欲をそそるので、余計に残念。






英訳も一緒に書かれており、一部無銘の古典植物に英語で命名してしまっているのが、「出来るだけオリジナルに忠実に」をモットーとしている私個人的に気持ちよくなく(パンダの名前だって中国語でしょ)、内心翻訳に細かい突っ込みを入れながら眺めていたのだが、古典園芸植物も含めた園芸用語や内外の専門家の寄稿文を丁寧に英訳・翻訳してあるのが素晴らしかった。




と言うか、自分でも読み方が怪しいものがあったけど、やっとスッキリしましたよ。「後冴え」なんて、「あとざえ」って読んでたし。「のち」でした。




で、まあ小さい方の本は、写真集の超ダイジェスト版みたいなところもあるのだけど、ちょっと面白い部分があったので、抜き出してみる。



:黄色斑は、日照が不足すると青っぽくなる。(ヒトツバやツワブキの黄斑で同じ事を聞いた)


:刈り込みを受けた後の芽生えから、枝変わりが発生することがある。(広重美術館のイチョウから、一枝ユーレイになっているのが出ていたのを見た)


:斑入りは父性遺伝することもある。




マジですか?花粉親ってことですよね。ご本人の実験結果によるものだが、棘の無いサボテンである アストロフィツム属の兜の黄掃込み斑が遺伝したとのこと。他の植物ではどうなんですかね。





あと、どこかで読んではいたけど、ハオルチア(表記揺れがあるのだけど、ハウォーシアとか英語読みするのだけは正確ではないと思う。本来ラテン読みでは)多肉の斑入り作出にあたって、斑入りの別種と交配させてから、戻し交配によって元の形に戻すのを許容するのは、なんとなく気になる。




日本の古典園芸植物は、純粋種の中の変異体の抽出が重視されていると思う。




交配によってではなく、あくまで基本種の実生。それも「雪割草」や「春蘭」の本を読んでいると、山採り天然の突然変異の方が珍重されていた気配が濃厚にあるんだけど、そこが敷居が高くてそっとしておいてもいい気もする。無論、それによって自然絶滅させてしまうのはやり過ぎだけど。








対して欧米の方は、種間品種とかの交雑種がメインのようだ。まあ、自生してもいない植物を世界中から集めてきたらそうなるよな。なので、日本のサボテンやハオルチアはこっちの方なのだろう。


突然変異を強引に誘発させる為の「放射線」や「化学物質」の使用も厭わないと言うところは、科学技術の未来に夢と希望があった頃の発想だなあと思いつつ、桜の新品種を作り出すのに「ガンマ線」* を照射したとか、「グッピー」や「メダカ」の品種の作出過程でも行われていた(いる?)らしいので、まあお手柔らかにとしか言いようがない。


* ガンマ線を浴びた人間の場合の一例




ただ、純系近親交配の動植物は虚弱化する傾向があるものもあるし、完全に野生のものと栽培していったものが数世代後に同じかと言うと、やっぱり似てはいても違うだろう。何らかの人為的な選択が行われているだろうし、それはつまり栽培品種と化している筈。


蘭なんかでは シブリングクロス と言うらしいし、熱帯魚なんかの選抜交配も同じだろう。このあたりのジレンマは、また金魚と鮒のところで悩む。





今や、属間雑種で、本来種子形成できないものを途中から胚培養してしまうなんて技術もあるようで、それはそれですごいんだけど、いくら問題ないくらい良くても「本物」と「そうでないもの」には精神的になんか抵抗感がある。




MP3の音楽配信を利用する気になれないのはそんなところ。waveファイルでの配信なら買うのになあ。


























2012年7月16日月曜日

苦悩海岸

太平洋の色が柔らかい青緑色をしていて綺麗だった。

暑くてたまらない日。

梅雨は終わったのかなぁ。

彼方に見える大崩の崖並みが、「死の島」のよう。

最近アレルギーだかなんだか、時々皮膚や唇が腫れる。
小さい頃にもそんな事があったのだけど、ひょっとすると帯状疱疹のぶり返しか・・

一人でしんでく気がするけど一人じゃどうしようもないし・・・とか思ってるのがダメなのかな。
ともかく、紫外線がダメとか書いてあるぜ。

空はこんなに青いのに遠回りして歩こ♪ っておととしくらいでも歌ってた気がする。  
う~何も変わってないなあ。 去年は上手くいきそうだったのになあ。

さみしいなあ。

「黒い海」がところどころに見えた。

西の方にはもっと広い範囲で染みになっていた。
雲の影でもなさそうだったけど、水深が浅いのかなんなんだろうねぇ。

Ciprian Porumbescu & George Enescu

[Ciprian Porumbescu - Balada]


