2015年10月28日水曜日

物臭の顛末

できた。

あんないい加減に適当なレシピでやっても出来るもんだってことが驚き。


先日の異臭物体の上部にこびりついているヘドロみたいなものがやや赤みがかっているのが分かるだろうか。

曝気をやめて密封したところ、あっさりと。おそらく(正直ほんとにコレで良いのかちょっと自信がない・・・)成功。
10月末現在、連日の陽気の中、頭頂部だけは直射日光を充分に浴びていた。それだけ。爆発したら最臭兵器と化しそうなのでバケツの中にひっくり返して2~3日突っ込んでいただけ。

けっこう赤い。
傷みかけたトマトジュース程度にはなっている。
露出を調整したもの。色味はいじってない。
先日の灰茶色に比べれば充分赤い。


さて、まだ完熟はしていないのでもっと赤くなることを期待しつつ、熟成が進んでいない別のボトルへの株分けも始めた。

ちなみに臭いはまだヒドイ。たぶん原料のせいだと思う。おそらく「塩辛」の臭いに一番近い。しかも手につくとなかなか臭いが取れない。このままでは取り扱いに困るので、これもまた経過観察をせねばならん。

今回の実験は失敗も含めてかなり面白かった。ほかの育種に比べて、反応が早いのが楽しい。
やっぱり自分で考えて自分でやらないとダメだな。

参考した資料類には失敗したら捨てる。って書いてあるが別に捨てなくても立て直せることが分かったし、たぶん特殊な培養原料がなくてもなんとかなりそうだし、ヒーターを使わなくてもいけそうな気がする。

次は別の原料を使って培養をしてみようと思う。別のものも。すでに天然酵母の開発を開始したし、まだやってみたいものがある。


実を言うと、途中でちょくちょくいろんなもの(化成肥料とかヨーグルトとかも)を加えてたので、もっと単純に水と原料と種菌だけを屋外に放置するだけでなんとかなるような状態にしたいと思っている。

-ひとまず終わり-


かなり赤くなった。
株分けした。





2015年10月27日火曜日

ぐうたらな培菌

さて、禁忌である糖分を加えられたウンコ臭のする液体がどうなったかと言うと

・・・・・・・数日後にはカマキリの卵のような灰茶色のスポンジ状物質が吹き出していた。固まったアクのような感じで非常に軽く脆い。


何かが発酵したのは確かだと思う。さらに1週間ほど経過して若干臭いは薄れた。しいて言うと堆肥の臭いと言うか、油カスが腐る際に出す臭いに近いが、その臭いにつられてコバエがやって来始めた。惨憺たる状況に変わりはない。



光合成細菌を作るはずが、結局オレは何をやっているのか?と思わないでもないがそもそもこの液体の中に入っているのは何なのだろう?


基本的にウチでは餌をやり過ぎたりして富栄養化した時に、生活排水の流れこむドブ川などにたなびく薄茶灰色の粘っとした物体・・・これこそが濾過細菌だと思っているのだが、それのようなものか、濾過槽の中の濃焦茶色の汚泥。いわゆる活性汚泥と言うヤツだと思っているやつしか見ないのだが、ある上面濾過装置のない水槽に紅色のものがついていた。


10Lもないプラケ水槽で、水作のニューフラワーDXを入れてあるだけで維持しているもので、たまに逆洗してフィルター内の汚泥を飼育水ごと吸い出す程度。この濾過砂利とガラス面の間、光があたっている面に赤いクレヨンをこすりつけたような感じになっている。

不気味に赤いがなんじゃこりゃ?と思っていたのが光合成細菌を調べてみようと思ったきっかけであり、一応これが種菌の筈。ただし、一緒に砂利の間に沈んでいた活性汚泥も吸い込んでいるかも。この汚泥の臭いはいわゆるドブの臭いで、観賞魚屋の独特な臭いとも違う。あれは一体何の臭いなのだろうか。ウチよりは管理が絶対的に良いので状態の濾過槽の臭いなのだろうか?



