2016年3月27日日曜日

ちび雪餅草

「徳島産のユキモチソウの実生」
やはり「カラスビシャク」大ではあるものの開花しているのは間違いない。
これは上手くやったのか?そうでないのか?

「餅」
付属体がはみ出している。

「奇花?」
餅がデカすぎて入りきらなかったのかと思ったら、仏炎苞がないようである。固定できたら面白いな。分球はほとんどしないので増殖できるかすら怪しいが・・・

「ユキモチソウ実生」
ピンぼけではありますが、サイズは良く分かると思うので。

「素心」はなさそう。ユキモチソウは素体が充分に良い花であるし、素心のユキモチソウは普通の天南星っぽくて今一。うるみ花だったらほしいけれど。このあたりちょっと尾長寒葵にも通ずる。花物は肥培や環境によって発色がまちまちだったりするのも理由の一つ。もっともまだ高価なので出てきたら喜ぶだろうけど。葉芸品の方がいいな。

なお、冬越しはこの実生鉢に入れたままやった。水も若干は控えたがカンアオイに与えるときについでに与えたのでほぼ普通の管理。

腐れを恐れて掘りあげて籾殻(炭化させてない生の方)の中に入れてつるしておいたことがあるが、カビてしまったこともある。たぶん一度菌に侵されるとダメなものはダメなのだろう。球根類の外皮は相当丈夫らしく、ジャガイモの皮なんかは水に入れていても濾過細菌ですら分解できないので(あれってセルロースナノファイバーなんかに通じる性能なのだろうか?)、まず球に傷をつけないとかの方が重要なのかも知れない。また過湿は問題外だろうが、乾燥や寒さもダメなのかも。とりあえず、面倒だし来季も問題なさそうならば植えっぱなしでゆく。

昨年カビで腐ってしまった姫ウラシマソウの鉢の生き残りをバリダシンを塗布して再埋込したものからちゃんと葉が出てきた。どうやら銀葉の方は出てきていないようなので抵抗力のある株とないのとかもあるのかも知れない。ランに限らずウィルスのキャリア株が存在するのかも・・・と思ったがそうでもない気もする。全滅に近い鉢の中でも何故か行き残るカンアオイがいたりするので、たまたま感染しなかったのか強いのか、そもそも軟腐病と白絹病とか同じ腐る病気でも違ったりするのか魚病と同じくまだよくわからない。

アオキ 両性花?

「アオキ満月 メス)」
「雌花」
雌雄異株のアオキにとって本来メス木にはない筈(正面左側の花が通常)の雄蕊と思われるものが、正面の花の雌蕊の下に出来ている。先祖返りなのだろうか?これが機能することもあるのなら自家受粉もあり得るのだろう。
花粉が出ているのかどうかは良くわからないが、人工授粉もどきはしておいた。

「アオキ斑入り(オス) 雄花」

雄蕊しかないが、雌花のそれとは形態が異なる。

2016年3月26日土曜日

梵天金魚

「梵天の赤花」
やけに艶っぽく撮れていますが、狙ったわけでなく本当にこんな感じの暗紅色。ちょっと後期King Crimsonのジャケ*っぽい色。

「金魚葉椿の赤花」
手前の金魚葉に焦点が合ってしまっている上に未開花なのだが八重花であるのは分かる。

「梵天白 (ぼんてんじろ)」
金魚椿の白花と似ているように見えるが、雌蕊がみっちりとしていて椿らしい。

「金魚葉椿の白花」
実物を見ると梵天と金魚に違いがあるのを感じるのだが、こうして写真で花だけを比較してみるとそっくりだな。白梵天には金魚葉も出て、白金魚には普通葉も出る。ある意味下位互換。しかし、木姿はまったく異なるようで、梵天はいわゆる普通の椿っぽいが、金魚は枝が細く多く出て枝垂れかける。どちらが良いのかはお好みでとしか言えん。両方あれば比較と相互交換で実生は出来るね。

なお八重咲の金魚椿だと思っていたものは「白牡丹金魚葉椿」であるようだ。「ボンテン白宝珠」と言う品種である可能性も考えたが、花形が違うようである。

「梵天白」   親不明の自然実生。1985年に野田卯一郎氏の命名発表。梵天葉、中型。白色一重、大輪。
「梵天白宝珠」 梵天白の自然実生。1988年に岩本俊数氏の作出・発表。金魚葉に梵天葉が混じるがやや不安定。白色の宝珠咲。中輪。「参照:日本ツバキ・サザンカ名鑑
「白牡丹金魚葉椿」 横山三郎氏によると東京都世田谷区にて1962年発見。 楕円、金魚葉、大型。 白色の牡丹~獅子咲、散しべ大輪。 


