2017年12月17日日曜日

ヤマアジサイの実生

時期的に大してやることがないのが幸いではあるものの、水やりだけは欠かせない。ちょっと油断すると枯れている高価な苗を発見したりしてひどく落ち込む。一品物だったりした時には胃が痛くなる。が、とにかくひたすら忙しく時間がない。

「藍姫錦の実生(仮)」
十二月も半ばを過ぎ他のヤマアジサイたちはだいぶ落葉しているが、これはまだもちそう。前回と見た目に大差はないが根元に新芽が2つ出てきた。

「静岡産ヤマアジサイの実生選別品」
矮性なのか、作が上がっていないだけなのかまだこんなサイズ。
来年は開花できるのであろうか?



ところで、タマアジサイは自家受粉するようで一本だけの木もちゃんと結実しているようであった。

2017年11月19日日曜日

小型ラケナリア

何年前だっけ?
なにぶんだいぶ前に実生を開始していたもので、遡らないと正確な名称であるのか定かではないのだが旧ポリキセナPolyxena でラケナリアLachenaliaに編入された一群の筈である。

「ラケナリア・パウチフローラ」
名札には「L・パウチフローラ」と書いてあるのだが、検索すると「パウチフォリア(ポーシフォリア)とありどちらでも出てくる。FoliaなのかFloraなのかどっちだ?

*当ブログでは自分の札(シルバーヒルズ)とケンブリッジ大学のHPの名称を採用することとする。

「ラケナリア・カルチコラ」

「ラケナリア・エンシフォリア」

他所の写真を見ると大層派手な色合いとなっていたりするけれども、ウチではこのざまである(ピントがあってないのは毎度のことなので勘弁。撮り直しているヒマもなし)。日照や施肥のせいであるなどは否定しないけれどもワイルドの環境に近い(と思っている。ほぼ放置)とこんなもんではなかろうか。

オナガカンアオイなどでも強調してきたが、トリミングと明度(暗くて見えにくいとか)以外の写真の加工は基本的に行わない。特に色調において実際の見た目との相違が気になった場合はその旨を明記するようにしている。

2017年9月23日土曜日

タマアジサイ実生

「タマアジサイ実生」
ダイラボウ(参照:オクシズ)付近の道路わきのタマアジサイから2015年の11月末に採種したものの実生。背が低く20~30Cm以内の高さだがもう開花した。花はちょっと藤色が薄目ぐらいで普通だが「一才(2才?)タマアジサイ」と言うことで。矮性なのではなくて鉢植えだからだと思うが、小柄のままでいてくれたらうれしい。

産地ごとに分けて実生しており、これは1株だけしか残っていないので「ダイラボウ」と命銘。もし結実できたら(自家受粉?)この系統で累代実生したい。

庭の斑入り雑草たち

「ツユクサ 斑入り」
最近やけに斑入り付いてる。
山歩きをしていても斑入りに出会うことはほとんどないが、なぜか庭から発生してくるのはどういうことなのであろう。以前よりも注意深くなったということであろうか。

「ツユクサ 斑入り」
斑入りのツユクサは数年前に少しだけ種をいただいたことがあるが累代できず消え去ってしまった。これは庭に生えている普通のツユクサの中から勝手に出てきたもの。
あるいは他所のお宅から種が飛んできた可能性もなくはないが・・・

「ツユクサ 斑入り」



「斑入りだった昨年のイノコヅチの実生苗」
親株を鉢上げしたら夏に枯れてしまい、その子供たちに斑入りはいないようである。多年草であったのに非常に残念であります。

「富士産オニタビラコの実生苗の2代目」
累代してる。
ものすごく大量に実生しているにも関わらずその大半が斑抜け。斑入り率は0.1%くらいじゃないかと思う。マッシロシロスケのお化けも多いからそれを入れたら1%くらいの固定率かも。
親の選定を誤った可能性もあるのだが、それにしても渋い。

