2017年5月22日月曜日

斑入りワサビの種

「斑入りワサビの種」

斑入りのワサビには何種類かあるが、東北産の本斑。覆輪ではないので遺伝性がある筈。
アブラナ科なので他家受粉の傾向が強いのだろうと推測。当然のことながら斑入りを実親♀、普通の方を花粉親♂としている。ちなみに♂親の産地は不明。葉型が異なる。

種は2㎜くらい。楕円形のゴマ状のもの。菜種やブロッコリなどとは形が異なる。
多年草なのですぐに取り蒔き。

・・・したのは良いが正しいのか自信がない(水耕栽培ではない)ので確認のため検索。実生でワサビ苗を作っている農家さんを発見。なんと静岡のワサビが静岡産でない(参照:北村わさび)ことを知る・・・マジか。それでいいのか有東木のひと。山に行けば普通にワサビなんて見かけるのに。

こうなると、純静岡産のワサビをつくらにゃいかんかね。いろいろ問題はあるのだろうが、陸上でもワサビが作れそうなのは栽培経験から分かっているので、オカワサビのつもりでやろうかな。

なお、おそらくネット情報の全てのソース(原典を除く)であるWikipediaに品種の詳細が書かれていた。また水耕栽培の場合20℃を超えるとまずいようだ。辛み成分の自家中毒は知っていたが、これは菜種油粕を原料にする発酵肥料でも同様の問題が発生する(だがむしろその抑制効果が良い)そうなので、解決できるんじゃないかと言う気がするな。

でも、育種家としては無肥料栽培を目指しているんだよな。野菜の方は(*昨年トウガラシには大量に施肥したけどね。今年はやってない)金魚の色揚げをしないで発色を良くするのと同じ。

無肥料栽培でいつも疑問に思っているのが、持ち出した微量元素を補給すべきなのか宇宙塵やら黄砂やらそのたの塵芥で間に合うのか?足りないなら何をどのように?とかなのだが、それへの直接回答ではないが理詰めでいろいろ思案されているサイトを発見。栽培と畜産の未来のために(参照:脱・植物のミカタ)道楽じゃなくて営農するとなるといろんな視点や知識が必要なんだなと思う次第。





2017年5月20日土曜日

七段花錦の変わり

「ヤマアジサイ 七段花錦」
シチダンカはシーボルトの件で有名なヤマアジサイであるがここでは触れない。
自分で最初に農協で購入したのが無名の斑入り種(生産者さんの趣味だったのかも)で、花型から類推して「七段花」の斑入りタイプだった模様。2年は継続したが剪定しなかったせいで斑抜けた。

その後別の所から「斑入り七段花」と「七段花の芽変わりの斑入り」(オリジナル品)を手にいれたのだが、札落ちしたのか枯れたのか行方不明(一鉢謎の斑入りがいるがそれかどうかはまだ花を未確認)。なのでそれもあきらめて、別にちゃんと花屋から「七段花錦」として購入したものがこれ。

ところが、斑抜け枝ばかり出てきてぜんぜん錦じゃないのだ。出てくる芽を摘みまくってたった一枝しか昨年は残らなかった。さらに今年の芽だしの季節にもまたしても斑抜けばかり。さらにさらに斬りまくって今ようやくこの状態。ようやく見られる状態になってきた。
「ヤマアジサイ 七段花錦の芽変わり」
そしたらやけに葉灼けが目立つのがいる。すぐ隣に「黄金駿河」や「土佐茜」があるのでそっちの方の枝かと思ってたら「七段花」の方だった。灼けがひどいが、葉緑素が若干残ってるようなのでバラして挿してみる。

テイショウソウの実生一族

「テイショウソウ(?)実生」
一番最初に発芽したので一番年上。冬季はずっと屋内、夏季は軒下管理。2年目である。今季から直射日光下で栽培開始。一時大きな葉が萎れたが慣れた模様。模様がキレイ。

右奥にちらっと写っているのはマーブルベリーの芽。まさか入手できるとは思わなかったし、3ヶ月ほど全然発芽しなかったのでダメかと思ってたが今頃になってようやく出てきた。レアバジルの品種と同じところから種を購入。買う方も変わっちゃいるだろうけどよく見つけてきたものだと感心。一応食べられるらしい(自己責任で)。基本的にヤブミョウガと同じものだと自分勝手に思っている。種の殻の構造色以外は全く同じ。要は金属光沢があるかないかの違いくらい。たぶんサイズも同じくらいになるとは思うが、入手できたものはヤブミョウガよりもさらに小さめで直径3㎜程度だった。

