緑色の金魚と言うのは金魚のカラーバリエーションにはなく、金魚仙人の取り組まれている「翠錦」「イエローグリーン(だっけ?)」などでもまだ未完成だったりする。
こちらは例のキャリコ土佐金系の透明鱗タイプで、下地の浅黄色に薄い黄色が乗っているパターン。理屈の上では青地に黄色のセロファンを貼ったような「緑」になりそうなものだが、青に黄色が被っているようにしか見えない。
ちなみにウチの朱文金系の浅葱にオレンジ色が乗った系統も、茶色と言うよりは青黒にオレンジ色が被っているって感じで、「紫」でも「茶」でもなく、透明鱗版の「トラ柄」と言う塩梅。なんとも微妙に綺麗でないので目下繁殖予定はない。
ところで、透明鱗系の魚ってある程度大きくなってこないと皮膚上にグアニンの銀色が出てこない。ミューズみたいに半透明のスケスケ金魚かと思っていたらだんだん銀色っぽくなり、さらにメラニンも乗り、浅葱色になっちゃたりもする。で、これが例の「蛇の目」でない「青い金魚」である事に気付いた。
「中国金魚図鑑」 刊:文化芸術出版社 |
「Atlas of Chinese Goldfish (中国金魚図鑑)」 刊:文化芸術出版社の186頁に、ビックリする程「青緑色」と「焦茶色」の青文タイプの普通鱗で水泡眼の写真がある。ただし、この写真集、合成写真もあって必ずしも正確な色合いでない場合もありそうなのだが、それにしても「青緑」。
*紫藍水泡眼 Chocolate and Blue Bubble-eye
*「紫」と言うが、アズキ色の方の赤茶色で日本の金魚用語の場合「茶金色」のようで、英語の解説がないと簡文体だけでは意味不明な部分が多々あり。いつも思うけど、中国語の分かる知人が欲しい。
:鮒尾ワキンは「草金魚」とされて「ワキン」とは区別されている。
:ライオンヘッド「虎頭」は「Lionhead」と英訳されているが、「らんちゅう」と区別できないものもある。
:オランダ「獅頭」は「Tigerhead」,「高頭」は「Oranda」。世界的にはすでに日本名で流通しちゃってるのと、中訳、英訳とでこんがらがっている模様。中国名は一応「品種名=品種形態」で理路整然としているのに不本意ではなかろうかと思う。
:なお「地金」の尾については触れられているものの、全体写真はありません。「土佐金」はある。
個人的にはその色合いが好みなので、「瑪瑙」と並んでいずれは挑戦してみたいなあ~と思ってはいるものの「緑色」そのものではないよなあと常々思っていた。
最近「コイフナ」について質問を受けたので「小金錦」で有名だった「中野養鯉場」(お亡くなりになったようで残念ですが、どなたか引き継がれるのでしょうか・・)のHPを改めてチェックしてみたら、仰天した。
「光竜虎」 via 中野養鯉場
緑鯉のぼりと比較してもいい感じで違和感ないと思うがいかがか?
と言うか、これでもダメなら「グッピー」とか「ベタ」とか「シクリッド」とか他の魚にした方がいいよね。
「グリーンスマトラ」 via Allabout 熱帯魚
対して、他の「緑鯉」と言われている写真の大半は「翠金」と同じような「黄色+浅葱色」系の色合いで、どちらかにしか見えない。つまりはまあ魚のサイズと視点によっては緑色っぽく見える場合もある・・・程度かも知れない。
おそらくメラニンは背中の方に多めに出る傾向があるので、全身緑の個体はかなり作出難易度が高いと思われる。
メダカの「光」と言う形態では腹部が背部にも発現しており、おそらく同タイプの遺伝とおぼしき尾形の金魚がGreenさんの「寿恵廣錦」にも出現していることを考えると、腹側が背中に出てくる形態も、またその逆もありうるのではなかろうか。
ひそかに思っているのだが、「帆柱」のうち、「アブラビレ」みたいな痕跡が残る魚がいるが、そのうちいくつかは「シリビレ」が背側にも出てきた場合があるんじゃないか・・・もっとも2枚出てきたことまでないので確証はないけど。
天然物か養殖物かどうかをアブラビレの削除で判断する手法だそうだ。 |
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