話を戻すと、実は他にも数年来実験しているものがあって、それは油カスを完全発酵させた液肥で自然耕法の本に載っていたものだが、それを500mLのペットボトルに詰めて3年程寝かせて置いた。だんだん濃い赤茶色になっていったのだが、原料のせいかと思ってあまり気にしなかった。と言うか、どの段階で液肥が完成したのかよく分からないし、その得体のしれないものを貴重な植物に使ってみるのも怖くて開ける気にならなかったのだが、今頃になって全てがぴったりと符号したのである。


考えてみればキャップやボトルの紫外線劣化とかでよく爆発しなかったものだと思うのだが、開封しても熟成が完了したのか特に中身が吹き出してくることもなかった。ただ、なんとも言えないツンとした異臭がする。未経験の臭いなので比較形容しにくいが、薬が混ざったような酸性な感じ。


光合成細菌は人によって感じ方が違うのか、一定の形容はされていないのだが、どうやら腐敗臭ほど悪臭ではないものの良い匂いでもないらしい。一部ではドブの臭いがするとのことだ。あるPSB細菌(未使用)の臭いはドブ臭と言うよりは、熱湯を流した後の流しの排水周りの臭いで墨汁っぽい臭いもちょっとあるという感じだった気がする。ウチの汚水槽のドブ臭は農業用の水路や溜池の枯葉なんかも蓄積したようなドロの臭い(手洗いぐらいでは落ちない)に近い気がするのだが、これらが同じものなのか不明。

なお、普通に田んぼなどにもいるらしい。
ウチの場合は、飼育・栽培環境に適応した菌を培養したいので、すでに順応している水槽からの採取がいろいろと無駄を省けるはずである。


とかいろいろ思い出したり、考えたり論証したりしてみてはいるが、ただ発酵を待っているだけなので、特に何もない。

でも、まだつづく







2015年10月24日土曜日

ずんべらぼんは発酵の素

今年は調子が良かった筈の「細辛」や「テイショウソウ」が全滅したりしてかなり凹んだ。
植え込みから数年経過して、これから株立になってゆくだろうと思っていたにも関わらずこれだ。

どちらも白絹病対策でバリダシンを散布してあったし、その感染を恐れて用土の汚染もないようにしてあったつもりなのだし、病原菌にしても宿主を全滅させるようなことは意味がないと思うのだが、経年劣化などで土壌の性質が悪くなったと考えるしかないのか。

山野草の栽培についての書籍を読んでいると、かならず植え替えについて言及されているのだが、自生地では土壌の更新が起きてるとは到底思えないので、ずっと違和感を感じていた。


真夏は蚊にボコボコにされるし、秋以降はすぐに陽が暮れるのでろくに作業が出来ぬ。春が一番いいのだけれど、庭の水撒きと植物の状態確認だけでもちゃんとやると数時間も経っていてびっくりする。土日はグダグダしていたいしたまには出かけたいし、そもそも水槽の水換えだけで一時間もかかるのに、そのあと大量の鉢の植え替えなんてまったくやる気にならん。


そんな訳で、モノグサが手間暇かけずに出来ないものかと思って「不耕起栽培」や「連作栽培」についての本を何冊か読んでいたのであるが、簡潔に理詰めで書かれていて特に腑に落ちたのがこれ↓

連作のすすめ。著 木嶋利男」

おおまかに解釈したのは3点。

*自然状態では本来適応した植物が生えている。

*栽培当初は生育が良好だが、連作障害が数年後に起きる。

*連作障害を乗り切ると、植物に適応した土壌環境になってゆく。

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山野草栽培における現代の常識である「植え替え」は不要であると言うのが面白い。

春及園の故鈴木吉五郎氏が株分けした際苗を同じ(古い)培養土に戻していたと言う記事を雑誌かどこかで読んだのだが(この方昭和初期からディスカスの飼育までされていたのか・・・すごすぎる)、同じ培養土を使用していると菌層が単純化したり汚染されたりする漠然とした印象を抱くが、そんなことはなく年々複雑になっていくし、微生物によって地下数メートルまで団粒構造にしてくれるのだそうだ。むしろ土壌撹拌によってせっかく形成されかけている安定環境に酸素を供給してしまうことで撹乱してしまったりする(すでに理想的な環境になっている場合。まず土壌改良が必要な場合もある)のだとか。

無論これがそのまま山野草の栽培に応用できるのか分からないのだが、入手したときと同じ状態のまま管理しているカンアオイの方が状態が良いような気がするのが気になるのである。


もっとも栽培管理がいい加減だと言う原因も否定はしないし、高価な山野草の場合では連作障害やらが起きて枯らしたりなどしてはならぬので植え替えによってしのぐのは当然とも言えるのかも知れない。が、そんなにマメに管理できるのであれば、わざわざ大鉢に植え替えたりはしないのだ。


と言うわけで、いろいろと白絹病対策の為、アルカリにpHを傾けたり、大量に薬剤を買い込んだりしたものの結局発病したものだったが、結果が同じなら何もせずに水だけやればいいのかと言う結論に至った。