「テイショウソウ実生の子」
上の個体と同じ管理。こうしてみると、実生1年目には幅広の丸葉になるが、翌年からは長細く変化していくようであるな。

「テイショウソウ 直射日光下」
ずっと屋外、盛夏の期間だけ遮光。あとはずっと直射日光・無保護。
皮質というか葉が厚いようで、やや銀糊が少なく、墨が多い気がする。全体的にぼけた色合いで褪色したような感じ。日光に対する反応なのだろう。一枚全銀葉のやつがいるが、続くかわからない。

「テイショウソウ実生 半日陰」
青々していて瑞々しく生育も一番良い。穴が開いているのはナメクジと夜盗の仕業。やつらを何とかする方法は人力以外にないのか。イタチごっこになるとか、土壌の菌類に影響が及んだりとかするのがいやなので積極的に農薬は使いたくない。
「テイショウソウの斑 直射日光→半日陰」
大事に育てている。葉が灼けないように置き場所を暗めにしたせいか、成長が滞っている。4枚中2枚に斑。50%の確率である。

2017年5月18日木曜日

斑入り柑橘

「チャンドラポメロの斑 (本斑)」
極小葉であるが、中央に源平柄。その対側にも刷毛込み斑が見える。

「チャンドラポメロの斑 (本斑)」
昨年はその上の新芽を虫に喰われてしまい、今年は気をつけたのだが・・・
新葉は全部無地。斑抜けてしまった。


「パール柑の斑」
昨年は寝ぼけたような柄だったが、曙斑的なのか今は冴え渡っている。

「パール柑の斑」
これだけびっしりと斑が乗っていれば文句あるまい。

「パール柑の斑」
特に光合成に支障があるわけでもないようで生育は良好。安定性の高い覆輪の柑橘品種は温州、仏手柑、ユズ、キンカン、レモンなど結構あるが、こういうタイプは見たことがない。もっとも、フルーツを採るのに斑入りなんて邪魔なだけだけど。

2017年5月15日月曜日

オナガカンアオイの復活

「ぎらぎら」
何年か前にやけにギラギラ反射して見えると思っていた個体。置き場所を変えたら機嫌を損ねたのか昨年は見かけず腐ってしまったのかと思っていた。

そしたら出てきたよ。別になんてことはない普通のオナガであるが、とてもうれしい。

カンアオイ全般がそうなのか言えるほど栽培実績がないが、オナガの場合根茎だけで3年以上そのままで、さすがにもう枯れちゃったか・・・・・・・と思ったらふと芽を上げるということもある。これに関しては達人も仰っていたので間違いない。

この長い休眠状態中も根茎さえ無事ならば大丈夫のようで(よく腐らなかったものだ)、カンアオイにとっては毎年葉をつけなくてもどうと言うことはないのかも知れない。それに付き合うには少々忍耐が必要だが… 正直かなり神経をすり減らした。ジベレリンを何回も散布しても応答がなかったくせに、なにが良かったのであろうか。寒冷紗?

「オナガカンアオイ 照葉?」
左となりの株と比べると同じ種とは思えないような質感。アツミカンアオイっぽいのだろうか。スズカにも似た感じのものがいたりもする。スズカと言えば、もう少し萼片が伸びてくればホシザキっぽいかと思えたり、そういう定向進化の傾向でもあるのだろか。あるいは奄美のカンアオイ群が種分化の途中にある「奄美群島で起きたカンアオイの急速な進化」(参照:京都大学)ように、同じような遺伝子セットでも柔軟に表現型を変化させることが出来るのかも知れない。

「雑種? オナガ×細辛(葵錦)」
細辛のような青軸(劣勢遺伝じゃなかったようだ)で、葉の表面の打ち込み(凸凹)もオナガっぽくないので戯れにやってみたヤツだと思う。何年たったんだろう。5年くらいか?花をみなければ確認できないがあと何年かかるんだろう。

「雑種? オナガ×細辛(葵錦)」
元々葉芸と花芸(超巨大花とか)の組み合わせを考えて始めたカンアオイ栽培だが、その品種改良はひたすらに根気がいりそうだ。チューリップ並みかも知れない。

「マエダカンアオイ 桃芯花」
オオフジノ並みのサイズだろうか。この草体に似合わぬ巨大な花である。これをさらに大型化させることが出来たら、一般受けする花卉としての需要は充分あるのだろうと思う。
葉芸と素心の組み合わせ(カントウ系以外のものも含まれる)の細辛に対して、クリスマスローズや雪割草的な花物交配寒葵のジャンルがあってもいいのかも知れない。