[King Crimson Discipline]

*このレコードジャケットのデザイナーの人はこの深紅(色見本だと伊仏系のくすんだ赤の方がジャケットに近く、和色だと濃赤色深緋が適確か?)の色を決めるのに時間をかけたんじゃないのかなあと思ってきたがニューオーダーとかもっやてるそうだし英国の人か。どうりで米国っぽくない色合い。内容もそんなに米国的ではないがしいて言うなら歌声とシンセドラムの音色が悪いのか?

未だにエイドリアン・ブリューには思いっきり80年代的な能天気なアメリカ人みたいなイメージしかなくどうしてもプクプクポンでとかディグダグ2あたりのCMやニューロマンサーや細野晴臣と同期してしまう。当時のセガをはじめ全体的に大なり小なりメジャー(になりつつあった)ビデオゲームメーカーはアメリカンな香りがしたものだった。輸出で稼いだとするとクールジャパンの先駆けみたいなもんだったのかな。それがバブル期のTAITOのシュールなヘンテコベルトアクションゲームのプリルラにはブリューのソロ曲をサンプルしたと思しきモンドなBGMも入ってた。

恐竜的進化を続けたアーケード筐体に対して、地味なPCでは「リザード」とか「アスピック」なんてゲームもあった。楽曲の音響から漠然と北アフリカをイメージしていたが、「アスプクサリヘビ」は欧州一の毒蛇だそうで、特に民族音楽や肉ゼリーとの関係を深読しなくても、単純に食われてる描写であるような気がしないでもない・・・。クロスやミューアの音彩が中近東的なだけで。またフリップにしてもホールトーン音階がアラブっぽいだけで元来クラッシック傾向のある人でそれほど民族音楽に興味があるようではない気もする。折角リミティのアルバムに参加しているにもかかわらず、おそらくプロデューサーや我々の期待した戦慄ギタートーンではなく、サウンドスケイプとか何やってんの。目立つのはレッチリのフリーのベースとBill Rheaって人の戦慄バイオリンという・・やり散らかして奇跡が起きたのはギターシンセの「ヒーローズ」だけだったな。

ブリューの比較的最近の(2005年だけどあまり聴かれてなさそうな)ソロアルバム「Side One」は、彼のソロが好きな人にはお勧め。「Elephants」なんて曲もあって嬉しい。もうアナログギターシンセなんて使えなくなってしまったんだろうけど、ちょびっとゾウが啼いている。オーネット・コールマンに対するジェイムズ・ブラッド・ウルマー的なアルバムでおかしくなってる本家よりもリスナーが聴きたがってる要素があるんじゃないかと思える部分が少なからずあると言う・・・

また今年初めにデヴィッド・ボウイ亡くなってしまった(最近のクリムゾンでは「ヒーローズ」をカバーしていておかしいとは思ってたんだが癌だったとは・・・)けど、ブリューには彼の影響が焼き付いているようで所々でボウイを彷彿とさせる部分がある。ボウイが大参加(歌&提供)している「Young Lions」(1990)では後期クリムゾンの「Heart Beat」も演っていた。

あと、クリムゾンの旧譜がプラチナSHMCDで間もなく再発されるそうだ。ディスクユニオンでは特製BOX付とのことで、ちょっと心が動く。「太陽と戦慄」は4月か。リマスター前のCDの音が一番ドライに聞こえたので好きだったが、そのあとの盤は低音のバランスが今一気に入らない。次はどうなのかなぁ。

2016年3月21日月曜日

イズセンリョウの開花

「イズセンリョウ」
九州産の山採り斑入りの半ツル性の常緑樹木。クリーム糸のほぼ米粒サイズの花である。
開花してみると花型が「シマイズセンリョウ」ではないので、ただの「イズセンリョウ」(参照:三河の植物観察さん)だろうと結論付けてはみてみた。

