2016年3月5日土曜日

3月初めの椿花

「錦葉覆輪一休(仮)」
九州産の無名の山採り薮椿ということだったが、出来過ぎだとは思ってたんだ。似たような黄覆輪葉の「弁天西王母」ではないだろう*と思っていたが、開花してみたら案の定栽培品種の花だし。見覚えがあったのですぐに特定できた。ほんとにこういうの勘弁して欲しいが骨董の世界みたいに自ら経験を積んで騙されないようにしないといけないんだろうな。

*「弁天西王母」の方は葉があまり変形しないが、「一休」の方は葉先が鋭くなったり歪んだりする「弁天葉」っぽい。「多福弁天」とか江戸期からの古典品種特有のものなのだろうか?株の老化やウィルス罹患とかと無関係ではなかったりして。サボテンの帯化が老化現象らしい(実生は無論別だが)そうなので高齢の品種はそうなって往くものなのかも。挿し木や接ぎ木で生き永らえてきた植物にとって、種の限界に達してある日ある年を境にすべての株がばたばた死に絶えるなんてこともあるのだろうか…?

なお、ちゃんとした「錦葉覆輪一休」も2株(小苗なので花は当分先)も購入済み。一度枯らしてしまったあと、再入手に手間取ったため不測の事態に備えて予備としてもう1本。「覆輪一休」の方しか見つからなかったのであるが生産者が廃業されたりして当たり前のようにあった普及品種が突如消えてしまうような事態は金魚以外にも起こりうることなのでやむを得ない。覆輪は実生が効かないのでいずれ地植えして大木にして残してやりたい。「覆輪一休」自体も覆輪葉の椿だが黄覆輪でなく、淡い黄緑色の覆輪なのでやや地味。

「覆輪一休」は「小紅葉」の枝変わりで、1859年の「椿伊呂波名寄色附」に収載。江戸期からの古典椿。「子紅葉(こもみじ)」は白~桃地に紅の縦絞り、八重咲き、中輪、散しべ、開花4月。1879年の「椿花集に記載あり。「参照:日本ツバキ・サザンカ名鑑」

葉変わり品なのでこの3品種はすべて同花。斑模様以外に違いはないのでお好みのものを。中輪とあるが、小輪であるようなのが気になるが・・・

「弁天西王母」 
通常の「弁天」芸とは異なり、黄色の覆輪なので「錦葉覆輪西王母」と言った方が精確なのかな。葉型は正常で、縁の鋸歯が目立つ。

「(仮)錦葉覆輪一休」
鋸歯があまりなく、葉の縁がゆがむ。紺性が薄く、全体的に葉の色がやや黄色っぽい。

「錦葉覆輪一休」
2本ある。葉がゆがんでいるものが多い。 こっちの方がむしろ弁天葉なんじゃないかなぁ。

「錦葉覆輪一休」
2重覆輪(参照:斑入り植物の世界)になっている枝がある。この品種が古くからある証明でしょうか。うまく挿し木をすれば新品種が作れるかも。


「金魚椿 桃花」
大輪。金魚葉椿の桃花(本芸では白い絞りが入る?)
だと思う。札が古すぎて劣化していてわからん。
ほぼ金魚葉なので梵天ではないと思う… 

「金魚椿 白花」
花が傷んでいるのでいずれ差し替え。 

「梵天 赤」
の筈だ。左の葉もしっかりと梵天芸を呈している。また開花したら撮ろう。
「梵天白」はあるが、赤の登録はないようなのでこちらの方が後発の品種なのかも。

「阿賀野の里 散斑」
「阿賀野の里」の斑入り。ユキツバキ系。濃紅色の八重、蓮華性、雄蕊は少数、中輪、花期3~4月。新潟東蒲原郡の民家の栽培種1966年。「参照:日本ツバキ・サザンカ名鑑」



「弁天玉之浦」
弁天葉の「玉之浦」。ようやく1つだけ蕾がっ!

「斑入り葉 桃花 不明」
先日の桃花のサザンカっぽい斑入り椿。小輪。

「ハルサザンカ」や「カンツバキ」の品種群は花弁が薄いのかよれよれとしていてフリル状になるものがほとんどのように見えるのでそれらの銘品ではなさそうだ。しかし全体的に小型でおそらくサザンカとの交配種ではありそう。

つぼみも可愛らしくて良い。のだが、由来がぜんぜんわからんのが気持ち悪くて…。
ホント産地偽装と札違いは勘弁してほしい。

「友の浦」
最初は雨水をかぶったせいかと思っていたのだが、下向きの花まで舐めとられたかのように花粉がまったくない。観察していたら、なんと開花直前の先が少し開きかけた蕾の中にまで入り込んでは、せっせと👣に花粉を貯め込んでいる。まさかとは思うが根こそぎ持って行っちゃうわけ?困るよキミ。


他にも咲いているのに人工授粉出来ず・・・

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