でもやらない。せっかく国内に自生地がある優位性がなくなるから。
ウチの自家産交配2個体も残しておけないだろうが、ちょっとかわいそうな気もする…

この個体は自然交雑種だろうと言う話であったが、人工交配種もあるので真実は良く分からない。マエダの総数が不明だが、もともと素心が多くないだろう中でオナガかミヤザキタイリンのどちらかの親がそれだったなんて偶然そうそうあるもんじゃない気もしないでもない。ただ前述の通り素心は劣勢遺伝ではなさそう。

細辛には江戸期から残る古典品種があって200年近く経っている訳だが、その間に絶えてしまった品種や同名異種となってしまっているものもあるそうだ。カンアオイの場合、増殖が悪かったり虚弱だったりする品種もあるだろうし、品種改良というよりむしろ老化してゆく銘品株の更新としてセルフの実生で同じような顔をした、そして可能ならばより良い個体群(=固定品種)が創り出せないかと考えている。

2017年5月14日日曜日

甘いのかわからん菌

「金山寺風」
紅麹だけじゃなく、いくつか他の菌まで生えてきた。完全にコンタミしておる。
白いもしゃもしゃしたのは最初に分離したヤツと同じ系統のものだと思う。赤いとフザリウムの可能性が・・・

怖くて味見なんてできねえや。
金山寺味噌のニオイも薄くなってきたような・・・・

それにしてもこの真っ黄色の胞子?(分生子?)。すごいな。この色で麹になるんであれば文字通りの黄麹だが。コウジカビだとするとアスペルギルス・オクラチェウスか、アスペルギルス・ヴェルシコロルというのが黄色くなる。あるいはケカビかもしれん。その場合人体に日和見感染するとある・・・

天然酵母のパンとか自家製酵母の食品とか本当に大丈夫なのか?
たとえば、糖をエサに増殖する菌なんていくらでもいると思うが、その安全性はどんなもんなんだろうね。

「ウグイス色の分離した方」
ニオイは金山寺風ではない。醤油麹の方とも違う。しかし色は醤油麹とそっくり。胞子の色が黄色がかってきた気はするので、上の黄色のヤツと同じものではあるのかも。

適当にやったわりには純粋培養できたっぽかったが、何回かニオイを確認するために開封してしまったせいかこっちもなんだか別の白いものが・・・ススカビなのか?

まあもし味見するならこっちだな。発ガン性とかないといいが。ススカビには病原性があるというが・・・


また、一度優占菌になって安定して更に完熟したら開封しちゃだめみたいだ。休眠状態にでもなるのか他の菌が乗ってしまう。たぶん、表面だけとるか、培地内部に混ぜ込んでしまえば増殖できなくなるとは思うのだが、余計なことになるといやなので放置。そろそろ実験は終わりかも。

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実験といえば、孵化したばかりの稚魚のブラインなし飼育に麹が使えそうだと書いたが、やっぱ無理だった。大きくしようと欲張って餌やりするとととたんに環境のバランスが崩れてコロニーが増殖してしまう。それがおそらく稚魚に良くない影響を与える。

あくまで勘だが、腸内細菌叢が置き換わってしまっているか、エラなどに取りついているかそんなところで腹部膨満か酸欠かが起きるようだ。水自体は澄んでいるが何かがおかしい。菌体をエサとして食べてくれることを期待したが、どうもそうじゃないっぽい。

まあ、この環境での生存魚を選抜すると言う手もあるのだろうが、ゆっくりと斃死してゆく予感。貴重な品種には使えないので、素直にブラインシュリンプを使った方がいいだろうな。

一週間程度まったく管理できない場合、ベアタンクでは不安なので、青水代わりに使えるかな?程度かも。

なお、粒エサを食べられる程度大きくなれば別に問題はなさそう。その場合も管理はベアタンクにした方が楽だと思うが安定しているかどうかまだよくわからない。今のところはまだ試行錯誤中なので改良していきたいと思っている。



マルバテイショウソウの実生

「マルバテイショウソウの自然実生」
九州産の「マルバテイショウソウ」(参照:筑波実験植物園)の自然実生株である。2~3年目くらいである。もう一株くらい庭のどこかで見た気がするが現在行方不明。

親個体は枯れてしまった。この子はウチの環境に適応したよう(閉鎖花からのセルフの筈だが遺伝子に余裕があるのかな)でこんなにデカくなった。下に写り込んでいるのは細辛の「皇陽」なので、カンアオイの2倍くらいのサイズである。