毎年採種して播種するのは山野草的には面倒でやる気が萎えてくるので、「家菜化(野菜化)」する方向で動機付けを強化しようと思う。

現代の主流としては毎年植え替えするべきなのだろうけれども、野菜の連作技術や鈴木吉五郎氏の栽培法を参考にさせてもらうと無肥料・不耕起が最良と思われる。ただし、実生累代選抜と言う前提があっての栽培法なので、スタートから数年は手抜きどころの話ではない。むしろその手間に悶絶しそうな気がするが、数年で済むなら初心貫徹できそうな気がする。何よりただの作業になってしまう前の最初期は新鮮で楽しいものだ。

でも、結球するとか石化の方向で進化してくれないと、種を周囲に蒔き散らす雑草生成マシーンと化してしまうのが困る。カンアオイやらラケナリアやらの鉢からうじゃうじゃ実生苗(それでもほぼ斑入りにならん)が出現してくるので邪魔でたまらない。せめて斑入りの固定率が上がってくれると良いが、今のところミズヒキと並んで厄介な雑草である。

2017年9月9日土曜日

謎の木の斑入り?

「?」
なんか生えてきたのが斑入りっぽいもの。シキミかなんかだろうか。匂いがないようなので別の雑木なのだろうが、こういう樹木は調べてみてもよく分からないことが多い。

用土の使いまわしで何が植わってるのか分かんない。柑橘やサクランボとかのフルーツ類はとりあえず蒔いてみたりしているが、鳥の爆撃痕から生えてくるらしきものも多数。その場合はムクゲやケヤキ類が多くて、うっかり根付かせてしまうと除去に難儀する。ご近所の植栽次第だろうけれどもたまにアオキも。

(仮)藍姫錦の実生とタマアジサイの実生

「(仮)藍姫錦の実生」
ヤマアジサイでもっとも深い青花の一つであろう「藍姫」の斑入りの子供であろうと推測している実生苗である。放置していたわりには虫食いもなく良斑である。当然と言えばそうなのだが、栄養繁殖された枝変わりの斑入り部からの種子繁殖でも斑入りになると言うことである。

左の木は斑が抜けたせいか成長速度が倍くらいになっている。下の方の葉の周縁にわずかに斑の名残がある。

ウチのガクアジサイの場合結実したのを見たことがなかったので自家不和合性があると思われるが、ヤマアジサイの場合はどうなのか。ちなみに数年来栽培している「黄金駿河」でも結実しているのをまだ見ていないので自家不和合性があると見た方が良い気がする。でなけりゃいっぱい種が出来てる筈だよね?

そのような訳で花粉親は別株であろう。昨年は「土佐の暁」の印象ばかり強いが他にも咲いてはいたのでどうなることやら。今季も受粉している株がいくつかある。変化花になってくれたらうれしいが、そういう🌸はあまり受粉していない気がする。多芸変化花の「九重凛華」はどうも両性花がつかなかったようで枯れた装飾花殻のみが残っていた。

「タマアジサイの実生の花後 満開の頃は忙しくてちゃんと撮影できなかった」
近所の沢沿いから採種実生したタマアジサイ。2年目の筈だがもう開花し結実までした。花に特徴はないが葉が長めで大きく背は低い。タマアジサイには緑花もあるらしいが、これは白い装飾花に紫の両性花であった。八重花や斑入りの方は今夏咲かなかった。斑入りのタマアジサイはナメクジやバッタやコガネムシに特に好まれた。

2017年8月27日日曜日

斑入りハナイカダの実生苗 2017年夏

「斑入りハナイカダ実生苗」
昨年実生選抜した斑入り苗たち。特選品のつもりであったのでそれなりのものになっている。うち一本は新芽が展開せずに枯れ腐った。

「白斑」
上柄と書こうかと思ったが、それほどでもないか。親もこんな感じだった気がする。
今夏はろくに手入れしてなかったので親株の一本は枯れる寸前まで行ってしまっている。そもそも斑入りの♂株を作りたいと思って始めたことであるが、じつは所持していたのが発覚したのでやややる気が低下している。