少なくとも神経質に植え替えの度に、バリダシン剤をかけまくっていたのはまったくやめてしまった・・・・・もっともその効果のおかげで発症しなかった可能性もある。



ちなみに、連作栽培における白絹病対策では、逆にpHを下げて酸性土壌で活性化するバクテリアに病原菌を食わせると言う方法もあるのだと言う。
こうなると、〇〇が健康に良いと言われたらば、すぐまた反例が出たりとか言う状態と全く同じでどっちを信じればいいのか分からなくなる。


まあ、要するに対症療法ではなくて、実生によって環境に適応した種苗を選抜し、病気自体が発生しにくい微生物環境を丸ごと管理する(不耕起≠放置)と言う点で、濾過細菌環境を維持し、なおかつそこに順応した系統を累代維持すると言う魚の飼育は同じ理屈であり育種の基本であると思い至ったのである。


他に合わせて読んでいたのが「農家が教える光合成細菌」。
光合成細菌と言われる嫌気性バクテリアを培養して野菜花卉に与えると成長が極めて良くなるとか家畜の免疫力が高まるとか言うような内容で、金魚伝承のお魚拝見的な文体で書かれている。個人的にはその効果に関して内容ほどの期待はしていないのだが、各育種家(最近は魚と草と同じくらい菌の育種にも興味がある)の培養についての工夫や失敗なんかが面白く、発想源としても地味に役立つ。



光と菌がついていると、観賞魚の餌の定番である「咲ひかり」の「ひかり菌」を真っ先に思い出すのであるが、「光合成細菌」は嫌気性の紅色の細菌類であり、ひかり菌の方はバチルス菌であると言うのでいわゆる枯草菌類だ。


濾過細菌が枯草菌類であることをご存知の方は一度くらいは水槽に納豆を投入した経験がおありだろうが、ウチの場合は落葉を入れていたことがある。効果はよく分からず材質も変わらんだろうと言うことでペーパータオルにしてみたり、そのうち面倒になって窒素還元の炭素源として活性炭で済ませるようになってしまった。何故かと言うと底面濾過の砂利が分解物によって詰まってしまうのである。


余談であるが、濾過細菌を活性化させるための栄養源として糖類を添加するのだけは止めた方が良い。
というか、禁忌だ。何年も前に試しにやった所、たった数時間で水槽を壊滅状態にしてしまったことがある。

未だに何が起こったのか確信はないのだが、どこに隠れていたのかものすごい量の線虫類が舞い上がってきて、魚がパクパクし始めたのを見たときにはひどく焦った。pHの急変かとその時は思ったのだが、たぶん発酵によって酸欠になってしまったのだろう。
ようは狙ったものが殖えるとは限らない。納豆菌の親戚か・・・水が糸引くのかな?ぐらいにのんきに思っていると全然別の何かを喜ばせている可能性もある。たとえばイースト菌とか酵母とか(も)入っていると考えた方が想像し易いかも。その時間(分)単位の爆殖具合がよく分かるだろう。


だいたい落葉を分解する菌が水中でも適応するのか大いに疑問であったので成り行きに任せるよう収斂してゆくのは当然である。おそらく水槽ごとに適応した菌株が生育していて、それが水槽ごとの病気になりがちだったりと言う環境にも影響を与えていると思う。

なお光合成細菌はバチルス菌と共生することで好気性環境でも生存できるらしいので、こりゃ水槽にも応用できそうじゃん。てなことで早速本を参考にいい加減な培養を試みてみた。

*本来は土壌改良用の液肥として使用する前提で書かれて、市販の光合成細菌を素に増殖する方が無難です。

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「用意したもの」
*ペットボトル (満タンの水道水)
*菌(水槽から赤いものをスポイトで取った)
*咲ひかり


数週間たっても餌が溶けただけであまり変化がないので、開封してみました・・・・・・・
すると・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ものすごい「ウンコ臭」がした。


「大失敗」であった。


-終わり-



・・・・・・にする訳にはいかん。これをこのまま庭に廃棄すると絶対的近所迷惑になるし、そもそも植物にも危機的な悪影響を及ぼす可能性がある。

そこで、嫌気性発酵を止めるために、ブクブクを投入しかつエナジードリンク剤(糖類を供給して酵母の増殖を期待したのと、アルギン酸とかなんか必要そうなものが入っている)を添加してみた。