この葉の動物の毛革のような質感といい、青みを帯びた銀色に怪しげな亀甲葉脈といい、熱帯雨林にでも生えていそうなエキゾチックプラントであるのでその手のマニアにもアピールしそう。花はもちろん「テイショウソウ」と同じ花火みたいなやつである。

親株や参照元の写真から推測するにおそらく自生地では葉数は増えてもこんなに大型化しないのではないかと思われる。

「マルバテイショウソウの実生」
葉長12~13㎝といったところ。親株サイズのカンアオイ並みである。感触は獣の皮のよう。今年はちゃんと採種していっぱい実生したいと思う。

2017年5月7日日曜日

ユキモチソウの実生 2歳

「ユキモチソウの実生 2年目」
昨年は幼苗にも拘わらず全部花をつけてしまって戸惑ったが、今年は特になにも起こらず。何回か実生はしているが、いつも事故などでほぼ全滅(出たばかりの芽の上に土をかけられて生き埋めとか)しているので今回は地植えはやめてこのままでいこうと思っている。ものすごく窮屈になってしまいそうですまない。

以前は変わり物とかが欲しかったのだけど、実生してうじゃうじゃでてくるとわりとどうでもよくなってくる。雪餅草はそれだけで美しい。とは言え、葉模様のある親からの実生苗なので本当は葉模様で選抜したい。意外と遺伝してなくて残念。でもたぶん勿体なくて処分できないけど。


「ユキモチソウの実生 2年目」
ところで鋸歯のある葉があったりなかったりするが、若い苗にはあってもかならずしも継続しないようである。また紫墨色の斑点が出たり出なかったりする理由は分からない。

2017年5月4日木曜日

ハナアブ

ハナアブ
なんと累代繁殖させて温室で使われたこともあったと書かれている。同じことを考えた人もいたんだなあ。・・・でもなんで過去形? 

シマハナアブ
繁殖の方から逆引きしてシマハナアブであろうと特定した。

幼虫の薄気味悪い姿はどうしようもないので置いておくとして汚水で繁殖するのが嫌悪感の根源だろうと思い、冬の間秘密裡に酵母・麴等の発酵液中で養殖しようとしていたのだが… 失敗した。腸内で発酵して腹部膨満によって弱ってしまうみたい(良く分からないが本来半透明な体が蚕みたいになってた)。似たような方法でヨトウムシなどを枯草菌などで殺せるらしいと何かで読んだ気がするけどソースが見当たらない。

シマハナアブ
舌をぺろぺろ出し入れさせて花粉を舐めているようである。

2017年5月3日水曜日

甘い菌の培養と発酵肥料の失敗と稚魚飼育の省力化の件

「金山寺風 甘い菌」
糖化に適した菌株かどうか確認しようと分離培養した親株の方。見事にコンタミしてしまったようで、この通りピンク色。しかしかろうじて黄色とウグイス色が一部せめぎ合い生き残っている部分もある。臭いも麹っぽい香りと金山寺味噌風の香りが混じった感じ。おそらく表面に「紅麹」が乗っている状態なのだと思う。どこで入ったのか分からないがずっと培養を繰り返しているうちに、家や庭やそこらへんにあまねく胞子が漂っている状態になっているのではないかと思っている。

この紅麹も冬の間は増殖する気配を見せなかったのだが、今頃になってブクブクし始めてややアルコール香のある容器もあるので、おそらく春ごろの気温になると活性があがる菌なのだと思う。またもし酒麹(米麹)と同種であるのであれば交雑することもあるのかも知れない。あるいは、共生菌として取り込まれてしまったのか。というのも発酵しなかったため失敗したと思って甘酒麹を混ぜたものもあるのだ。

「分離の子」
金山寺味噌風のものを分離培養したもの。わずか一週間でこの状態。増殖が異様に速い。ドラフトもなく適当にやった割にはそこそこできておる。黄色の増殖は控えめ(負けている感じ→胞子の色?)。また白い菌も見え、こちらはウグイス色と同じではないかと思う。臭いは金山寺味噌風でなく、ひょっとするとこちらの分離したつもりのものは醤油麹かも知れない可能性があるが、そちらとも違う香り。ややマロン臭っぽいのでまた別の菌かも。


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さて、ここからが本題である。
魚にしても草にしても、できるだけ早く大きくしたいと言う欲が出てくる。そしていじくりまわして結局ダメにしてしまうというのは毎年のようにやっているが、今年もやっちまった。ただ、今までとは違うパターンである。

ちゃんと勉強しなければならないのだが適当な参考書がまだ見つからないので、とりあえずWikipediaの麹の頁を参照すると、麹はアスペルギルスを主体に他の菌との混合であるようなので上手く他種との共存共栄関係を形成してくれたのかも知れない。←あくまで勝手な妄想。