「黄斑」
光合成障害の度合いが低いので成長も良い。地味なので物足りない。

「羅紗斑入り」
完全なる羅紗葉であるが、遺伝なのか感染なのかよく分からない。親もしかんでる羅紗なやつがいるからそれ由来の筈。確か葉の変形を伴う形質は花粉からも遺伝するはず。

「曙斑?」
あまり好きなタイプではないが、実生するといろんな植物で出やすい方の斑の気がする。アルビノの前段階のリューシと言うところだろうか。

見た目も気に入らなくて、育ちも悪いと言う悪いとこどりなのだが、同じ遺伝子の欠損から生じうる多彩な症状と言える。  ・・・のかな。

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なお、実生が面倒で親の根本に植えこんでおいた勝手に実生苗からも斑入り芽は出てきたりしましたので、良い親からはちゃんと良い子が出る確率は高いのだろう。今年も採種できたが、もっと忙しくなっているのでばら撒きでよいことにした。

2017年8月26日土曜日

榎の斑入り?

「エノキ?」
柿の木の下で見つけた勝手に実生苗の斑入りである。そのまま育てようかと思ったのだが良くない未来しか想像できなかったのでしぶしぶ鉢上げした。

いたるところから生えてくるヤツで、ケヤキの仲間(参照ニレ科お気楽写真館さん)であるのだろうと思っていたのだが、違ったらごめんなさい。
まだ結構知らない木や草がいっぱいある。

「榎?」
木の片側からだけ斑入り葉が出てくるタイプで、これは以前見つけた(何回も刈り込んでいる中で出てきた)クワの仲間が継続しなかったことがあるので落葉前に斑入り側から側芽を出させる必要があると判断し、普通葉側はすべて芽摘みした。

「榎?」
頭頂部も普通葉になっていたので切り落とした。
コナラの斑入りでやはり斑に偏りがあった苗を何度も剪定して、ようやく普通の枝がでなくなったので、それと同じ手法で行こうと思っている。

ヤマアジサイの場合は斑入り芽以外を切り捨てれば次々に新芽が立ち上がってくるが、普通の樹木の場合は、シオマネキが片腕をどんどん切り落として残ったもう一方の腕に栄養を集中させて巨大化させるイメージでやっている。

樹木体のうちのどこまで葉緑素の欠損があるか読み切れないと失敗する恐れがある。山採り覆輪のカシ(常緑)の斑入り枝だけのこして剪定したら枯れてしまったことがあるので、樹種にもよるがある程度樹勢がつくまで我慢した方が良さそう。


2017年8月6日日曜日

ヤマアジサイの実生 2017年度版

「ヤマアジサイ実生 黄斑入り」
2株本斑が出た。が、左の方は斑抜けた。
右の個体は全部の葉に斑がまわり優秀である。
おそらく「藍姫錦」の実生だと思われるが咲いてみるまで確証はない。


「ヤマアジサイ実生」
兄弟苗たち。曙斑的なものや覆輪?と思われたものもあったが消えた。絶え間ないナメクジの襲来にも耐え(ほぼ毎晩駆除したが、今考えると大変な労力であった)生き残ったもの。おととしからワイルドの実生をして練習していたのが功を奏した。

銘品からの採種であるので、色や花形に特徴のあるものの出現を多少は気にしている。錦葉芸品を中心に銘品を一か所に集中しておいてあるので、相互交配してくれていることを期待している。なお、昨年は一応人工交配である。適当にコチョコチョやっただけであったが。今季も種が取れそうな個体がいくつかあるので、引き続き実生を試みたい。

また覆輪花の改良に用いられる「清澄沢」も今季は入れているが、静岡産の白花~紅系の花が咲いていたような気がするのでいろんな意味でなんだか怪しい。

前回試みていた「七段花錦」の挿し木は不在の為水切れて枯れた。黄金駿河の枝変わりは普通に戻ってしまった。なかなかうまくゆかないものである。

2017年5月22日月曜日

斑入りワサビの種

「斑入りワサビの種」

斑入りのワサビには何種類かあるが、東北産の本斑。覆輪ではないので遺伝性がある筈。
アブラナ科なので他家受粉の傾向が強いのだろうと推測。当然のことながら斑入りを実親♀、普通の方を花粉親♂としている。ちなみに♂親の産地は不明。葉型が異なる。

