2015年11月29日日曜日

種狩り

昨年までは知らなかったのだが、今頃がアジサイの季節なのである。
種のですが。

ウチの「ヤマアジサイ」は花付きが今一だったせいもあってとっくに終わってしまっているのだけれど、いわゆる普通の庭アジサイもまだ装飾花が残っていたりしてアジサイの花期はある意味半年くらいあるとも言えるのかも知れない。

今年初めて「ヤマアジサイ」と「タマアジサイ」の実生をやってみようと思い静岡産のものを購入して播種したのだが目に見えて変わりものが出るほど大量には苗ができなかったので、自分でも種の採取が出来ないかと近所の沢の崖面に張り付いている「タマアジサイ」を毎週のように観察していたのである。暖冬のせいか結局乾燥することもなかったので枝をもらってきて砂糖水につけておいたが、何週間たっても変化ないので結局干してしまった。

とは言えそろそろ種も乾燥し始める時期で、粉のような種子なので早めに回収しないと殻だけ残っていたと言うことになりかねないので自生地に赴くことにしたのである。


「タマアジサイ?」
フコリはダイラボウ山頂へと続く林道(2015年11月末現在通行止め。徒歩コースからなら登れるかも知れない。ダイダラボッチではなく7人の小人さんがいるらしい。参照*TAKAの撮り撮り日紀さん)入口の周辺に生えていたもの。
脇にヤマアジサイとガクアジサイと思われるアジサイ類が揃っていた。剪定された形跡もあるので植栽されたものかも知れないがそれなりに山奥であるので自然のものかも。やはり同じ地域でも山によって植生が異なっているようだ。放置されているがそれなりに人の手は入っていた感じがするので場所移動。
フモトスミレ? コミヤマスミレ?」
全体的に小型で林道脇の崩れた砂礫の上にうじゃうじゃと広がっていた。
あまり大きな個体を見かけなかった。
フイリフモトスミレ型?」
栽培している「フイリミヤマスミレ」とかの実生苗の方が綺麗なのであまり採る気にならないが習性で模様葉は気になる。カンアオイといいどうしてこうした亀甲模様が出てくるのだろうか。光合成に有利なのかな?
閉鎖花をつけているものもいくつかある。
すでに種が弾けたものも散見しちょうど良く熟したものは見つからなかった。
未熟鞘から種子は取れるのだろうか。
フイリ型のものも結構混じっている。
「コアジサイ」
紅葉と言うか、黄葉になったものが多い。
山野草店では「奥多摩コアジサイ」なるものを見かけるが雑種だとか。
ヤマアジサイと思われるものもあった(コガクウツギかも。とすると雑種もあるかも・・・)が種はなし。またここにはタマアジサイもなし。
葉型でコアジサイと推測できるが、種だけであると他のアジサイ類とほぼ同じ。
花付きが良いものと悪いものがあるようだ?

たくさん生えているので種が熟しているものもあり揺らすとさらさらと溢れるので法面に種を播いてきた。実生苗も陽の当たる路面以外にはたくさん生えてきていた。しかしコアジサイは平地での栽培が難しいらしい。
(参照:コアジサイの実生 花喜野の花(flower)・樹(shrubs)あれこれ さん)
コシダが法面を覆いかけている場所もあるので、うまくすると根っこで(シダ類は根がよくはる)食い止めてくれるかも知れないが、コシダに覆われると他に何にも生えなくなってしまう。カンアオイ類など丈の低いものは山の稜線上にいたりするが、それでも葉陰に隠れてしまうのだろう。
「テイショウソウの紅葉?」
普通は北側斜面の暗い湿度の高そうな場所に生えていることが多いが、道が切り開かれ直射日光が当たってしまうせいか赤くなっている。

例によって崩落しそうな状態でいたが粘土質の土壌に結構根は深く張っていると思うので生き残ってくれることを祈ろう。葉が新鮮ならば挿し芽や葉挿しも出来たかも知れぬが無駄に株を傷めたくないので一部の種子だけ頂いてきた。テイショウソウは平地に馴化した系統を作りたいと思っている。

