ボトルがパンパンに膨らんでしまったので圧を逃がそうとしてキャップを緩めたら、すぐに鼻水あるいは痰状の粘液が溢れだし詰まってしまったので、もう少しもう少しと緩めていった途端の出来事である。あっと思う間もなくキャップがすっ飛んで行った。むろん中身ごとである。
だから外で開けろと言う教訓を自分で生かせないのが悔しい。
しかも2度も部屋の中でぶちまけてしまった・・・
ただ、不幸中の幸いでヤバイ事実に気づいた。
液が塩辛いのである。
いや、べつに舐めたくてなめたんじゃなくて、たまたましかし激烈に飛沫が顔に噴きかかったのですが。アミノ酸の旨味成分か?と思って乾燥ワカメの袋を見ると塩蔵とか書いてあるじゃん・・・。自分で食わないから味なんて見てません。ヨウ素源として金魚に与えていた時も、少ししかやらなかったのでぜんぜん気づかなかった。問題はどれぐらいの塩分が添加されているのか分からんことである。
最大で10mlくらいを1000mlに希釈して散布しているたのですぐに塩害が出るレベルではないと思いたいが、やはり心配なので植物にとって塩化ナトリウムの影響がどんなものか調べてみた。
有用そうなのが
塩で農作物の病気治療(参照:塩情報は橋本壽夫氏)
植物の塩化ナトリウムによる影響について(参照:日本植物生理学会)
農業による塩の利用(参照:北野雅治氏)
塩嫌いな植物たち(参照:?トップページリンク切れ)
で具体的には、塩への耐性のある植物とそうでないものがある。
「アイスプラント」みたいに過剰の塩分を排出できるものもいるし、塩ではなくリンゴ酸カルシウム(塩の代用品として透析患者に用いられることがあるそうな)だが「ヌルデ」(参照:月刊杉web版)みたいな植物もいる。
まあつまり、野菜類では塩が肥料として使われることもあるらしいと言うことである。海洋深層水とか脱塩もしないで散布しているのか不思議でならなかったけど、海水のまま撒いているんなら納得。
で、おそらくこう言うのを繊細な山野草に適用すると失敗するので即時投与中止。
脱塩の方法が、茹でたジャガイモを入れるくらいしか思いつかないのでかなり希釈して少しづつ与えるか、やはり廃棄か。液がとろ~りというかナメクジが出すような強力な粘液あるいはヌタウナギのスライム状のアレ然としていて多糖類な感じがするので栄養にはなると思うのだが。あるいは保湿剤とかで化粧品なんかにも使えたりして。
しかし一体どんな反応すればこんな物体に変質するのであろうか。最初に心太を作ったり、蒟蒻を思いついたりした人も、こう言う訳の分からん実験をしちゃってたりしたのかも知れんとか思ったり。
いずれにせよ、酵母液を作りなおそうと思う。ラン菌類は葉面散布時に悪影響があるし、スプレーではそれが避けられないので、葉面酵母が一番だろう。ツバキ葉の灰から麹菌を採取するらしいし。
ここの所いろいろなもので天然酵母の育成を試みているのだが、基本的にはどんな葉や果物にも何かしらいるものである。そして、どうも「足場」があると増殖が良好であることも分かってきた。
「バナナ葉酵母」 耐寒性のあるバナナを実生して何年も経つのだが3mくらいになっただろうか。ようやく花がついたが人工授粉が上手くゆかなかったのか結実せず。夢見ていた実はあきらめて蕾を炒めて食ってみたら悪くない。皮だけのとうもろこしと言うか、ちょっとアーティチョークやたけのこを彷彿とさせるものであった気がする。 まあ、それはともかくバナナの葉(寒波で全部枯れる前に収穫)を一枚糖液に漬け込んだものである。葉っぱの枯れた匂い、変な茶のような感じである。正直微妙にくさい。しかも、すっぱい刺激臭までするようになった。少々ピクルス風でもある。乳酸菌発酵であるのかも知れない。発酵による気泡が大量に出る。 他にも「タニワタリ(大か小か、国内種かどうかもよく分からん)の獅子葉」と「木立アロエの斑入り」の天然酵母を作っているが、シダの方はぜんぜん発酵が進まない。