2012年5月25日金曜日

斑入りのタンポポ

「斑入り日本タンポポ」と言うことで出回っているタンポポがある。
もともとは「種子バンク」から配布されたもののようなのだけれども詳しくは知らない。

「日本タンポポ」とのことだが、首元を見る限りおそらく「シナノタンポポ」か「エゾタンポポ」ではないだろうかと思う。

「総苞外片」まで斑入りになっている。

花の色や形はごく普通。

かっちりとくっついた総苞外片は「実生」しても同じような形。
「実生」と言えば、2倍体である筈の所の本種だが、他のタンポポから隔離されたベランダにいたにも関わらず、ほぼすべて種子が出来ていた。

 当初、人工授粉するしかないと思い、晴天の休日中に一生懸命花をこすり合わせていたのだが、そうそう都合良くゆかずあきらめてしまったのだが・・・取り越し苦労であった。

 一応2株あるのだが、花の開花日がズレていて、どちらか一方しか咲いていない日々もあったにも関わらずである。まあ、平日の日中「ハナアブ」か何かが頑張ってくれたのかも知れないが、休日には見かけたことがない。
 
 一方、地上のタンポポたちの受粉率は今一つであり、特に「ニホンタンポポ」であると思っていた色の薄い花の個体はほとんど「しいな」であったりした。栄養状態はどちらも良かったと思うので、なんだか怪しい気もする。

 もし「エゾタンポポ」だったとすると「3、4、5倍体」だとのことなので、納得。「シナノタンポポ」が「2倍体」であるならより確定的かも知れない。
 袋をかぶせて受粉の有無を確認すれば良かったかもしれなかったが、前回は斑入りの子孫が取れなかった為、今回は出来るだけ多くの種子を確保したかった。

 同時に普通の在来種と思われる個体と斑入りでなくなってしまった「(元)斑入りニホンタンポポ」の実生個体からの種子の播種を試みた。

「(元)斑入り蒲公英の子孫」と思われる個体。
ひょっとすると他のタンポポとの雑種になっているかも。

*日本たんぽぽと西洋たんぽぽとその雑種。「三河の野草 タンポポ(蒲公英)  

 数百以上は播いたものの、斑入りはまったく出る気配がない。



 一方で、斑入り個体からの種子からは、そこそこ斑入りの芽が出始めた。

正しい選別の仕方が分からないので、双葉の状態で斑入りでない個体は引き抜いている。

「黄葉」と思われる個体。
 

 「 斑入り植物の世界 」によると、タンポポの斑入りは維持が困難であるとのことで、自分自身もすでにそれを経験している。そして今回また体験してしまったので、ここで一例。
「斑入り日本タンポポ」 開花前
左下」と「右上」別個体。

「斑入り日本タンポポ」 花期後 「日蝕下」朝7時頃撮影したせいか光線がちょっと夕方っぽい。
」斑がまだ残っている。遮光していないので「葉焼け」している。と
」緑に戻ってしまっている。光合成が順調なせいか大きくなってしまうので、葉を間引いた。

おそらく、通常に戻ってしまった個体は「斑入り」に戻らない気がする。一枚だけ「斑」が出てきた新葉があったが、次の葉はまた緑であった。前回の個体も、成長するにつれて斑入りでなくなり、翌年以降は完全に緑に戻ってしまったので、これも同じだろう。

多年草で増殖も容易にも関わらず、実生でしか維持できないとなると結構面倒だな・・・

ハラビロカマキリ(?)の幼虫。湿った土に発生する上手く飛べない羽虫(名前知らない)でも食べているのか。



「2012年 5月21日 月曜日の静岡市内の空」

日蝕中。

日蝕観察フィルター越しに。

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