タンポポの花の季節が終わりつつある。
「セイヨウタンポポ」は季節関係なく咲くとあり、たしかに長く地上部を維持していると思うが、春以外はそれほど花が目立つ訳でもない気がする。
現在「セイヨウタンポポ」と「在来種タンポポ」の交雑が深刻化していると言われ、確かにどちらの特徴も合わせもつような個体が少なからずある。
*「セイヨウタンポポとニホンタンポポの違い」
*「セイヨウタンポポとニホンタンポポの違い」
「セイヨウタンポポ」 |
「セイヨウタンポポ」 |
「セイヨウタンポポ」 |
特に、「ニホンタンポポ」「トウカイタンポポ」だと思って栽培し、数年維持して株が大きくなってくると、どう見ても「西洋タンポポ」に化けてしまうことを何回も経験した。
案外タンポポは「大株になると西洋タンポポに見える」んじゃないかと言う気もしないでもないのだが、薄気味悪いので捨ててしまっている。
一応「東海蒲公英」っぽかったのだが・・・ |
「総苞外片」が反り返りかけてるし、ゴワゴワした感じ。なんだか「西洋蒲公英」じゃない? |
花の裏の赤みが強い個体。一応、在来種っぽいが・・・ |
こんな感じの「総苞片」の緑が濃く固そうな個体が要注意。 |
「ウスギタンポポ」と言う「薄黄色」のタンポポがあり、そんな感じの薄い黄色のタンポポだった筈の株までもが、「セイヨウタンポポ」に化けてしまうとなんだか恐ろしい。
タンポポは「古典園芸植物」であった時代があったそうで、「巨大花」「紅花」や「筒咲き」「志ろ」「黒花」「青花」「ふきづめ」などの品種があったそうだが、現在は途絶えてしまっているようだ。現在でも普通に見られるものとなると、「白花」ぐらいだろう。
「素心」と思われる個体。全体的に色素が少ないのかも。(たださすがに白花ではないので準素心くらい) 「葉焼け」なのか紫外線に対抗する為の「アントシアニン」なのか葉に「カラス葉」色の染みがよく出来る。 葉の形状も独特。 個体によっては葉先がピン状になる「鈴虫剣」も出る。 |
タンポポは「古典園芸植物」であった時代があったそうで、「巨大花」「紅花」や「筒咲き」「志ろ」「黒花」「青花」「ふきづめ」などの品種があったそうだが、現在は途絶えてしまっているようだ。現在でも普通に見られるものとなると、「白花」ぐらいだろう。
「博物図譜データベース 東京国立博物館所蔵」 |
白い花のタンポポには何種類かあって、「ケイリンシロタンポポ(4倍体)」、「キビシロタンポポ(4倍体)」、「シロバナタンポポ(5倍体)」、「オクウスギタンポポ(5倍体)」、その他通常種のシロバナ変異タイプがあるそうだ。
タンポポの倍数体については「在来種タンポポの分類」と「東アジアにおけるタンポポ属の倍数性種分化の分子系統学的解析」が非常に詳しい。
「吉備白蒲公英」 |
↑の花の「左下部分」の一枚(一花)を引き抜いたもの。 |
これは「キビシロタンポポ(広島産)」(と言うことで手に入れた白花のタンポポ)の花と花粉。携帯用顕微鏡にデジカメをあてて撮影したもの。なかなか上手くピントが合わない。
多倍数体の花粉は不揃いだと言うのだが・・・ 花粉がダマになっているのか、大小の差があるのかよく分からない。
この「キビシロ(仮)」は、「セイヨウタンポポ」と「日本タンポポ」を区別する際に簡易判断で使う「総苞片の反り返り」がない(傾向にある?)らしいが、この個体↓は若干反り返る。
「キビシロタンポポ(仮)」 |
「キビシロタンポポ(仮)」 |
「キビシロタンポポ(仮)」 突起がやけに目立つような。 |
当地で採取実生と根伏せで維持している「シロバナ」も似たような特徴を持つ。つまり、あまり反り返らないのだが、開花が進んでゆくと反り返りが顕著になっていくようだ。
「白花蒲公英①」(の筈) 木陰に地植えしてあり、草丈がありひょろ長い。 ちなみに日当たりのよい場所でも花茎はひょろ長い。 |
「シロバナタンポポ②」 実生姉妹。反り返ってないでしょ? 「シロバナタンポポ」はクローン繁殖するそうだ。 |
「シロバナタンポポ②」 開花したもの。違う個体に見えるけど同じ。 やっぱり反り返ってないよなあ。 |
「シロバナタンポポ②」 「ナメクジ」や「キリギリス」が花や花粉を食べてしまうせいか、くしゃくしゃしている。 |
「シロバナタンポポ②」 と「キリギリス(ヤブオイ?)」タンポポに必ずと言ってよいほどくっついている。 |
だが、栽培環境にも影響を受けるようで、「キビシロ(仮)」もだんだん葉が立ってきたり、茎が伸び出したり(30cm未満と思いたいが微妙・・・20cm以上は余裕である)するので、余計に怪しさが増す。
花期が終わりつつあるし、日中しか開花しないので、なんらかの区別の一助となればと思い花粉を見てみたが、なんの参考にもならなかった。
「キビシロタンポポ(仮)の種子」 色はやや濃いこげ茶と言っていいかも。他の「ニホンタンポポ(仮)」はもっと薄い肌色のような色目。 タンポポ花期の終わりで、周囲から隔絶されていると言ってもいいベランダにありなおこの受粉率。 |
現在の所、「シロバナ」との決定的違いは、取り播き種子の発芽率。「シロバナ」がほぼ0%(ごく小さいのが一芽だけ出ている気がする)に対して、「キビシロ(仮)」は10数芽以上出ている。
数年前の実生でも「白花蒲公英」の発芽率はあまり高くなかったと記憶している。
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