2015年10月12日月曜日

各種実生と実生予定のあれこれ

「トウカイタンポポ 実生苗」
数年に渡りラシャ葉のタンポポの経過観察をしてきたのだが、今春株分けに失敗して腐らせてしまった。
けっこう凹んだのだが、結論から言うとどうもトウカイタンポポではなかったような気がする。

実生維持するにはクローン系統の方が楽ちんなのだし、クローンでも意外と変異体が出るものなのだと体感できたことは貴重なのだが、なんとなく気持ち悪いのできっぱりと諦めた。


そんな訳で、こちらはカラス葉の親から採取した虫媒により他家受粉した種からの苗。片親はカラス葉(2株植えてある)か、ウスギ(淡黄)花だと思われるが確証はない。

例年適当な管理で絶やしてしまうことが多いが、今年はちゃんとナメクジ対策にネットまで張って、ほれこの通り。残念ながら親株も含めて全然カラス葉になっていない。異常気象のせいだろうか・・・・

発芽直後にラシャや斑入りの検定をしなかったもので、葉変りでの選抜が一切されていないのは失敗であったがやむを得ぬ。これも次回の材料。




ヤマアジサイの実生苗」
静岡産のヤマアジサイの実生苗。
粉粒のような種子であったが発芽はそこそこ良好。
成長の良いもの。
みた感じ斑入りはない。

大きさがまちまちになっているが、4倍体とかだったら面白いが・・・たぶん変異体はいない。
なお、綴化や石化するヤマアジサイ「九重凛華」を所持していたことがあるが、枯らしてしまった。
暑さに弱いらしい。
タマアジサイの実生苗」
これも静岡産。
ヤマアジサイの葉はいわゆる普通のアジサイやガクアジサイにくらべると小さくツヤがなく薄いのだが、タマアジサイはさらに粉っぽくざらついている。

ただ、一口にヤマアジサイと言っても基本的に各地からの採取品なので、山野草屋さんによってはちゃんとエゾとかヒュウガとか細かい分類同定がされているのか分からん。北九州のお店から斑入りとして入手した個体がやけに大柄でどうもエゾっぽく、ひょっとするとナンゴクヤマアジサイなのか?とか思う。残念ながら斑が抜けてしまったが、ヤマアジサイの斑入りはあっさりと斑が抜けることがあるので、樹勢があるうちに挿木をしておくか、きっちりと緑葉は剪定しておかないと危険である。



なお、手前左の大きなものは「トキワガキの実生苗」である。用土を使いまわしたら、発芽していなかったものが出てきた。2年くらいは耐久するようである。
ヤマアジサイもそうだが、根が浅くてちょっとした衝撃で苗がひっくり返ってしまうのでネットを外した際に引っかかって抜けてしまった苗が結構ある。
鎌倉など急斜面の場所では根が深く張るから栽植されているとか見たし、当地の崖でも垂直や逆ハングになってるような場所にタマアジサイが咲いていたりするが、赤ちゃんの時は要注意である。


「イワレンゲ」
もと銘品の斑入りだったものが開花して溶けてしまった子供。
勝手に実生。
散斑でないから案の定、斑のケはまったくない。
もっとたくさんあったのだが次第にいなくなった。


大賀ハス 本性品」
今年、初花。入手から5年以上経っていると思う。
蕾を見た記憶があるがすっかり忘れていて花は見そこねた。実生品もあるらしいがこれは株分けされた由緒正しい本物だそうである。

気づいたらもう種が出来ていて、他にハスはないし、近所でもおそらく栽培していないので、自家受粉と思われる。

登呂のご先祖様の時代から生き延びた頑丈な耐久種子の筈であるが、コンクリで表面の一部をガリガリと擦って水槽の中に放り込んでいたら、わずか1~2週間で芽が出たのを本日確認。大変な驚きである。オリジナルは実生から一年で開花していたそうだから、これも来夏咲くのだろうか。

5年程前別のハスの種を手に入れてカッターで指を切りそうになりながら傷をつけたこともあったが、そんな面倒なことはしなくてよかったのだ・・・


「アオキ 満月」
アオキと言うと、赤い実をたぶん自家受粉して愛でていた祖父を思い出す。
小さいころ遊んでいたら取らないでと言われてしまった・・・

「満月」はアメ軸縞実の♀木の最高級品種で入手した頃はかなり高かった。葉が2枚程度の超小苗だったのでこのサイズになるまでかなり年がかかった。毎年一生懸命肥培するものの、斑が強すぎるのか弱いのかちっとも作が上がらず。

今年ようやく花が咲き、受粉させることが出来た。
この角度からは見えないが縞実である。
茎も飴色で綺麗。

たった一粒しか結実していないが、受粉させた時には少なくとも数十個はあったと思う。

みな脱落していったのだ。


「アオキ斑入り」
これが♂木。
鳥が落としていったフンから生えた実生品なので世界でこれ一本。「駿河弁天」あたりが実親でないかと思う。小葉である。写真写りが非常によろしいが、実物はもう少しくすんでいる。

おそらく栽培種が逸出したと思われる山採りの斑入りアオキも栽培しているが、これと比べると1.5倍くらいのサイズの大葉である。ここまで派手ではないが星斑が満遍なく入る昔ながらの品種の末裔かも知れない。祖父の斑入りアオキに似ている。斑入りアオキは海外の公園でも見かけたが実生品なのか地味め。逆輸入品種?(参考:両筑デザインプランツ)には結構派手なのがある模様だが、日本で改良されたものかも。横文字は勘弁。
ハナイカダの実生苗」
最初は双葉、で本葉が出てくると幽霊になってしまって斑入りは全滅・・・・・。
生き残りはおそらく斑入りでないと思うが、戻ってこないかと思ってまだ残してある。

なお、斑入りの♂木も存在する。それは所持していないが、♂かも知れない山採りのハナイカダを入手したので、緑の♂木は引っこ抜いてしまった。それがもし♀であったら、この苗の中から♂を探すしかない。
「レンゲショウマの種鞘」
こんな暖地の団地でもちゃんと虫媒受粉が行われると言う驚異。
別のはシイナであったがこれは大丈夫っぽい。

レンゲショウマの播種はしたことがあるが、まったく出なかった。

こんどは期待だ。

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