つづく








2015年10月12日月曜日

マツバランの実生

「麒麟角の実生?(親不明)」
一昨年くらいだったか、富嶽の虹に混じって生えていた太軸のマツバランを株分けしたもの。
栽培シロウトにしては作落ちしなくて安心。一時は枯らすかと思って心配していた。

もっとも麒麟角は増殖が良いらしくて、基本的にはウチでも良く出来る。

これは、おそらく実生由来の個体で、麒麟角にしては広がって伸びると思っていて期待していたのだが。
右側が本体で、左側が増殖部分。

マツバランの実生自体狙ってやるとなかなか出来ないものらしいが、太軸が遺伝するのも稀のようです。

自分でやった訳ではないので本当に実生なのか不明ですが。

シダ類ではよくあるのだが、芸が安定しないと言うか栽培条件によって姿が結構変化するのである。

見た目はほぼ「麒麟角」だが、根本からV字状に二股に別れている。

麒麟角で確認するとそうはなっていないので違いと言えるのかも。
ただ、本体の方はこうなってない・・・ 意味が分からない。

「麒麟角」
「角」なのか「閣」なのか。古典品種には「麒麟尾」だの「麒麟鶴」だのがあり、後者はキリンカクと読んだと思われるのだがいかがか?

それはさておき、「麒麟角」マツバランの銘品の中では一番好きである。そりゃあ「青龍角」は良いけれども、気難しい高級品種は気苦労が絶えない(*マツバランの小株は栽培困難な場合が多いようです。購入するなら高くても株立のものを)が、これは丈夫で殖えも良い。


古典園芸一のヘンテコ植物で、世界的に見ても相当異質な園芸植物であると思われるが、基本的にはスギナの親戚みたいに見えるマツバランの中でもこれなら「緑の珊瑚」みたいで立派でしょ?


本芸を出していないどころか枯れてしまうのではないかと憂慮している手持ちの青龍角と比較していいのか分からないが、栽培中のマツバランではもっとも極太。竺の一番太い部分では直径7㍉。全体的にゴツゴツしていて荒々しく、2倍体にでもなっているんじゃないかと思う。



「玉龍角の斑」
平成六年登録のやや新品種で元の「玉龍角」は平成五年度登録の実生選抜品種(静岡の玉越氏による)だそうである。

一度小苗を枯らして二代目。特に減ってないがかと言って殖えてもいない。
購入時より若干斑が冴えたような気もするが、苔が死んでいるのが気になる。
光量は不足気味だと思うのだが、一般的に斑入りは日を採らないと冴えない。



「太平楽」と並んで、帯化・石化するが、雰囲気はかなり違う。
太平楽より大型化するようだが、どうもちっこい。肥料が足りないのかも。

胞子が着いているので実生したいのですが、まず無理でしょうね。
でも、実生でも石化する個体が出るのだから期待はしたい。
極太軸で綴化すれば多肉みたいでかっこいい。





各種実生と実生予定のあれこれ

「トウカイタンポポ 実生苗」
数年に渡りラシャ葉のタンポポの経過観察をしてきたのだが、今春株分けに失敗して腐らせてしまった。
けっこう凹んだのだが、結論から言うとどうもトウカイタンポポではなかったような気がする。

実生維持するにはクローン系統の方が楽ちんなのだし、クローンでも意外と変異体が出るものなのだと体感できたことは貴重なのだが、なんとなく気持ち悪いのできっぱりと諦めた。


そんな訳で、こちらはカラス葉の親から採取した虫媒により他家受粉した種からの苗。片親はカラス葉(2株植えてある)か、ウスギ(淡黄)花だと思われるが確証はない。

例年適当な管理で絶やしてしまうことが多いが、今年はちゃんとナメクジ対策にネットまで張って、ほれこの通り。残念ながら親株も含めて全然カラス葉になっていない。異常気象のせいだろうか・・・・

発芽直後にラシャや斑入りの検定をしなかったもので、葉変りでの選抜が一切されていないのは失敗であったがやむを得ぬ。これも次回の材料。




ヤマアジサイの実生苗」
静岡産のヤマアジサイの実生苗。
粉粒のような種子であったが発芽はそこそこ良好。
成長の良いもの。
みた感じ斑入りはない。

大きさがまちまちになっているが、4倍体とかだったら面白いが・・・たぶん変異体はいない。
なお、綴化や石化するヤマアジサイ「九重凛華」を所持していたことがあるが、枯らしてしまった。
暑さに弱いらしい。
タマアジサイの実生苗」
これも静岡産。
ヤマアジサイの葉はいわゆる普通のアジサイやガクアジサイにくらべると小さくツヤがなく薄いのだが、タマアジサイはさらに粉っぽくざらついている。