昨年の12月初めから蕾の状態で今頃になってようやく開花した。


「花 拡大」


中央に雌蕊、その周囲に茶色の雄蕊らしいものが確認できるので雌雄異株(参照:筑波実験植物園)ではなさそうなのだが、オレの理解力のなさが問題なのだろうか・・・。参照頁によってその記述もあったりなかったりするのでよくわからない。
全然使わずに片付けてしまった拡大鏡がみあたらないのでこれが手持ちのカメラの限界。ピンセットで挟んでいるが幅2ミリしかない。

「花 分解」
雄蕊らしきものは花弁にくっついて取れてしまった、雌蕊らしきものは萼に残っている。

天然酵母の発泡

地金x主文金系のオーロラ型(東海錦にも似ているが透明鱗)の金魚の生き残り3尾のうちの1尾が死んだ。この3尾は極端に虚弱で、いつも最初に病気になりそのたびに完全換水でしのいできた。

水温を合わせて~とか言われるが、瀕死の金魚の場合温度合わせに時間をかけるよりも可及的速やかに酸素豊富で清浄な水に入れてしまう方が重要である。

とにかく、金魚の様子は出来るだけ毎日確認して、ちょっとでもおかしい動きをしたら即換水。これに限る。よっぽど重篤でなければ塩も薬もいらない。というか結果に大差がなかったし、かなり瀕死状態でも救える場合がある。と言っても発病から3日以上経ったらまず手遅れなので、そこは覚悟の上で。

つまり何年も飼育していて結局換水に勝る飼育法はないと悟りはしたのだが、問題はそれでも何度も病気になることだ。そしてそれを放置しておくと他の金魚にまで感染が拡大してしまう。残念ながらそれを救うことは出来てもそういう魚を親にするのは無理っぽい。そもそも痩せていたりしてどうも見劣りするのだが、ここは耐えて交配を続けるべきなのかやり直すべきなのか悩む。

しかし、病気に弱いのも問題だが、もし病気になるのならワクチンとは言わないまでもその病原菌自体を発生しにくい環境には出来ないものだろうか?とはだれでも思う筈で、底面濾過で濾過砂利をいじらないというのは一つの方法である。浄水場の緩速濾過ではウィルスも除去できるそうだ。まあ、大量の餌をやらねばならぬ金魚飼育では濾過と言っても限界があるのだが・・・

🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡🐡

この防疫方法を植物にも応用できないかと思って、酵母や光合成細菌の培養実験をしてきたのだが、PSBは冬はダメだ。温度が低いとほとんど増殖しない。たぶん最低気温が16度以上くらいにならないと活性化しないんじゃないかと思う。最高温度が初夏並み程度では足りないらしい。

要するに、濾過槽の中でも同じことが起きてる可能性大なのである。金魚の夏冬用の餌の適温や、ヒーター設定温度の下限というのは(エコとか機材の特性の可能性もあるが)経験的にそれぐらいで濾過細菌=金魚の腸内細菌も?が動き出すとかいうことではないのだろうか?


また、悪臭のする肥料は室内で爆発するとエライコッチャになるので、もっぱら植物の葉の表面に生息している天然酵母なんかを培養していた。屋内ではあるが特に加温はしていない。最初は雑菌が沸いてきたら取り除かないと負けるかも知れないが、いったん優先菌になるとちょっと蓋を開けたくらいではコンタミは起きない(麹屋さんを見よ。雑菌だらけの素手で掻き雑ぜてもへっちゃらなんだから)から、無菌培養みたいに神経質になる必要もない。

要するに、これと同じことをしたかったのだ。草体には無害な菌を優先化させて土壌や植物を保護する。連作障害を上手く乗り越えるための技術の一つでもある。でも、これってキノコの胞子にも効果あるのだろうか・・・

魚の場合は汚泥水槽で、これは濾過細菌優先。ただし、魚種を選ぶ場合があるのでまだまだ十分じゃあない。摂餌量にもよるだろうが、それなりの水量や濾過面積も必要だろう。結局、餌やりを控えて、虚弱種を隔離するようになってしまったので、出来るかどうかわからないがまだ改良の余地がある。

「天然酵母 斑入りの木立アロエから採取」
「草体保護」兼「液肥」用に使えないかと試作してきたものだが、発泡がすごくてパンパンに膨らんでしまっている。市販の炭酸水やスパークリングワインとかほぼ同じ状態。なぜ炭酸水ボトルの形状がこれ(お茶用)ではないのかがよく分かる。ちょっと蓋を緩めると噴き出しそうになる。本物のイースト菌は相当な選抜種菌だろうからとても敵わないだろうけれど、これだけ泡が出るのなら手作りパンぐらいになら代替品として使えるのかも。