隣のは「キッコウハグマと思われる。どうも花期が同じらしく、今まで「ヒロハテイショウソウだとばかり思っていたものはこれらの雑種なのではないか?と勝手に思っている。理由としてはヒロハ型のテイショウソウは葉模様が薄かったり地味だったりしてテイショウソウの葉型違いだけではない様子であるからである。
「テイショウソウ」

「キッコウハグマ」

「テイショウソウxキッコウハグマの雑種個体?」
これはまだ普通のテイショウソウの範囲に入るかも知れないが、明らかに縦の長さが短くキッコウハグマっぽい葉型の個体をいくつか見かけたこともある。色合いはこんな感じかもっと模様が単純で全体的に淡い緑色。テイショウソウと異なり紺~紫墨色(山野草的色彩感覚で)がない。葉質もやや異なりやや厚みがあったように記憶している。葉は丸っぽいせいかテイショウソウよりはやや小さいめ。


「シュスラン?」
フラスコ蒔きで無菌培養すればウジャウジャ生えてきて、その玉数の多さから斑入りも出現するし、培地の栄養が充分であれば真っ白おばけでも生き延び成長すると思われる(ラン科の寄生植物の起源はそこら辺にあるのではないかと思う)が、自分でやろうとすると殺菌が上手くいった試しがなくカビのボールになってしまうのがオチ・・・・・

まずは手持ちのベニシュスランの栽培がちゃんと出来るようになってからだな。最近になってついに諦めたのだが、やはり屋外栽培は無理だ。ナメクジだけでなくダンゴムシまでに食害されているのに気づいた。貴重な苗はほぼ全滅。いったいどれだけ散財すればいいのか・・・・・

2015年11月14日土曜日

光合成細菌の培養実験のつづき

先日の拡大培養の経過観察。


油カスの方がまず発酵が始まり泡がでた。魚粕は一日遅れで発酵し始めたのだが、大量のガスでエア抜きをしかけたら爆発してエライことになった。原料を入れすぎたらしい。真夜中ノラネコフィーバーにならぬ事を祈る。

特に変化なし


並行して、油カスを使ってビフィズス菌と乳酸菌と納豆菌の培養も始めた。・・・と言うか「培養できるかどうか」の実験を始めた。

どうやらビフィズス菌と乳酸菌では発酵するようで、中蓋ありの分厚いポリボトルにも関わらず液体が漏れ始めた。ほのかに甘酸っぱい香りがしてそんなに悪くないのだが、圧力がかかってパンパンである。やむなく蓋を開けたら内容物が溶岩のように噴き上がってきて小惨事を引き起こした・・・・・。

室内でこう言う実験はしてはいけないと言う教訓になった。耐圧でないペットボトルでは爆発していた恐れがある。あふれ出てきたものはもう戻せず始末に困って光合成細菌の拡大培養ボトルや乳酸菌+酵母培養タンクに入れてしまった。


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そこでふと我に返ったのだが、よくよく考えてみると、ほとんど偶然で培養出来ているだけだったよな・・

一気に拡大路線に走ったが増殖が順調でない。
ずっと曇天が続くせいか気温が下がってきたせいか餌の発酵が進まないせいかなんなのか。


勘と運だけでやってみたから「再現性の無いものはお呪いと同じ」。
となると最初のペニシリン培養も魔法の領域だったのかもしれんね。


次々と思いつきを試してみたせいで、どれがどう効いたのかぜんぜん分からんし。別菌株第二弾として培養を始めたボトルも一ヶ月くらい経つがまったく変化なし。上手くいかないと言う人の気持ちが分かってきた。前回がツイてただけなのか。

ま、いつものことだがろくに記録も取らずに適当にやるとこうなる。


でも一つ分かったことがある。ボトルの密封は必須ではない。

曝気でもしない限り増殖には充分な嫌気状態になるのかキャップを開けたまま放置していたボトルでも赤い着色が始まっていた。
ただし、光合成細菌でない何かのせいかも知れないが培養初期には発酵泡が出ることもあるので目一杯培養液を入れてしまうと、ガス抜きの拍子に内容物が溢れだす可能性がある。