ただ、一口にヤマアジサイと言っても基本的に各地からの採取品なので、山野草屋さんによってはちゃんとエゾとかヒュウガとか細かい分類同定がされているのか分からん。北九州のお店から斑入りとして入手した個体がやけに大柄でどうもエゾっぽく、ひょっとするとナンゴクヤマアジサイなのか?とか思う。残念ながら斑が抜けてしまったが、ヤマアジサイの斑入りはあっさりと斑が抜けることがあるので、樹勢があるうちに挿木をしておくか、きっちりと緑葉は剪定しておかないと危険である。



なお、手前左の大きなものは「トキワガキの実生苗」である。用土を使いまわしたら、発芽していなかったものが出てきた。2年くらいは耐久するようである。
ヤマアジサイもそうだが、根が浅くてちょっとした衝撃で苗がひっくり返ってしまうのでネットを外した際に引っかかって抜けてしまった苗が結構ある。
鎌倉など急斜面の場所では根が深く張るから栽植されているとか見たし、当地の崖でも垂直や逆ハングになってるような場所にタマアジサイが咲いていたりするが、赤ちゃんの時は要注意である。


「イワレンゲ」
もと銘品の斑入りだったものが開花して溶けてしまった子供。
勝手に実生。
散斑でないから案の定、斑のケはまったくない。
もっとたくさんあったのだが次第にいなくなった。


大賀ハス 本性品」
今年、初花。入手から5年以上経っていると思う。
蕾を見た記憶があるがすっかり忘れていて花は見そこねた。実生品もあるらしいがこれは株分けされた由緒正しい本物だそうである。

気づいたらもう種が出来ていて、他にハスはないし、近所でもおそらく栽培していないので、自家受粉と思われる。

登呂のご先祖様の時代から生き延びた頑丈な耐久種子の筈であるが、コンクリで表面の一部をガリガリと擦って水槽の中に放り込んでいたら、わずか1~2週間で芽が出たのを本日確認。大変な驚きである。オリジナルは実生から一年で開花していたそうだから、これも来夏咲くのだろうか。

5年程前別のハスの種を手に入れてカッターで指を切りそうになりながら傷をつけたこともあったが、そんな面倒なことはしなくてよかったのだ・・・


「アオキ 満月」
アオキと言うと、赤い実をたぶん自家受粉して愛でていた祖父を思い出す。
小さいころ遊んでいたら取らないでと言われてしまった・・・

「満月」はアメ軸縞実の♀木の最高級品種で入手した頃はかなり高かった。葉が2枚程度の超小苗だったのでこのサイズになるまでかなり年がかかった。毎年一生懸命肥培するものの、斑が強すぎるのか弱いのかちっとも作が上がらず。

今年ようやく花が咲き、受粉させることが出来た。
この角度からは見えないが縞実である。
茎も飴色で綺麗。

たった一粒しか結実していないが、受粉させた時には少なくとも数十個はあったと思う。

みな脱落していったのだ。


「アオキ斑入り」
これが♂木。
鳥が落としていったフンから生えた実生品なので世界でこれ一本。「駿河弁天」あたりが実親でないかと思う。小葉である。写真写りが非常によろしいが、実物はもう少しくすんでいる。

おそらく栽培種が逸出したと思われる山採りの斑入りアオキも栽培しているが、これと比べると1.5倍くらいのサイズの大葉である。ここまで派手ではないが星斑が満遍なく入る昔ながらの品種の末裔かも知れない。祖父の斑入りアオキに似ている。斑入りアオキは海外の公園でも見かけたが実生品なのか地味め。逆輸入品種?(参考:両筑デザインプランツ)には結構派手なのがある模様だが、日本で改良されたものかも。横文字は勘弁。
ハナイカダの実生苗」
最初は双葉、で本葉が出てくると幽霊になってしまって斑入りは全滅・・・・・。
生き残りはおそらく斑入りでないと思うが、戻ってこないかと思ってまだ残してある。

なお、斑入りの♂木も存在する。それは所持していないが、♂かも知れない山採りのハナイカダを入手したので、緑の♂木は引っこ抜いてしまった。それがもし♀であったら、この苗の中から♂を探すしかない。
「レンゲショウマの種鞘」
こんな暖地の団地でもちゃんと虫媒受粉が行われると言う驚異。
別のはシイナであったがこれは大丈夫っぽい。

レンゲショウマの播種はしたことがあるが、まったく出なかった。

こんどは期待だ。