「アロエ酵母 拡大 シュワシュワしてます」
アロエをチョップして砂糖水に漬け込んだだけなので、興味があれば誰でも出来るよ。おそらくサボテン・多肉植物とか果実とかの方がただの葉っぱよりも良いよ。葉っぱだけだとどうも上手く発酵しない。多肉好きの女子とかなら剪定枝とかの再利用にもなるんじゃないかね。ただ、烏羽玉類はやったら絶対ダメだと思う。

「山土の発酵液」
最初は透明度が高くもっと泡立っていたのだが、だんだん琥珀色に濁ってきた。発酵液に特有の色合いのようであるが、同種なのか?

10年くらい寝かせておけば山土のウヰスキーになるかもね。

「山土 発酵水 拡大」
まあちょっとは泡が出ている。放線菌とかいろんな菌がいるのかも知れないが、糖で増殖する奴しか増えてない筈だけど。

2016年3月20日日曜日

カシポオキナグサ

「カシポオキナグサ 開花初日」
山野草を始める直接のきっかけは金魚葉の椿や綴化したサボテン多肉、特に南アフリカ産の美しくも奇妙な山野草などと変わりモノにも匹敵する驚異の江戸古典園芸品種・・・少なくとも江戸期までは爛熟した閉鎖社会だったせいか、極まったマニアが主導したせいか独特な感性による奇品も珍重され、それは清王朝末期の奇天烈な中国宮廷金魚にも通じるものがあり、旧少年によくある好奇心を誘ったわけだが、エーデルワイスのような現地にまでわざわざ観察しに行くことは決してないであろう高山植物まで平地で栽培できるということも衝撃的であった。

そんな訳でウスユキソウの仲間が結構好き(モフモフしていてよく見るとエイリアンみたいな花であるのが主な理由だったりするが・・・)なのだが、北海道のナーサリーのリストを見ているうちにやっぱり翁草に辿り着く訳ですよ。幻の花とか言われたらそりゃあ実物を見たくなるじゃないですか。まあ、高山植物というよりは寒冷地の植物なのかも知れないけど。

しかし、沖縄の次に暖地であるらしい静岡ではなかなか夏越しが厳しい。アルペンガーデンやまくさの園主さんなんかは埼玉で地植えされてるようだからひょっとすると出来るか?と怖いもの知らずの栽培初期には思ったが、ドシロートがプロの技を安易にマネしても上手くいくはずないのである。失敗してはあきらめて、ふとした拍子に再挑戦とか数年おきに繰り返して、それでもちょっとずつは栽培技能(水遣りのタイミングと施肥と適切な置き場所の把握)が進歩してきたので、まあ今年は頑張りますよ。 やる気が続く間は・・・。


「カシポオキナグサ」
開花の日時はあまり参考にならないと思うが、花芽が上がってきてから展開まで2~3週はかかっている。開いた当日は花粉を吹かない。最初の写真を見れば雄蕊が硬いのが分かる。


「カシポオキナグサ 開花2日目 花粉が出てきた」
開花の翌日にならないと花粉が出ないことが分かった。自家受粉はしないらしい(参照:マンションで世界の花を楽しむさん)のですが、とりあえず綿棒でポンポンしておいた。

湯沢園芸さんのサンプル写真だと毛皮のフードをまとった青紫に黄色の花粉が目立つ幻想的な北国の花って感じなのだが、実際には思ったほど青みが強くなくべたっとした薄紫の色合いである。やはり本来の場所で咲くのとはちょっと違うのかね。

「別のカメラで撮影」

カメラによってハイライトの感度が違う(画素数が足りてなくて分解出来てないだけ?)のか、別のカメラで撮影するとやけに毛が目立ったりする。
写真自体は青みがかっていても花が青っぽいわけではないようだ。


2016年3月19日土曜日

実生のつづきの3

「東海蒲公英 黒葉の実生」
もうちゃんと根付いたようだ。この曙斑的覆輪は今のところ3株に確認できる。

「トウカイタンポポの花蕾」
ちょっとググれば見つかるが念のためこれがトウカイの蕾である。エゾ系とは全然違うしセイヨウタンポポとも全く異なり仏手柑っぽい。慣れればドライブしながらでもセイヨウとの区別はつくようになる(セイヨウの花の方が豪華で大きい傾向がある)がタンポポに興味のない人でもこれなら違いがわかるだろう。