酵母があまり住み着かないのかも知れん。「リュウビンタイ」がほのかに甘い香りがするのでそっちの方が良かったかも。寒波で枯れ込んでしまったのだが、どうも桜葉(クマリン)の香りらしきものがする。オキナワウラボシがハワイで利用されているそうなのだが同じ理屈であるのだろうか。まあ、しかしリュウビンタイの貴重な葉で遊びたくなかったのである。ここ数年へっちゃらであったのにまさか暖冬の今季冬越し失敗するとは思わず・・・無念。 一方のアロエであるが、これは大成功であった。甘い香りも良いし、多肉質の草体が足場となって発酵を促すようで、葉をみっちり詰め込んでいる訳でもないのに順調に白濁。 |
勝手に「足場」と呼んでいるが、この場合大量の植物体(葉や茎、果実)のことでそれ自体が菌の栄養源にはならないが、定着するための住処になっているのだと思う。単純に上澄み液に砂糖を添加したものとは増殖率が格段に違う。
ようは濾過細菌における濾過砂利のようなものである。多孔質の火山礫なんかも実は使えるのではないかと思うし、ひょっとすると「富士砂」や「日向砂」に糖液を追加するだけでもなにかの発酵は促せるんじゃないかと踏んでいる。ただ、土壌細菌は有用菌ばかりではないかも知れない。
というのもどうやら市販の鹿沼土に白絹病の原因菌がいる場合があるんじゃないかと感じるからである。開封したばかりの新品の用土に塩素入の水道水で植え替えてすぐのしかも低温期のカンアオイが発病するのはあまりにもおかしい。そうでないならカンアオイ自体が白絹病を持っているかだ。しかもバリダシン液剤を散布していても起きたことすらある。購入品も山採り品もそれが起きるとなるともはや用土自体の汚染(あるいは自然界に常在)があったと考えるのが妥当ではないのか。
まあ、金魚にしても購入直後の個体がなんにもせずに、餌もやらず、清浄な水で衰弱してゆくこともあるので、移動や環境変化のストレスが引き金となって免疫力低下が起きることがあるのだろうが、こうなると検疫もクソもなく受け入れ側としては為す術がないではないか。
それでもブリーダーとしては手をこまねいている訳にはゆかぬ。誰だって金魚を殺すために入手するわけじゃないんだから。まあ、調理する為に買う人も中にはいるかも知れんが、それにしたって病魚を食うのは躊躇われるのではないか。まかり間違っても新型ウィルスを己の体内で合成したくなんかなかろうし。
体力低下時には点滴なんて手段もあるが、あれは基本的にブドウ糖と塩だ。金魚の塩水治療も常識だが、それに砂糖を混ぜたら効いたりするのだろうか?魚体に付着した菌類を活性化させないか心配なのであまり実験したくはないのだが、濾過なしベアタンクならリスクは少ない。
ただ、発病中のカンアオイへの糖分補給はバリダシンの作用機序から考えても逆効果でしかなさそうだ。治癒できるかどうか試してみていたが、白絹と思われるシストが出来るだけで進行を抑える効果は全くなさそうである。よく菌に侵されたカンアオイを掘り返すと根っこだけバラバラに残っており、それを束ねていた根茎部分が溶けているのだが、まさにその状態。つまり、発病したら廃棄するしかないようだ。せめて、根っこの部分から再生できないものかと水苔に植え込んだりもしたけれど未だ成功せず。やはり根茎が命なのだろう。
カンアオイは水耕栽培すると発病しにくい(実験的な栽培法だそうであって通常ではないが)と達人にお教えいただいたことがある。最初期にずっと腰水で育てていたことがあるが、用土はない方が雑菌の侵入が防げるのかも知れない。少なくとも低酸素下のどぶ漬けで白絹病は生存出来ないので、その意味では安全だろうと思う。これに水耕栽培用の液肥が使えるのかどうかは知らない。なおカンアオイは肥培し過ぎると作落ちすることがある種類もいるそうです。
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