種は2㎜くらい。楕円形のゴマ状のもの。菜種やブロッコリなどとは形が異なる。
多年草なのですぐに取り蒔き。

・・・したのは良いが正しいのか自信がない(水耕栽培ではない)ので確認のため検索。実生でワサビ苗を作っている農家さんを発見。なんと静岡のワサビが静岡産でない(参照:北村わさび)ことを知る・・・マジか。それでいいのか有東木のひと。山に行けば普通にワサビなんて見かけるのに。

こうなると、純静岡産のワサビをつくらにゃいかんかね。いろいろ問題はあるのだろうが、陸上でもワサビが作れそうなのは栽培経験から分かっているので、オカワサビのつもりでやろうかな。

なお、おそらくネット情報の全てのソース(原典を除く)であるWikipediaに品種の詳細が書かれていた。また水耕栽培の場合20℃を超えるとまずいようだ。辛み成分の自家中毒は知っていたが、これは菜種油粕を原料にする発酵肥料でも同様の問題が発生する(だがむしろその抑制効果が良い)そうなので、解決できるんじゃないかと言う気がするな。

でも、育種家としては無肥料栽培を目指しているんだよな。野菜の方は(*昨年トウガラシには大量に施肥したけどね。今年はやってない)金魚の色揚げをしないで発色を良くするのと同じ。

無肥料栽培でいつも疑問に思っているのが、持ち出した微量元素を補給すべきなのか宇宙塵やら黄砂やらそのたの塵芥で間に合うのか?足りないなら何をどのように?とかなのだが、それへの直接回答ではないが理詰めでいろいろ思案されているサイトを発見。栽培と畜産の未来のために(参照:脱・植物のミカタ)道楽じゃなくて営農するとなるといろんな視点や知識が必要なんだなと思う次第。





2017年5月20日土曜日

七段花錦の変わり

「ヤマアジサイ 七段花錦」
シチダンカはシーボルトの件で有名なヤマアジサイであるがここでは触れない。
自分で最初に農協で購入したのが無名の斑入り種(生産者さんの趣味だったのかも)で、花型から類推して「七段花」の斑入りタイプだった模様。2年は継続したが剪定しなかったせいで斑抜けた。

その後別の所から「斑入り七段花」と「七段花の芽変わりの斑入り」(オリジナル品)を手にいれたのだが、札落ちしたのか枯れたのか行方不明(一鉢謎の斑入りがいるがそれかどうかはまだ花を未確認)。なのでそれもあきらめて、別にちゃんと花屋から「七段花錦」として購入したものがこれ。

ところが、斑抜け枝ばかり出てきてぜんぜん錦じゃないのだ。出てくる芽を摘みまくってたった一枝しか昨年は残らなかった。さらに今年の芽だしの季節にもまたしても斑抜けばかり。さらにさらに斬りまくって今ようやくこの状態。ようやく見られる状態になってきた。
「ヤマアジサイ 七段花錦の芽変わり」
そしたらやけに葉灼けが目立つのがいる。すぐ隣に「黄金駿河」や「土佐茜」があるのでそっちの方の枝かと思ってたら「七段花」の方だった。灼けがひどいが、葉緑素が若干残ってるようなのでバラして挿してみる。

テイショウソウの実生一族

「テイショウソウ(?)実生」
一番最初に発芽したので一番年上。冬季はずっと屋内、夏季は軒下管理。2年目である。今季から直射日光下で栽培開始。一時大きな葉が萎れたが慣れた模様。模様がキレイ。