「シロバナタンポポ 静岡産」
シロバナに地域変異があるのかどうかは分からないが、ギンブナみたいにクローンごとの群があるのかも。トウカイタンポポと葉型で区別するのは無理だが、蕾でも違うのは分かるね。
これも実生苗の筈なんだが、どれがどれだかよくわからなくなってしまった。だいたい同じ遺伝子のものを区別する意味があるのかないのかも疑問だ。地植えするといつの間にか消えてしまうことがあるので寿命があるのかも。鉢植えの方が長持ちする気はするが、減っている気もする。場所によってはゆっくりと増殖したみたいだが、意外と弱く放置すると絶えてしまうかも。
発芽率が良くないせいか勝手に生えてくることはウチの庭ではほぼない。出てくるのはのはトウカイかセイヨウだけだ。エゾは気を付けてまき散らさないようにしていたから良くわからん。

「シロバナタンポポ 静岡 日本平産の実生」

「キレンゲショウマ実生」
本葉が展開し始めた。やはり斑入り株がいくつかある。やけに多いので親が中斑の可能性があるね。
とか思ったのだが、注意深く観察してみると、本葉が3枚展開しているのがいる。・・・どうもこれはどこからか斑入りの種子を飛ばしてくれた奴がいるのだ。だから、鉢のすみっこの蒔いてない筈の所から出てきたりしたのだ。
播種して一ヶ月以内にこんなことの出来る植物と言ったら一つしかないね。

[タチツボスミレ(?)の斑入り]
「斑入り」である。フイリに非ず。植えてもいない。親株はかなり離れた場所にあった筈だが勝手に生えてきたもの。なお、名札には「エイザンスミレ」とある。葉型を見りゃ一目瞭然だがエイザンスミレである訳がない。札が刺さっていてもこんな有様ではなにがどれなのか分からなくなってしまう。ここには元々斑入りのエイザンスミレの実生苗があったのだが、白すぎたのか環境が合わなかったのか(ユキモチソウに合わせた)ぜんぜん成長しなくてほとんど絶えてしまった。

「発芽」
おそらくこの個体の種由来のものだと思うが確証はないが、キレンゲショウマの実生床の奴と同じみたいだ。

「ユキモチソウの実生」
なんとこれ花だよね?中央の緑色のやつが本葉の筈だからまだ実生2年目ですよ。「カラスビシャク」のようなおっそろしく小さい2~3センチの花がうじゃうじゃ出てきた。雪餅草の実生はここ数年で何回かやったけどこんなの初めて。一才性ってやつだろうか?

親株はフイリ(斑入りに非ず。模様葉と言った方がいいがスミレ等での慣例に従い)葉であったので期待したいが昨年の段階では銀葉などは確認できず。

「ヤマアジサイとキノコ」
周囲の小さな双葉は昨年発芽しなかった種子であると思う。あんな芥子粒みたいな種子なのに2年も耐久するとはすごい生命力である。この株はやけに丈が詰まっている気がするだけのものだが、とりあえず定点観測。ツバキキンカクチャワンタケはいらないがこの調子だと毎年アジサイの枯葉を餌に生えてくるんだろうな・・・

「チャワンタケの仲間?の菌核」
また、葉が枯れこんできた尾長カンアオイの鉢があって、おかしいと思ってみたら、なんとこいつの菌核が入っていた。今年は一鉢も落とさずに越せたみたいと喜んでいた矢先にこれである。ショックのあまり寝込んでしまいそうだ。一番気を付けていた棚だったのにも関わらずこうなるともはや全滅も頭によぎる。

最大1㎝程度(嫌悪感が先だって巨大に感じたのか、乾燥すると縮んでしまうのか、再度見返してみると大して大きくなかった。これとは別に根茎みたいなものを発達させたりするのかも?)の子猫の糞かカリントウのカケラ。あるいはしょぼくれたアサガオかユウガオかなんかの種みたいな感じである。結構硬めで乾くとまったく小石にしか見えないので、撮影用に濡らしてみた。時折根っこすら残っていないことがあったが、此奴のせいだったのか。根茎の一部とカンアオイ特有のあの清涼感のある匂いしか残っていない・・・。

アジサイ類みたいな樹木であれば耐えられるのかも知れないが、草ではダメなのか、たまたま腐ったカンアオイに寄生したのか、寄生されたので腐ったのか。いずれにせよ不気味でしかたない。
灌水のたびに周りの何十という鉢にも胞子が飛び散っていても不思議ではなく、最悪の事態が起きないことを祈るしかない・・・・

PSBは菌核病の抑制には効果があるのだろうか・・・?