きれいだなあ。

[Patricia Kopatchinskaja - George Enescu Violin Sonata No.3, Op.25]


死にそうなくらい美しいな・・。

2012年7月15日日曜日

幼虫

祖父が柑橘の育種栽培技術の研究をしていたと言うのを聞いていたせいか、蜜柑は果物の中で一番好きな気がする。

で、珍しい柑橘を食べてみて種があるとつい植えてみたくなるのだけれど、今頃の季節になると厄介な敵が出現する。

「アゲハ蝶の幼虫」と「ハモグリバエ」である。

魚を飼育している都合上、魚毒性の高い農薬の使用は控えてきたのだが、毎年毎年はっぱがボロボロにされてしまうので、今年から土壌から吸収するタイプの顆粒農薬を使用してみた。

結論から言うと、効果がない。

と言うか、最初は効果があったのだが、いつの間にか葉がボロボロにされていた。
効果が切れたのかもしれないが、大量に使用すると今度は果実が食べられなくなりそうなので、もう見つけ次第捕殺するという、結局同じ方法に戻ってしまった。


「クロアゲハの卵」と「ハモグリバエ」の食事痕。

この卵が毎日のようについている・・・。アゲハママが生み付けているのも良く見かける。
どこか他所で食べてくれよう。
なかなか立派な頭と言うか肩と言うか。
大きくなると、模様も変わる。

こんだけ大きくなってしまうと、殺してしまうのも可哀そうなので・・・やめた。
でも、そんなことしてると蜜柑の木がちっとも大きくならんのだよ・・・


たとえはあれだけど、死んでしまった人の肌みたいに、暖かくなくて脂っけもなくすべすべしている。
角を出して異臭を撒き散らすのはともかく、触り心地は気持悪くないと思うんだけど。


弟のお嫁さんが甥っ子に「さわったらエンガチョだよ」なんて言ってるのを聞いてしまったんだけど・・・
女性はみんなそうなの? なんかショックだった。


フランス人の子なんて喜んで指に這わせてたけど、異常なのかな・・。
なんかここにいる意味がないけど行く場所もなく・・ aide moi


「キアゲハの幼虫」
ミツバを食べている。別に問題ないので放置。
プラスチックの造り物みたい。


おいしい?





2012年7月9日月曜日

セイヨウタンポポ


7月なのにまだ咲いている。


セイヨウです。
しかし、涼しい場所では、ニホンタンポポ型のも咲いていた。
交雑種かも知れない。

シロバナはもう地上部はなくなっている。
斑入りのエゾ(仮)やその他の在来種も、ほぼ葉っぱがぼろぼろ。
でも、涼しい所ならきれいなもん。

2012年7月2日月曜日

金魚ヘルペスとカラムナリスとメチレンブルー

5月~6月にかけて、金魚や鮒類の導入に伴う大量斃死が起きて、すっかり気が滅入ってしまったが、ようやく落ち着いて来た。


それで、いろいろと考えていたのだが、どうも「金魚ヘルペス」と思っていたのは、「カラムナリス」他の「病原菌類」の細菌感染症なのではないかという結論に達した。


うちの飼育環境はわりと特殊なのかもしれないが、狭い環境に魚を詰め込んで、大量に餌やりをしている。その為、底砂をかなり厚くして底面濾過+上部濾過で残滓やふんを処理している。




あるいは、稚魚の場合は、ドロドロの汚水になるのを覚悟で、エアレーションのみ。




なんだか「オシッコ臭」くなってくるので、アンモニアが発生しているのだと思う。それでも、一応多少の稚魚は生き残っている。「地金」みたいに極端にデリケートな金魚はズボラ者には飼育困難なので、インブリードに因る虚弱化を防ぐには必要悪(と言うことにしておく)




が、しかしこの場合はせいぜい無理しても2週間以内には換水しないと、全滅する。 
また、底砂を入れておくと、「硫化細菌」か何かが発生してくるらしく、それで稚魚が窒息してしまうらしい。「ドブみたいな臭い」がするし、その飼育水が目なんかに入ると結膜炎になるので注意。



逆に底砂をたっぷり入れた水槽でも、餌やり直後に稚魚が大量に死んだりする。


状況からみてこれはどう見ても病気じゃない。エラをのぞくと白っぽくなっているので、窒息だとは思うし、濾過床も十分熟成されているので、アンモニア中毒でもないと思う。




となると、濾過細菌が急速に酸素を使ってしまって「低酸素状態」になっているか、底砂かに泡がたまっていたころもあったので、それが窒素でないのなら、「硫化水素」か何かが出ているかのどちらかと思う。