右奥にちらっと写っているのはマーブルベリーの芽。まさか入手できるとは思わなかったし、3ヶ月ほど全然発芽しなかったのでダメかと思ってたが今頃になってようやく出てきた。レアバジルの品種と同じところから種を購入。買う方も変わっちゃいるだろうけどよく見つけてきたものだと感心。一応食べられるらしい(自己責任で)。基本的にヤブミョウガと同じものだと自分勝手に思っている。種の殻の構造色以外は全く同じ。要は金属光沢があるかないかの違いくらい。たぶんサイズも同じくらいになるとは思うが、入手できたものはヤブミョウガよりもさらに小さめで直径3㎜程度だった。

「テイショウソウ実生の子」
上の個体と同じ管理。こうしてみると、実生1年目には幅広の丸葉になるが、翌年からは長細く変化していくようであるな。

「テイショウソウ 直射日光下」
ずっと屋外、盛夏の期間だけ遮光。あとはずっと直射日光・無保護。
皮質というか葉が厚いようで、やや銀糊が少なく、墨が多い気がする。全体的にぼけた色合いで褪色したような感じ。日光に対する反応なのだろう。一枚全銀葉のやつがいるが、続くかわからない。

「テイショウソウ実生 半日陰」
青々していて瑞々しく生育も一番良い。穴が開いているのはナメクジと夜盗の仕業。やつらを何とかする方法は人力以外にないのか。イタチごっこになるとか、土壌の菌類に影響が及んだりとかするのがいやなので積極的に農薬は使いたくない。
「テイショウソウの斑 直射日光→半日陰」
大事に育てている。葉が灼けないように置き場所を暗めにしたせいか、成長が滞っている。4枚中2枚に斑。50%の確率である。

2017年5月18日木曜日

斑入り柑橘

「チャンドラポメロの斑 (本斑)」
極小葉であるが、中央に源平柄。その対側にも刷毛込み斑が見える。

「チャンドラポメロの斑 (本斑)」
昨年はその上の新芽を虫に喰われてしまい、今年は気をつけたのだが・・・
新葉は全部無地。斑抜けてしまった。


「パール柑の斑」
昨年は寝ぼけたような柄だったが、曙斑的なのか今は冴え渡っている。

「パール柑の斑」
これだけびっしりと斑が乗っていれば文句あるまい。

「パール柑の斑」
特に光合成に支障があるわけでもないようで生育は良好。安定性の高い覆輪の柑橘品種は温州、仏手柑、ユズ、キンカン、レモンなど結構あるが、こういうタイプは見たことがない。もっとも、フルーツを採るのに斑入りなんて邪魔なだけだけど。

2017年5月15日月曜日

オナガカンアオイの復活

「ぎらぎら」
何年か前にやけにギラギラ反射して見えると思っていた個体。置き場所を変えたら機嫌を損ねたのか昨年は見かけず腐ってしまったのかと思っていた。

そしたら出てきたよ。別になんてことはない普通のオナガであるが、とてもうれしい。

カンアオイ全般がそうなのか言えるほど栽培実績がないが、オナガの場合根茎だけで3年以上そのままで、さすがにもう枯れちゃったか・・・・・・・と思ったらふと芽を上げるということもある。これに関しては達人も仰っていたので間違いない。

この長い休眠状態中も根茎さえ無事ならば大丈夫のようで(よく腐らなかったものだ)、カンアオイにとっては毎年葉をつけなくてもどうと言うことはないのかも知れない。それに付き合うには少々忍耐が必要だが… 正直かなり神経をすり減らした。ジベレリンを何回も散布しても応答がなかったくせに、なにが良かったのであろうか。寒冷紗?

「オナガカンアオイ 照葉?」
左となりの株と比べると同じ種とは思えないような質感。アツミカンアオイっぽいのだろうか。スズカにも似た感じのものがいたりもする。スズカと言えば、もう少し萼片が伸びてくればホシザキっぽいかと思えたり、そういう定向進化の傾向でもあるのだろか。あるいは奄美のカンアオイ群が種分化の途中にある「奄美群島で起きたカンアオイの急速な進化」(参照:京都大学)ように、同じような遺伝子セットでも柔軟に表現型を変化させることが出来るのかも知れない。