それと面白いものを見つけた→「活性汚泥とは(参照:公益財団法人 愛知水と緑の公社 ざっくりと要約すると

*好気状態でリン酸を吸収し、嫌気状態でリン酸を放出する。
*好気状態でアンモニアを硝酸に変え、嫌気状態で脱膣する。

とするとだよ、PSBも(コレの一部だとすると)曝気と密封はそれぞれ意味がありそうだし、土壌を堀り返したりして酸素を供給するとダメな可能性があるのではないかね。それに微量の油を添加する人もいるようだけれどもこれではダメらしい。量によるのかな。あるいは嫌気状態にする為の蓋みたいなものなのかな。



2015年11月1日日曜日

光合成細菌の培養実験

一度軌道に乗るとどんどん増殖する光合成細菌にすっかり気を良くしたオレは調子に乗ってじゃんじゃん殖やしてみたくなってしまった。

とは言え、採算性度外視で始めた道楽培養であるのであんまり拡大培養を始めると懐が痛む(原料に金魚の餌を使う)ゆえにもうちょっと簡単に出来ないものかと考えてみた。


参考書によるとタンパク質主体の餌が良いらしく、海藻や、糖を加えると増殖が良いとある。
海藻の方はちょっと調べてみると「昆布」が主原料であるようなので、おそらくグルタミン酸とヨウ素(と微量元素)なんかが効いていると推測。これなら味の素かなんかでも代用出来そうな気がする。

糖の方は発酵させるのに使用しているらしいが、グルタミン酸生産菌なんてものもあるそうでその元原料はサトウキビに硫酸アンモニウムとなると、むしろ昔壊滅させかけた水槽の中を彷彿とさせる。となると糖の方が肝だったりするのか?と思わないでもない。

まあ、一度始まってしまえばもう止まらない(AKIRA劇場版当時の惹句みたいな)筈なのであえて糖は外してみる。面倒くさい工程を入れてしまうとあとから簡略化するのが困難になるので、最小限の構成で拡大培養試みる。


左「魚粕」・右「油粕」
本命の魚粕はカツオのふりかけの匂いがして野良猫を呼びそうで怖い。
油粕は粒子が一定で作業がし易く価格も安いのでこちらで出来ると助かる。
親菌「金鮒水槽1号」
同じ水槽から採取した菌で別の培養も試みているので、それが成功したら「2号」「3号」と続く予定。増殖培養の過程でもしも明白に違いが出たら親の名前+番号「金鮒1号のイ」とかね。

よって赤くなり始めた株分けの第二ボトルは当面同じ名前。

同量入れたつもりが原料の嵩が違うので・・・
水道水を追加して満タンにする。菌液はほぼ同量で肩下の線に合わせた。
間違えないようにキャップを変えてあるけど両方ともチェリオの変則700mlボトル。

余談だけどウィルキンソンのジンジャーエールは辛くていい。チェリオの一部は親菌の餌にもなった。
ボトル底の形状が違うんだねえ。爆発飛散防止の為にひっくり返し始めたのだけど、何故かその方が増殖が良い気がする。
色が違うが原料の違いでホントは赤い。
さて、どうなることやら。

ところで、この菌を水槽に添加してみた。死ぬかと思ってハラハラしたが(やらなけりゃいいのはわかっていたが誘惑に敗けた)大丈夫みたいだった。ただ、例の病気水槽でまた病気が発生しているのも確認。因果関係がない事を祈る。現段階では少なくとも病気の治療もしくは防疫には役立っていない模様。ちなみに卵の腐ったような臭いがしていた・・・・・ 

と言うわけで当面は液肥として使えないかな~程度にしか期待していない。それでもやる。
新しいオモチャを見つけたみたいでなんか楽しくて仕方ない。

なお、PSBとは「Phosphate solubilizing bacteria」の略称で「リン酸可溶化バクテリア」と言う意味らしいな。なるほど、だから過リン酸石灰をPSBで可溶化させるわけか、ようやく意味が分かった。だったら、化成肥料を添加するのは無意味ではなさそうだ。光合成細菌と言う呼称は止めたほうが良さそうだな。ものの意味が分からないしなんか魔法の菌剤かと勘違いしそうだ。