発酵肥料の場合、完全に菌相が遷移して枯草菌類が爆殖優占になった状態で猛烈にアンモニアを醸し出し、発酵熱が低くなり・・・で止まっている。完熟させて菌が死んでしまうと無機化してせっかくの菌活効果がなくなるとか、硫安があるので肥料効果もあるかと思ってみたら、大間違い。ここで使い始められる(鉢植え上で残りの酸化発酵が進む)と思い込んでしまったのが間違いであった。そんなに慌てずとも、たとえ菌相の変遷があっても、特定の菌が絶滅することはないのではないかと思っていた直観を信じれば良かった。

「アンモニア障害?」
発酵肥料を与えてから一晩で茶褐色に変色してしまった。
蒲公英や田平子の場合は触れた部分が茶褐色に変色していたが、それ以外は大丈夫そうだった。ヤマアジサイとヤマボウシはすべて枯れた。大島桜とツバキの場合は柔らかい新芽部分が集中的に黒茶変色し枯れ込んだ。

発芽したばかりの双葉や新芽は特に活性度が高く旺盛に呼吸し、気孔からアンモニアガスを吸い込んでしまったのだと推測している。爆殖中の納豆菌もまったく影響を与えなかったとも思えないが早すぎる。草体のサイズによって全身にアンモニアが回ってしまった場合、葉だけでは済まずに枯死(除草剤に応用できそうだが・・・)と言う作用機序でなかろうか。

施肥は栽培の基礎だと思うが、愚かにもまったく理解していなかった。草体には無害な菌による生物防御を狙ったつもりでいたが、それ以前に化学的障害をまったく考慮していなかった。以前は適当に油粕を無発酵のままやっており、カンアオイの特にタイリンなどはわりとへっちゃらだったりすることもあったが、達人にオナガには厳禁だと教えていただいた理由がここにきて理解できた。この大失敗(被害額は結構なものになりそう・・・)で、なにがどう悪かったのか、ようやく身に染みて分かった。

「カンアオイspの実生 施肥済」

発酵の度合いが違ったせいか、あるいはアンモニアガスに対する感受性が低いのか、こちらは特に変化が見られない。テンナンショウ類も鈍い傾向にあるようである。もしかするとハエなどを利用する植物の場合こういったガスが発生しうる腐生環境にも適応しているとか、栄養の流れが緩慢である(両者とも開花日数が長め)とかあるのかも知れない。

ゆえに一概にすべてがダメと言いきれる訳でもない。もう一つの懸念が菌自体の持つ寄生性で一定以上の高濃度で感染してしまう可能性である。こういうのはちゃんと分かった上でやれるのが一番だがその知識を仕入れてきてもここで再現性が期待できるか、ちゃんと理解できるかもちょっとあやしい。

「稚魚水槽」
また麹は藻類とも共生できるようである。すごく変なことを言っているかも知れないけれどもそのように見える。スターリングの短編「巣」みたいなイメージ。過去何年も肥育してきて、濾過細菌ならアンモニア臭のするドロドロの汚水になっているような状態でも、もやもやした灰白色のコロニーを形成しかつ藻類の発生と対立しない。どういう回路で尿素等を何に変換しているのだろう。

これを応用すると、粉末餌のみでも歩留まりも良い。ちょうど一ヶ月経ったが、(体感で)ブラインシュリンプでも実は極端にサイズが変わらなかった(1~2週間でやめるつもりがずっと沸かし続ける羽目になったので記憶違いでないと思う)。さすがにまだ粒エサに切り替えるには早いので、時間は多少かかるし生育も少しバラつくがそこそこはやく成長させられる。孵化した時に腐乱した未熟卵の水を捨ててから以降換水しなくも朝夕2回の給餌でこの透明度。親魚と同じケアをすればいいので大量の水槽管理も楽ちんである。

しかし、エサの加減を誤りダブルチェックの水質の確認を怠って制御不能に陥れば酸欠とアンモニア(濾過細菌が優勢になる模様。エアレーションしていても発生するので極端な酸欠と言うよりはPHの急変に耐えられないらしい金魚の突然死が始まる。増殖した菌がエラを塞いでしまうような物理的ダメージの可能性もあるがよく分からない。エラは白濁でなく暗褐色になる傾向)障害が発生する。逆に言えば、常に80%ぐらいの加減で運用していけば余裕だろう。どうせギリギリを攻めちゃって慌てふためくのだから。

以上、全然違うことをやっているようでいて発酵腐敗という部分で密接に関わっていると推測できる事例でありました。