「雑種? オナガ×細辛(葵錦)」
細辛のような青軸(劣勢遺伝じゃなかったようだ)で、葉の表面の打ち込み(凸凹)もオナガっぽくないので戯れにやってみたヤツだと思う。何年たったんだろう。5年くらいか?花をみなければ確認できないがあと何年かかるんだろう。

「雑種? オナガ×細辛(葵錦)」
元々葉芸と花芸(超巨大花とか)の組み合わせを考えて始めたカンアオイ栽培だが、その品種改良はひたすらに根気がいりそうだ。チューリップ並みかも知れない。

「マエダカンアオイ 桃芯花」
オオフジノ並みのサイズだろうか。この草体に似合わぬ巨大な花である。これをさらに大型化させることが出来たら、一般受けする花卉としての需要は充分あるのだろうと思う。
葉芸と素心の組み合わせ(カントウ系以外のものも含まれる)の細辛に対して、クリスマスローズや雪割草的な花物交配寒葵のジャンルがあってもいいのかも知れない。

でもやらない。せっかく国内に自生地がある優位性がなくなるから。
ウチの自家産交配2個体も残しておけないだろうが、ちょっとかわいそうな気もする…

この個体は自然交雑種だろうと言う話であったが、人工交配種もあるので真実は良く分からない。マエダの総数が不明だが、もともと素心が多くないだろう中でオナガかミヤザキタイリンのどちらかの親がそれだったなんて偶然そうそうあるもんじゃない気もしないでもない。ただ前述の通り素心は劣勢遺伝ではなさそう。

細辛には江戸期から残る古典品種があって200年近く経っている訳だが、その間に絶えてしまった品種や同名異種となってしまっているものもあるそうだ。カンアオイの場合、増殖が悪かったり虚弱だったりする品種もあるだろうし、品種改良というよりむしろ老化してゆく銘品株の更新としてセルフの実生で同じような顔をした、そして可能ならばより良い個体群(=固定品種)が創り出せないかと考えている。

2017年5月14日日曜日

甘いのかわからん菌

「金山寺風」
紅麹だけじゃなく、いくつか他の菌まで生えてきた。完全にコンタミしておる。
白いもしゃもしゃしたのは最初に分離したヤツと同じ系統のものだと思う。赤いとフザリウムの可能性が・・・

怖くて味見なんてできねえや。
金山寺味噌のニオイも薄くなってきたような・・・・

それにしてもこの真っ黄色の胞子?(分生子?)。すごいな。この色で麹になるんであれば文字通りの黄麹だが。コウジカビだとするとアスペルギルス・オクラチェウスか、アスペルギルス・ヴェルシコロルというのが黄色くなる。あるいはケカビかもしれん。その場合人体に日和見感染するとある・・・

天然酵母のパンとか自家製酵母の食品とか本当に大丈夫なのか?
たとえば、糖をエサに増殖する菌なんていくらでもいると思うが、その安全性はどんなもんなんだろうね。

「ウグイス色の分離した方」
ニオイは金山寺風ではない。醤油麹の方とも違う。しかし色は醤油麹とそっくり。胞子の色が黄色がかってきた気はするので、上の黄色のヤツと同じものではあるのかも。

適当にやったわりには純粋培養できたっぽかったが、何回かニオイを確認するために開封してしまったせいかこっちもなんだか別の白いものが・・・ススカビなのか?

まあもし味見するならこっちだな。発ガン性とかないといいが。ススカビには病原性があるというが・・・


また、一度優占菌になって安定して更に完熟したら開封しちゃだめみたいだ。休眠状態にでもなるのか他の菌が乗ってしまう。たぶん、表面だけとるか、培地内部に混ぜ込んでしまえば増殖できなくなるとは思うのだが、余計なことになるといやなので放置。そろそろ実験は終わりかも。

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実験といえば、孵化したばかりの稚魚のブラインなし飼育に麹が使えそうだと書いたが、やっぱ無理だった。大きくしようと欲張って餌やりするとととたんに環境のバランスが崩れてコロニーが増殖してしまう。それがおそらく稚魚に良くない影響を与える。