「斑入りコシアブラの実生」
親株は覆輪だったイワレンゲの実生株が勝手に生えてきてしまっているが、主役は「コシアブラ」。
山菜の斑入りはいろいろあって、フキに始まりタラやらウドやらアシタバやらコゴミにゼンマイ(かなりレアでほぼ出回ってない。獅子葉のものは安価で普及している)、あまり聞きなれないがミズなどもある。実生や増殖が容易なものは価格もこなれているが、ものによってはまだ稀少でかなり高額で取引されているものもありなかなか手が出ない。

この親株は斑入りのコシアブラだそうだが、種を蒔いて2年目の春にようやく発芽する。というわけでまあ出てきてくれただけでもありがたいが、やっぱりそう簡単には斑入りになっちゃくれんね・・・

以前山菜としてコシアブラの苗を購入したのだが夏越しがうまくゆかなくて全部腐ってしまった。こんどは実生品だからまあ環境にも適応できそうだし、斑入りでなくてとも食える!と割り切ろうか・・・

テイショウソウの実生のつづき

「キッコウハグマの実生品」 
「これはキッコウハグマじゃないよね。たぶん」 
テイショウソウと並んで生えていたキッコウハグマから採取してきた種子から生えてきたもの。ずっとマツバランやベニシュスランと同様に屋内管理をしていた。状態はすこぶる良好で、塩肥料にも負けず本葉は丸まらない。だがしかし、これキッコウハグマではなさそう。すでに親株と同程度の大きさの葉になっているんじゃないだろうか。このままではもっと大きくなりそうだし種子採取時にも思っていたことだが、これこそが「ヒロハテイショウソウ」と呼ばれている植物ではないかと思う。

なお「ヒロハテイショウソウ」であるが、検索して出てくる画像をみるとテイショウソウにしては葉模様が薄かったり、模様がなかったりするものがある。変種にしては姿が違いすぎやしないだろうか?これはやはり「テイショウソウ」と「キッコウハグマ」等の交雑種で合ってるんじゃないのだろうかとの思いを強くする。あるいはキッコウハグマを肥培すると「ヒロハテイショウソウ」状になるとか?


それとなんとキッコウハグマは閉鎖花(参照:花・花・floraさん)もつけるらしい。となると開放花の方の種でいいのかな?

「テイショウソウの実生 直射日光下」 
直射日光と寒風下に置いたもの。頑強な個体選抜を目指したのだがやり過ぎた。ただもし本当に環境によって実生個体が進化・変化するきっかけになるのであれば、栽培品種化する上でやむを得ないか。根は枯れてはいないようなのでもう少し暖かくなって本葉が展開してくれることを期待している。

こちらの方にも「テイショウソウ」の母体から採取した交雑種子が含まれていると思うので予後の観察を続けたい。



「テイショウソウの実生 日よけ下」 
棚下のいわゆる山野草栽培所的な場所に置いたもの。まあこんなものでしょう。温室があった方が早く元気に育つことだけはよおく分かった。ただし虚弱体質にならないかどうかは今後の夏越し以降にかかっている。

どっちがいいのかね。まだわからんね。

2016年3月16日水曜日

三月の椿のつづき

「弁天玉之浦」
「玉之浦」の弁天葉タイプ。玉之浦は力がつかないとあの超有名な🌸にならないとは聞いていたが本当らしい。待望の玉之浦の初花にも関わらず寒さのせいか痛みもあって(ツバキキンカクチャワンタケが原因かも?)感動がない・・・やはり原種。いかにも「山野草」的である。
全体的にひょろひょろとしていて枝垂れがかっているのであんまり姿がよくないし、キレイな庭椿が欲しいのならば「友の浦」の方が良さそうだよ。


なお「バッテン玉之浦」と言う登録品種もあり、混同されていないかちょっと心配になった。

「バッテン玉之浦」(長崎)紅色、一重、筒~ラッパ咲、極小輪、小型の弁天葉。(参照:最新日本ツバキ図鑑)

