2018年6月10日日曜日

大橘(パール柑)の斑 2018

大橘(パール柑)の斑」
パール柑なのか水晶文旦なのか、よく分からなくなってしまったが、チャンドラポメロではなかったはず…

今年もちゃんと斑入り葉が出てきた。昨年の葉も硬化してこんな調子なので全葉ではないが一応継続はしている。

のだが、気を抜くと新芽をハモグリバエにグチャクチャにされる。
いつも気づいた時には人力駆除するのだが、さすがにずっと駆除はしてられないので調べてみると「ハモグリミドリヒメコバチ」(参照:埼玉の農作物病害虫写真集さん)なる天敵がいることが分かった。

実をいうとヤマアジサイの鉢の周辺の雑草の上をウロウロしていた綺麗な緑金色のハチかアブのようなものを見かけて気になっていたのである。ちなみにそれは「ウデゲホソアシナガバエ」(参照:我が家の庭の生き物たちさん)と言うらしい。もっとそれらしい名称の「アシナガキンバエ」ではないそうなので注意。大多数の誤用も含めネット情報のいい加減さと精密さが公平に同居するのが面白い。

ともあれ、農薬を使用しない訳ではないのだが、主に植え替え時に用いる殺菌剤のみ。

自分の体調がおかしくなりそうなので、防疫も考えてバイオリアクター(己称)*酵母や枯草菌を主体とした発酵液を散布するのでなく発酵状態を継続して行うために容器に入れて庭中に仕掛けている。

安定期になるまで悪臭がひどいと言う難点もあるが多発した白絹病などの発生が終息した気がする。少なくとも昨年から今年にかけて白絹が原因と思われるカンアオイやテイショウソウの腐れは発生していない。その代り発酵液が要因と思われる黒斑病のようなものがツバキなどの樹木に発生する。新芽発生の水切れ時によく起きるので因果関係があるのではないかと思うのだが気のせいかもわからん。

最終的にはよけいな人力を加えたくないので昆虫や鳥や爬虫類などになんとかしてもらえるといいな。



ヤマアジサイ 終花期

「七変化錦」

「藍姫錦」

「☝藍姫錦 ☟七変化錦」
比較。
と言っても一週間はズレてるからなぁ…結実してることしか定かでない。


「黄金駿河」
やはり常に開花期が遅め。これはこういうものだと思う。
静岡の地ヤマアジサイもだいたいこんな感じな気がする。

ガクアジサイの原産地が伊豆半島(誇れ)であるのと関係があるのかも?
アマギカンアオイが海浜型に進化したのとは関係ありそう。
ナガバマムシグサが細長くなったのもそのせいか(参照中国地方におけるナガバマムシグサ群(サトイモ科)の地理的分布 : 広島県内でみられるヒガンマムシグサとタカハシテンナンショウの棲み分け)?







ガクアジサイの開花

最近多忙であることもありヤマアジサイの「藍姫錦」と「七変化錦」の花比べをしようと思っていたが最盛期を逃してしまった。一見したところやはりおんなじような花が咲いていたので積極的に撮影しようと思わなかったせいでもあるのだが…

ヤマアジサイは梅雨前の4月~5月の花であり6月には花の終わり結実期に入る。
そしていわゆる梅雨のイメージであるカタツムリとアジサイ(ホンアジサイ=ガクアジサイ。海浜型アジサイ)がやって来た。

「ガクアジサイ 大島緑花」
初花である。
緑の花と言うのは昔パフィオを栽培していたころからずっと好きで、春蘭とかセッコクとか細辛とかすべての素心花はそういう理由で興味を持つきっかけとなった。

が、古典園芸植物からするとむしろ緑花はわりかし普通だったりするのが歴史の厚みなのか日本人の好みなのか単に国産種に地味な花が多いのかよく分からん。


「ガクアジサイ 大島緑花」
「ガクアジサイ? 黄葉」
肝心の黄色い葉がほとんど写ってないが左横のもの。
藤色に咲いているが、ほかの地植え手毬咲のいわゆる「ホンアジサイ」が南側は青と北側は赤と完全に発色が異なる。これは一応鉢植えだが根っこは地面にまで到達していると思う。地質は南側なので本来は青系で咲くべきなのかこういう品種なのか不明。


「ガクアジサイ?黄緑覆輪 あるは紺中斑」
葉質から推測してガクアジサイの系統なのだろうが交配種なのか購入時から品種名が不明。ガクアジサイは増殖が簡単で改良品種が大量に出回っているせいか名前が分からないことが多い。やはり由来が分からないのは気持ち悪い。エゾアジサイかも。



「ガクアジサイ 大瀬」
フリル咲の大輪純白花なのだが、本来は「淡黄色ガク咲きで、装飾花に緑の絞りが入る」そうである。…まったくその気配がないのだが。

「ガクアジサイ斑入り」
昔から庭に植えてあるあるやつで名前は知らないが、三光覆輪なので品種成立から相当の年月を経ているであろうことから推測して、江戸期からある古典園芸種と言われるものと同じものであるようである。どこでもよく見かけるがが装飾花が青だったりするのは別品種なのか?