あくまで勘だが、腸内細菌叢が置き換わってしまっているか、エラなどに取りついているかそんなところで腹部膨満か酸欠かが起きるようだ。水自体は澄んでいるが何かがおかしい。菌体をエサとして食べてくれることを期待したが、どうもそうじゃないっぽい。

まあ、この環境での生存魚を選抜すると言う手もあるのだろうが、ゆっくりと斃死してゆく予感。貴重な品種には使えないので、素直にブラインシュリンプを使った方がいいだろうな。

一週間程度まったく管理できない場合、ベアタンクでは不安なので、青水代わりに使えるかな?程度かも。

なお、粒エサを食べられる程度大きくなれば別に問題はなさそう。その場合も管理はベアタンクにした方が楽だと思うが安定しているかどうかまだよくわからない。今のところはまだ試行錯誤中なので改良していきたいと思っている。



マルバテイショウソウの実生

「マルバテイショウソウの自然実生」
九州産の「マルバテイショウソウ」(参照:筑波実験植物園)の自然実生株である。2~3年目くらいである。もう一株くらい庭のどこかで見た気がするが現在行方不明。

親個体は枯れてしまった。この子はウチの環境に適応したよう(閉鎖花からのセルフの筈だが遺伝子に余裕があるのかな)でこんなにデカくなった。下に写り込んでいるのは細辛の「皇陽」なので、カンアオイの2倍くらいのサイズである。

この葉の動物の毛革のような質感といい、青みを帯びた銀色に怪しげな亀甲葉脈といい、熱帯雨林にでも生えていそうなエキゾチックプラントであるのでその手のマニアにもアピールしそう。花はもちろん「テイショウソウ」と同じ花火みたいなやつである。

親株や参照元の写真から推測するにおそらく自生地では葉数は増えてもこんなに大型化しないのではないかと思われる。

「マルバテイショウソウの実生」
葉長12~13㎝といったところ。親株サイズのカンアオイ並みである。感触は獣の皮のよう。今年はちゃんと採種していっぱい実生したいと思う。

2017年5月7日日曜日

ユキモチソウの実生 2歳

「ユキモチソウの実生 2年目」
昨年は幼苗にも拘わらず全部花をつけてしまって戸惑ったが、今年は特になにも起こらず。何回か実生はしているが、いつも事故などでほぼ全滅(出たばかりの芽の上に土をかけられて生き埋めとか)しているので今回は地植えはやめてこのままでいこうと思っている。ものすごく窮屈になってしまいそうですまない。

以前は変わり物とかが欲しかったのだけど、実生してうじゃうじゃでてくるとわりとどうでもよくなってくる。雪餅草はそれだけで美しい。とは言え、葉模様のある親からの実生苗なので本当は葉模様で選抜したい。意外と遺伝してなくて残念。でもたぶん勿体なくて処分できないけど。


「ユキモチソウの実生 2年目」
ところで鋸歯のある葉があったりなかったりするが、若い苗にはあってもかならずしも継続しないようである。また紫墨色の斑点が出たり出なかったりする理由は分からない。

2017年5月4日木曜日

ハナアブ

ハナアブ
なんと累代繁殖させて温室で使われたこともあったと書かれている。同じことを考えた人もいたんだなあ。・・・でもなんで過去形? 

シマハナアブ
繁殖の方から逆引きしてシマハナアブであろうと特定した。

幼虫の薄気味悪い姿はどうしようもないので置いておくとして汚水で繁殖するのが嫌悪感の根源だろうと思い、冬の間秘密裡に酵母・麴等の発酵液中で養殖しようとしていたのだが… 失敗した。腸内で発酵して腹部膨満によって弱ってしまうみたい(良く分からないが本来半透明な体が蚕みたいになってた)。似たような方法でヨトウムシなどを枯草菌などで殺せるらしいと何かで読んだ気がするけどソースが見当たらない。

シマハナアブ
舌をぺろぺろ出し入れさせて花粉を舐めているようである。