「弁天玉之浦」
この覆輪芸がさらに冴えると錦葉覆輪一休みたいになるのだろう。枝変わりに期待。

「梵天 桃花」
確認したら札には「桃弁天」って自分で打ってあった。が、金魚葉だし「梵天」の間違いだな。山野草についてまだあんまり詳しくない頃の仕業だからしょうがなくもないが札違いは我ながらいけない。とにかく問題は「梵天葉」が出てないことである。「金魚椿の桃花」かも知れない。金魚葉の固定率は良好でほぼ全葉。花もやや薄目で桃色ではある。

「聚楽金魚」
もう一輪咲いたけれど、本芸でないようだし痛みもあって今一つ。

2016年3月14日月曜日

実生のつづきのつづき

さすがに新しいPCは軽々している。でも動画を扱おうとするとやっぱり重くなるのはソフトのせいか?最近じゃアプリというのか。とまれこりゃシーケンサーもダメだろうなもう動くかすらわからんけど。これまで音楽関係のソフトのインストールをしてきたが、今回全然入れてないし、増設とか面倒なのでそこそこなスペックなものにしたせいで移行の手間もなく移行前とほとんど変わんない。まあ、早々に入れたクラシックシェルのおかげもあるけど。スマホやタブレットだけで済んじゃう時代になったんだなあ。結局みなさんはどんな使い方してるんですかね。ショッピングと動画音楽鑑賞だけならPCなんていらなさそうではある。

古典SFのレトロフューチャーが実現しそうにないように、サイバーパンクも違う方向にゆくのであろうか。サルの脳に電極くっつけてカーソル動かすようなことは出来るようだが、なにか想像していたような夢の世界がやってくることだけはない予感がするが、静かにゆっくりと滅びていくような・・・

現在の道楽に合わせてちょいと手を入れようと思うのだが、慣れというのは恐ろしいもので痒い所に手が届かないもどかしさを時々感じる。特に困るのが、タスクバー上のクイックなんたら。なにが気に食わないのかピン止めできねーのがある。なんでだよ。すごくイライラするので95以降は使わなくなったボタンランチャーを探してみる。カッコよくなんてなくていいから使いやすいのがいいのだ。ぴょんきちさんのCluncharを何年振りかに使わせていただくことにする。ありがとうございます使い易いです。

「フイリヒナスミレ」
マクロ撮影するとどうしてこんな劣化したような画質になっちゃうんだろう・・・
植わっているのはカンアオイの鉢である。何食わぬ顔でど真ん中から生えてきてますがね。根茎も大きくなっているのでしばらくは居座る気でしょうね。


「キレンゲショウマ実生」
「キレンゲショウマ実生 斑入りっぽい」
親株が斑入りなんだろうか、黄葉だったり幽霊っぽい芽がいくつか出てきた。どうせこのまま枯れちゃうだろうので期待せず。こんな隅っこに蒔いてない筈なんだが・・・

「トウカイタンポポ カラス葉の実生」
まだこの寒い時期だと移植しても腐ったりしないみたいだ。
覆輪っぽい柄が2本。本葉が2枚ともなのでなんかの理由がありそうだがやはり本斑じゃなさそう。羅紗葉や石化を探してみたが今回は撃沈した。

ところでヤフオクで紅花のタンポポ(↓)が出て高額落札されていたが、花蕾からしてエゾタンポポだと思うので一株でも実生できるんじゃないかと思う。おそらく斑入り系統の実生から出てきたのじゃないのかな。ウチの(故)石化タンポポのように。ただしすべての子供に遺伝するかどうかはどうかね。

ちなみにウチの斑入りエゾ系はおそらく絶えた。斑入りでないのは数株残っているがトウカイの遺伝子をかく乱してくれると困るので蕾を確認次第処分する。申し訳ないがセイヨウタンポポと同じ扱いだが虫媒花なのでこれしか方法がない。最終的には当地産のタンポポとシロバナタンポポだけになる。スキズマトリクスのキツネと同じ考えに至った。

「ヤフオクより引用」

「トガクシショウマの実生」
本葉が出てきた。残ってた種から出てきたのも1~2本あるが打ち止めか。まあなかなか順調なので期待。

「玉アジサイ実生と謎のキノコ」
このキノコ。湿気のある鉢から生えてきて、地下にキクラゲみたいなへんな根茎っぽいもの(菌核)を作る(空になったポットでカンアオイの根茎を探すと代わりに出てくるので不気味でしょうがない・・・)のである。これが生えてるカンアオイの鉢は白絹病で全滅したりするのでトラウマになってるのだが、アジサイの実生鉢にも生えてくる・・・?腐葉土とか入れてないし、ほぼ鹿沼土だけの筈なんだけどなにを栄養源にしているのやら・・・