「ガクアジサイ? 散斑」
こちらが標準花か。
おそらくこちらも銘品で「初霜」とか言う名前があるとおもうのだが不明。

ガクアジサイは大型化して場所を取るのであまり揃えたくなく、おそらくガクアジサイ純系と思われる(ヤマアジサイとの交配種でない)必要最低限のものしか置いてない。


「ガクアジサイxヤマアジサイ? 実生苗」
勝手に生えてきたもの。昨年ぐらいに気づいたので3年は経っていると思う。
葉質から推測してどうやらヤマアジサイ系(エゾアジサイも含む)との交雑種であると思われる。おそらく片方の親は三光覆輪のガクアジサイ。





2018年5月22日火曜日

ヤマアジサイの開花シーズンであるが、今まで置き場所が定まらなくて適当に育てていた期間もあったので、盛夏に水切れさせて枯れちゃったり(ジャノヒゲのようなやつが鉢中に侵略してくる)作落ちしたりして初見の花も結構ある。

充実した株の方が良い花をつけるのだろうが、大きくなっても未だに開花しない株もあり、咲かせる為に古枝を剪定しなければならないと言うのは斑入り株には深刻なダメージになりかねないので花はオマケ程度に考えている。

美しいヤマアジサイの花の写真をご所望の方は他所で探して見てください。


「九重山」
簪みたいに面白い咲き方をしていたので撮影した。
挿木した方は花付きが良く咲いているが、親は2つほど。ただ装飾花が「丸山ぼたん」くらいのサイズになった。


「無銘 賎機女タイプ」
山から一枝いただいて挿し木したものだったと思う。
後に赤の霧点花になる…はず。


「土佐茜」
花付きが良く薄水色に咲く。黄葉で全体的に色合いが和風っぽくない。
女子にもおすすめ。


「藍姫錦」
相変わらず凛としたいい色で咲いている。


「七変化錦」
藍姫と開花時期のズレが1~2週間ほどある。
たのむから別品種でいて欲しい。


「清澄沢」
 覆輪花を創る為に導入した。


「七段花」
色が乗ってきた。懐かしい。3年以上前に見たっきりだと思う。


「土佐の暁」
もう終わり頃。
土壌PH調整せずに鹿沼土の単用なので推奨の花色ではないのかも知れぬ。
だが、正直な色に撮影できている。
いつも通りトリミング以外の加工編集は一切してない。


「松中てまり」
ミニアジサイと言った感じの可愛いらしい手毬咲きで斑入り葉ではない。写真入りラミネート加工の詳細な品種名札も素晴らしい。ずぼら人間としては色々な意味で見習いたい。

花が中央に撮れてないのはこの日風が強かったため。他のはぜんぶピンボケだった。


「斑入り白花」

「十国峠産」
白花っぽい。交雑もしていないっぽい。

「? 斑入り」
株が込み合ってきてどれがどれだか良く分からなくなってきた。
以下↓銘品だが札をチェックしてないので正式名がわからん。図鑑が欲しい。
あとで覚えていたら追記する。

「」
「」
余談であるが、ヤマアジサイは基本山採り品である。
ので、cvと書くのは精確ではないと思う。
var.であるべきである。

そのような訳でウチの実生苗子たちはcvである。


2018年5月12日土曜日

トキワガキの散(曙)斑

「トキワガキ Diospyros morrisiana 実生」
流通している刷毛込斑の本斑からの種を数回実生したが、お化けになるばかりでまったく成長せず、ついには親株まで斑が抜けてしまった。

これは数年前普通のトキワガキを大量に実生していた頃に出たものの一本。その大半がこれと同じ曙斑的なもので、しかも成長に従ってなくなってしまった。一時的に冴えたりもしたが、結実する寸法まで成長したものは斑抜けているようである。少なくとも全葉に確認できるような状態にはない。

「トキワガキ 実生」

この個体は一旦枯れかけてしまったものを懸命に世話した結果偶然回復したもの。ようやく自立できるくらいにまで元気になったので一安心である。

「トキワガキ 実生 ♀」
前述の本斑のトキワガキは一本でも結実していたが、これははっきりと雌雄異株で♂と♀があるようでとりあえずこの株以外は実をつけていない。そしてもう葉には斑が確認できない。