「砂糖添加」によって、濾過細菌を爆殖させる方法もあるけれど、同じ理由で酸素がなくなってしまうので注意。と言うか窒息させたことがあるよ! そもそも、そんな水槽で何を飼うのか。






濾過を安定化させるにはとにかく酸素の供給が必要なので、フィルターはなくとも、「ブクブクだけは絶対に入れる」こと。




数種類の濾過細菌を飼育していると言う考えでやるといいかと思う。菌種については、水の臭いでなんとなく想定できると思う。基本的に、濾過が上手く行ってない(濾過限界を超えている)場合は「刺激臭」がある。





「らんちゅう」の飼育者の間では、「池に餌をやれ」とか言われているそうだが、まさにその通り。
飼育環境の濾過能力に合わせて餌をやる忍耐力を身につけないと、万年初心者から抜け出せない(と言いつつ、産卵時期が近くなると毎年餌のやり過ぎが原因で死なせてしまう・・・・・・・)。

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最近は調べてないが、PHは一時ずっと酸性に傾いていたりした。還元用の炭素源を入れてからは中性になっているようでもあるし、硫黄臭くはないので、「窒素」であると思いたい。でも、貝殻が溶けている所を見ると、硝酸で止まっている気もする。






梅雨時期の低温と高温が入り混じる時期は、濾過細菌のバランスが変わる可能性もあるし、金魚は季節によって血液の酸素濃度を変えるような事をどこかで読んだ。これによってまず、呼吸困難に陥りやすいのだと仮定する。




まあ、これは「酸素の充分な供給」「餌の量の調節」などによって改善出来るとおもう。




問題は、病気。




今回の大量斃死について、カラムナリスだと仮定した理由は2つ。


1:白点病の発生
2:高温治療の不発




金魚の場合は白点病によって、体表に傷が出来、そこから「細菌感染を起こした」と思われるし、鮒類の場合は、釣られた時のスレ傷などからの感染だと思われる。ベアタンクは大っきらいなんだが、魚体に傷が付きにくい点で意味はあるかとも思う。



であるので、結論。殺菌剤を投入してしまう。

メチレンブルーがおそらく、一番安価で、入手も容易で、一番安全な殺菌剤である。人間様にも処方されるぐらいだし。金魚の様子が変かなと思ったら、餌を切って、メチレンブルー漬にするのが良いと思う。


あるいは、予防と思って春先から一か月くらい「メチレンブルーを入れっぱなし」にしてもいいかも知れないんじゃないかと思う。来年はやってみるかもしれない。


飼育水が真っ青になってしまうので、見た目は悪いし、濾過にも影響を与えそうだとかいろんな意味で使用を控えていたのだが、大量斃死病の感染の拡大防止にも多少は役立った気がする。


春~梅雨の時期に金魚が死んでしまっては、毎年大慌てで魚病検索しているような自分のような万年未熟者にはいいと思う。


金魚の飼育の基本は、予防だと思う。




ただ、耐性菌とかの発生や、濾過細菌への影響は分からない。濾過フィルターへの影響はあまりないと思う。むしろ、メチレンブルーがすぐに濾過されてしまう問題がある。


塩の投入については、呼吸を楽にさせる意味しかないと思う。それによってはっきりとした効果は実感できなかった。水量が良く分からない場合もあり濃度がいい加減になるので個人的にはほぼ行わない。


高濃度の塩による殺菌なら意味もあるかもしれないが、今は行っていない。前は閉じたエラを開かせる為に行ったこともあるが・・・この手の対症療法ってすでに手遅れの場合が多いと思う。魚病薬も同様の意味で役立ったことがない。


隔離管理も、数日で完治するならいざしらず、再合流後の感染の拡大など、根本的な解決にならない気がするので、まとめてやった方がいろんな意味で楽。


とりあえず、「金魚ヘルペス」も「カラムナリス」も混同されてたり、誤解されてたりする部分もあると思うので、最低限の感染予防として使えると思う。

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なお、メチレンブルーの使用において、気になるだろう副作用について。


「マツモ」「アナカリス」「ミズワラビ」なら多少染色されはするものの影響ないようだった。


エビ類(ミナミヌマエビとその系統)、貝類(ラムズホーン、アンモナイトスネール、アップルスネール)も問題はないよう。


ただ、卵の殺菌に用いる際に、濃すぎると卵が死んでしまうことがあるようなので、多少色づく程度「水色以上、青色未満」程度に調整した方がいいかも知れない。


稚魚以上になら「青色以上、紺色未満」程度でいけると思う。 傷口やヒレ腐れなんかは原液をかけて直接殺菌してもいいと思う。