よくわからんけれど、

ニセマツカサシメジ」(参照:きのこ雑記さん)
マツカサキノコモドキ」(参照:遅スギルさん)←これは当たりっぽい。マジか食えるのかよ!美味しいなんて・・・いや無理無理。・・・しかしながら餌もないのに生えてくるのがおかしく、まだ確信には至らなかったのでさらに検索し続け「ツバキキンカクチャワンタケ」。こいつだ。間違いなかろう。落下したツバキの花殻が原因だったのか!それならば道理だともいえる。ツバキなら近くにもあるし。しかも取り憑いて
落花させるなんて凶悪なキノコだ。しかしまだ納得いかない部分もある。菌核の大きさがずっと大きい。カンアオイの根茎を餌とした栄養状態の違いだろうか?他の植物にも寄生すると考えた方が妥当だろうな。


玉アジサイは昨年実生の2年目。この1㎝足らずの極小サイズからすでに毛深さがよくわかるので、ヤマアジサイとは識別が可能。またヤマアジサイの方が成長が早めで、特にタマアジサイは購入苗の方も茎が枯れ落ちるのか地上部がほとんど残らない。

ムラサキケマン
勝手に生えてくる雑草なんだけど、今年はいたるところから出てきてキレイに咲いている。状態の良いものは背丈も50㎝近くはあったりして大型。いくつも花がついて結構見ごたえがある。知らない人が見たら栽培してるのねと思いそう。多少は花の色味が違って赤っぽかったり白っぽかったりもするがほぼ同じ。

似たような花なのに「エゾエンゴサク」が栽培難種(ウチでは)で何度も失敗しているのが納得ゆかない。「キケマン」もなぜか地植えすると消える。そちらは弱くはなさそうだが・・・

「大島桜の実生」
園芸JAPAN(元自然と野生ラン)の2015年6月号に桜の実生についての記事が載っていたのを先日発見したのだが、それによると桜の実生では用土を乾燥させてはいけないのだそうだ。昨年から時々水をやり忘れてたし、過湿でも腐りそうなのでほどほどにしかやってなくて、慌てて見てみたら発芽していた。

もともとは「ソメイヨシノ」が実は実生可能(☝の記事にもあったが全てクローンであるソメイヨシノは他家受粉でないと種子ができない)だというのを読んでやってみようかと思っていたもので、数年前から近所の公園から拾ってきて蒔いたものが1株(他は枯れたみたい)大きくなりつつある。ただ、親が何かわからないのでちゃんとしたものを実生したくて種を購入したのだが、桜は交雑しやすいようでこちらも花粉親までは分からんそうだ。

桜といえば「御衣黄」をもう何年も栽培しているが、花期と葉が出るのが同じで、しかも葉化花なので満開を見逃すことが多いし、ソメイヨシノなんてどこにもあるのでわざわざ植えようとも思わないし、そもそも花期が2週間程度しかない上食べられないし毛虫のつくサクラなんてスペースの無駄だし・・・・・・・と思っていたのだが、桜餅の葉っぱの塩漬けなら作れるかなあと思って、大島桜。

まあおそらく濃厚なクマリン臭の酵母を作る原料となるでしょう。
ちなみに、山から採取してきた土にいつもの天然酵母を作る要領で砂糖を混ぜてみたら、ちゃんと発酵してぶくぶく泡を出しました。ほのかにヒノキの匂いもしますね。そういう実生もしてます。

こういう全然関係なさそうなところでもちゃんと金魚の濾過装置に関わる実験もやってるのだ。



「おまけ」
「不明カンアオイ」
やけに分厚い花
「その葉」
こっちもやけに厚みのある葉。
葉模様も花も特筆すべきところのないカンアオイだが、全体的に厚みがあり硬い。
地味なのでなにかの基本種だとは思う。尖閣寒葵かと思ったが花を分解してみても同定できず。そもそもセンカクの「本物」を持ってないので比較できない。フジノ系でもない(フジノカンアオイは艶なし葉も含めて何株も飼ってるが葉が違う)。