(仮)土佐の暁錦の開花

「(仮)土佐の暁錦」
あまりに斑がくっきりしてきたので間違ってるかと心配になったけど、この独特な赤茶色は「土佐の暁」でよろしかろうと思う。

「(仮)土佐の暁錦」
仮名で錦とつけてはみていたけど、意外と他所でも出てくるものだったりするのだろうか。「土佐の暁糊斑」ってした方がいいかも。


「銀糊三光中斑」
「銀糊三光中斑」
こちらとは似ても似つかぬ花色であるので、こうやって咲いてさえくれれば間違えようもない。



おまけ

「七段花錦」
咲いてる枝には斑が入ってないが、確かに「七段花」であるようではあった。これで数年来の不安からもひとまず開放。
もう一本の株も開花してくれるといいがいつになることやら。


2018年5月7日月曜日

実生コアジサイの開花

「コアジサイの実生」
開花した。期待はしていなかったがほんとに何の変哲もないコアジサイであります。

ちゃんと鉢植えしたもので午前中だけ陽のあたる東側。ほぼ同条件にもかかわらず、サクラソウと同居させたものはあまり生き残らず、ウラシマソウかテンナンショウと同居させた方がこちら。同居草の性質はおそらくあまり関係ない。

また、日当たりのあまり良くないエビネやカクチョウラン、ハラン、斑入りのサトイモ類を地植えしてるあたりにばら撒きしたものはまったく育たなかった。そのすぐ横にやや背丈の低いもの。たとえば斑入りのホトトギスやナルコユリの類、アキギリなども植えてあったがそれらもどんどん作落ちする場所である。

あくまで勘だが、群生して茂みのなかに紛れているような環境がお好みなのではないかという気がします。

秋になれば紅葉(黄色)がキレイですので日本の野山を模した作庭をしたい方にはオススメします。 えーとほかには特に言うことがないや。

2018年5月6日日曜日

ヤマアジサイの斑入り実生のつづき

「(仮)藍姫錦の実生 Hydrangea serrata seedling 2017 variegata」
左が一度斑抜けした個体から出てきた斑入り。上がってくる脇芽がことごとく青いので維持できるのか少々心配。一度掘り起こして斑入り部の根を探り切り分けるような外科手術が必要になるのかも。面倒なことになりそうなので単純に挿し木すればいいのだろうけれどもそれでは実根の意味がない気がする。芽変わり品を「※※錦」とする命名法があるのだとすれば、元から斑入りであればそのルールの適用外でも良い気がするので。ダメかな?

右は最初から斑が決まっているやつ。斑が抜けることもなく着実に成長している。金魚で言うところの良血統である。

周年腰水で状態は良い。真夏でも真冬でも根腐れはしなかった。


「(同?)2018年度版 Hydrangea serrata seedling 2018 variegata」
4本選抜したが、やはり超微小苗過ぎて一本枯れてしまったっぽい。
鹿沼土の細粒サイズなので一枚の葉のサイズが最大で5㎜程度だと察してほしい。根は糸みたいだった。まあタンポポでやり慣れているけどね。いつも余計なことをしてせっかくの努力を水の泡*にしてしまう。

後悔はしている。が、気持ちの切り替えは巧くなってきたかも知れない。やらないで悔やむよりはマシだと思うように努めようとしている。…でもやっぱり未練があるので凹む。


(*植物にうつつを抜かしてばかりいるようだが昨年~今年にかけての金魚交配は惨憺たる有様である。タイトル変更を検討している)


「藍姫錦 Hydrangea serrata 'Aihime Nishiki'」
なんだか地味な斑になった。
価格と比例しなくなった。


「七変化錦 Hydrangea serrata 'ShichiHenge Nishiki'」
違いがあるのか良く分からない。
うっかり2株買ってしまった「丸山牡丹」の開花期が微妙にずれていたので花の状態をみて別品種と判定は出来ぬ。いずれにせよ斑の状態はかなり良くなったのでしょうがないやと思うことにする。


⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆⛆

 おまけ

「丸山ぼたん Hydrangea serrata 'Maruyama Botan'」
なにやらヤマアジサイっぽくないサイズの装飾花である。
やけにデカすぎる気がする。なにかとの交雑種じゃないのかね…

