2014年7月6日日曜日

ベニシュスランの授粉?

「ベニシュスラン」は10cmにも満たない小型の草体に見合わぬ3cm程度の大きな花を数輪つける。
「ベニシュスラン 普通個体」
充分に光がある状態だと草体と花の大きさがほぼ一緒ぐらい場合によっては花の方が大きかったりする。
遮光下で徒長させるのは貧弱に見えて好きでないので、時に陽が当たるぐらいの軒下においてあるがさすがに葉焼けすることもある・・・
今が花期らしくて、普通の個体も斑入りも淡い朱色の花をつけている。素心の純白花と白い茎の個体があり大変美しく、何年か前にネット上で見かけてからずっと欲しいと思っていた。で、数年前から集めていたのだが、古典園芸植物の例に漏れず、斑入り個体に大変人気があり、特に花も美しいことから小個体でも結構高価な部類である。
「丹沢錦」
斑入りのベニシュスランには白や黄覆輪の他に銘のあるものが数種類ある。
「丹沢錦」は白軸白花個体で斑入りがキツイので、普通株が元気一杯でも調子が落ちてくる。
なおすでに昨年一株溶かしているので、非常に心配・・・・来年拝めるか分からないので記念に一枚。
栽培法がいまいち良く分からず、寒さには問題ない(らしい)のだが、夏の暑さに弱く結構溶かしてしまった。でも、斑入り以外はまあまあ育てられるようになってきた。おそらくベストの育て方ではないのだが、水苔単用でほぼずっと湿った状態にしてある(乾いた状態でも株自体は元気みたいだが、挿し芽をするには濡れている状態が良い模様)。

「ベニシュスラン 青軸」
未確認だがおそらく白花だと思う。
やはり白花であった。7月末~開花
普通の色の花との対比

ついでに言うと「八丈シュスラン」「カゴメラン」などの南方系のシュスランも加温無しで越冬できたよ!結構枯れたのもあるけど、生き残りは新芽も出てきている。暖地で馴化されたのと実生した「カシポオキナグサ」と「カゴメラン」が一緒に育っているのを見るのはなかなか感慨深いものがある。まあ、これからが夏本番なのだけど。

そんな訳で、加温・冷却等(*置き場所や水やりはそれなりに気を使ってはいるが、いつか日本庭園を造る時に放置しても大丈夫な程度)の特別な管理もせずに安定して開花させたと言って良いような栽培状態になったのだが、ベニシュスランは開花させると枯れてしまう(らしい。ウチでは少なくともそのようだった・・)のである。なので、せっかくの花もちょっと見たらば切り取られねばぬ。ましてや、授粉させようとすると相当に危険である。

とは言え、基本的には育種の為に買っているので(基本的に古典園芸植物の増殖は株分けなので、その由来の正当性や系統の良さが大事なのであって、実生は軽く見られる傾向があるせいか、こう言うヒトは少数派らしいことを実生されている方から伺った。せっかく苦労して貴重な品種を交配させても評価されないのは残念なことだ。が、ホームセンター等に流通する大量生産品とは違うのだよ的な世界があってもいいとは思う)授粉を試みたことがある。が、花を分解してみたが雄しべは分かっても雌しべがよく分からん。丹沢錦の実生もしている方にも伺って、一応は正しいことをしていた筈だったのだが、結局人工授粉は出来ていなかった。

「ミヤマウズラ」や「カゴメラン」など葉芸の美しいシュスランの類が地味な花穂(1つの花は5~10mm未満。人工授粉されている方もおられるが、根性あるなあ。よほど好きで好きでたまらないのだろう。やりたい気はあってもやる気にまではならぬ。生後1週間の金魚の稚魚の選別ならやらんこともないが、正直授粉作業は虫にやってもらいたいと思うくらい)をつけるのと比べ、より大型なので人工授粉も容易かと思ったのだが、すでに授粉済みの購入品以外で種を見たことがない。大きめな花なので相応のサイズの授粉昆虫がいるのだろうとは思っていたのだが、いかんせん自然状態で見たこともないような植物の生態など知る由もないのであった。

でも、ひょっとすると?と思ったのが、この写真。ハアリか何かか?と思ったのだけど、よく分からず。
背中に雄蘂(?)がくっついてしまっている。
女王アリみたいな気がするがなんなのか。
水に濡れても取れないよ。

*7月半ばぐらいには花は萎れてきたが授粉した形跡もなかった。

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