左側のやや黄色っぽい葉と中央~右寄りのものは別の株。中央の大きな花は終わりかけている。開花はうちのヤマアジサイの中では一番早くコアジサイと同じか若干早め。


「丸山ぼたん Hydrangea serrata 'Maruyama Botan'」
最下層の部分が葉化しているので斑入りっぽく見える。
と思われる。


「丸山ぼたん Hydrangea serrata 'Maruyama Botan'」
と言う訳で覆輪ではない。
と思われる。


「丸山ぼたん Hydrangea serrata 'Maruyama Botan'」
花弁に斑が入ってるものもあった。



2018年4月30日月曜日

斑入りの創造

「マルバテイショウソウ(Ainaliaea fragrana var. ihtegrifolia)の実生」

マルバテイショウソウの子の子である。すでに親の面影があるのでテイショウソウよりは安心できる。
思っていたよりはけっこうたくさん発芽したがとくに変わり物はない。

最近気になっているのは異種交配などの場合に変わり物が出てくる可能性が高くなるが、通常はかなり低い確率なのではないのかという事である。蒲公英なんてここ何年もずっと大量実生し続けているがまったく変わり物がでない。むしろ結実率が下がってきていてこの作業自体をいつまで続けられるか分からない。

という訳でとにかく可及的速やかに大量に実生して発生率をあげるしか解決策がない。

フキ(Petasites japonicus)実生」

ウチの庭には2種の斑入り株(と枯れてしまったが羅紗葉もあった。今考えてみると倍数体だったのかも)を含め雌株だけなのか結実しているのを見たことがなく、長年雌雄両株を植えておきたいとは思っていたのだが、今年たまたま山沿いの沢で二株綿毛を付けている株を見つけたので種を分けてもらってきた。

かなり細かい種なので結構な量があるとは思っていたのだが発芽率が分からず芽が出てきたらこのありさま。数百粒あるいは千粒近くはあるのかと思う。

さすがにこれだけ播種すれば変わり物も出るだろうと思い、じっくりと観察していて一本の斑入りらしき株を発見。その他双葉に変形のあるもの(野菜の場合では外される異常個体だが、こちらは積極的に採用)を選別することになる。

「フキ実生 変わり物選抜」
数年前にはタンポポでこういうことを一生懸命やっていたのだが、トウカイタンポポからしか採種していないのでシイナ率も高く効率が良くない。さらに発芽がまちまちで時期によってはすぐに出て来ないことも多いのでめんどくさくなってしまってやめてしまった。播種自体はしてあるけど基本的には放置。

ちなみにこのフキの斑入りはおそらく曙斑か打ち込み斑で最近高価で取引されるくっきりとした本斑タイプでなく、昔ながらの斑入り型だと思うのでレア度は低いが、それでも自家産となると愛着がわく。

究めて小さいので強引に植え替えてみたが枯れないか心配である。分かりづらいが中心に植えこんである。


2018年4月28日土曜日

黄葉?

「不明カンアオイの実生」
出遅れて展開してきた新葉にちょっと黄色っぽいのがいる。
いわゆる「玉斑」というやつなのか「黄金葉」系なのか現状では不明である。

正直あまり期待はしていない。

萌黄色のカンアオイを高額にて手に入れたことがあるが、素敵な色合いだったのは最初だけであとは普通になってしまってとてもガッカリしたことがある。

何回か痛い目にあって「山採りの斑入りのカンアオイは危ない」と学習した。自分の場合飾っておくのでなくてあくまで交配の素材としていつか使用するつもりであるので固定率の低いやつは困るのである。一応理屈としては斑入り芽のある場所まで何回も切り戻せば良い筈なのだが、成長の緩慢なカンアオイでそれをやってしまうと維持するだけで一生を終えてしまいそうである。

てなわけでちゃんと継続を確認したものを入手されたし。



2018年4月27日金曜日

4月末の椿

「赤金魚葉ツバキ」
「梵天葉」の方ではないと思う。ちょっと黒みを帯びた紅で未だかつて見たことがない(ちゃんと咲かせていない)花形のような気がするが、肥後椿系のようなのでサザンカかなんかの血が入っている古典品種なのかも。綺麗な花が撮れなかったのだが、斑入りの金魚葉と言われる弁天椿系のものもやはりこんな花芯をしていた。

「赤金魚葉ツバキ」
ぺったんこでサザンカっぽい気がする。こういうのから実生すると毛が生えたヤツが出てくるのかも知れない(昨年実生したものにあって驚いたのだが枯れてしまった)ので気をつけないと。

とは言え、出自の知れた純粋のヤブツバキはなかなかないし、現状では錦葉(斑入り葉)の玉之浦系統の花しか作れそうにない。

なおウチの椿の中では今年最後の花だと思う。

…と思っていたら「散斑ヤブツバキ」と言う札の個体にも花がついていてそれも八重であった。


それと順調に生育していた弁天玉之浦が突如枯れこんだ。接木と挿木で生き残りを図ってみている。先年もいきなり葉が萎れて灼けてきたと思ったら枯れてしまった。そのときは肥料の副作用かとも思ってたが病気なのかなんなのか。一応ベンレートを使ってみたがダメになることを覚悟している。