2012年9月30日日曜日

限りない夢の仲間

と言う元題の「J・G・バラード」の長編がある。
サンリオ版の表紙が一番内容に忠実。
八王子の古本屋でしか見たことなかったけど・・・

自機が墜落してとある町を徘徊することになる生死不詳の飛行士の話なのだが、バラード作品の例に漏れず熱帯楽園幻想的な動植物のディティールが細かいのと、誇大妄想的な閉塞悪夢世界で神話的な放浪をさせられる自分。
「エル・トポ」
とか
「ホーリー・マウンテン」
とかアレハンドロ・ホドロフスキーなんかが好みそうな感じで、昔は一番好きなニューウェーヴSF(と言うか幻視小説?園芸における多肉植物のカテゴリなんかと同じ扱いで、他ジャンルに収まらないようなヘンテコな物語はみんなSFに突っ込まれてしまうのだった。「奇想天外」なんて「砂漠オモト」なんて和名もあるくらいなのに、何故か多肉扱い)であった。ホドロフスキーと言えばメビウスとギーガーの「幻の砂の惑星」があるんだが、
最初にギーガーの画集でこの「Jodorowsky's DUNE」ってのを見た時には「砂の惑星」とはにわかに信じがたかったものだが。こりゃ砂丘どころか「悪夢の惑星」だっつーの。ディックの「悪夢機械」って短編集もギーガーだったし。
http://www.johncoulthart.com/feuilleton/2009/09/22/alejandro-jodorowskys-dune/
誰の絵?
ちなみに所有しているSF小説の表紙は石森章太郎の旧版である。高校の時に古本屋でまとめて買った。
で、まったく読んでない。
これって、ハルコネン男爵側のコスチュームなの?
2012だって、こんなの出てるの?

ピンク・フロイドが音楽だったって。まあ、やらなくて良かった気もちょっとするし、ブライアン・イーノがちょびっとやったから良しとするか。実はTOTOのテーマも好きだし。 それはともあれ共作のBDもあってね。
「アンカル」

と、ここでは脇役だった男爵一族が暴れまくる「メビウス」じゃあない(デザインとかは踏襲)のだが、
「メタ・バロンの一族(上)(下)」
が完全翻訳されてるのでチェックしてなかった方にはおすすめ。(ところで29日発送の下巻がまだ来てないんだが、どこ行っちまったんだ!!)「メタ・バロン」の方は宇宙のコナン(ヒロイック・ファンタジーの元祖の方)なアトレイデス家一族の物語と言った塩梅。

・・・・・・・・・・・・・・・・が、「メビウス」が亡くなってたとは・・・数年前に京都駅で展覧会だっけ?の広告を見たと思ってたのに・・・・・ いかん・・・いろいろと厭な想い出が蘇ってくる・・・


いかんいかん現実逃避だ。夢に戻ろう。思い返してみるとカルトSF映画と言われる作品の筋立ては大なり小なりこんな感じである気もする。いくら脱出を試みても夢の世界からは決して逃れられない・・・なんてフレディも真っ青か。

半分眠った脳で聴く深夜映画のテーマソングであったドビュッシーの「夢」はそんな訳でマイナーなカルト映画や少年時代のワクワク感とこんなことしてる場合じゃないと言う焦燥感やらが入り混じった感情と、未来世紀ブラジルあたりの宮崎駿的雲海の幻夢を想起させてくれるのだが。
ヤバイまだ夢から醒めない

エリック・サティのジムノペディの拡大版と言った感じもしないでもない。
このどこか懐かしくも浮遊感たっぷりな曲想は音階による所が大きいと思わないでもない。
ジムノペディアとドーリア旋法についてはこちらに詳しい。

ついでにホルストの金星中間部なんかも夢の中。

ハロルド・バウアー版。これが一番オリジナルに近そうだ。
ジャズ版を聴いた後だと、グルーヴが全然違うのが分かる。てか、刻々と変化しているな。
これまたテンポもけっこう早め。昔の人はせっかちなのか?

演奏者についてはこちらが詳しい。

御存じ元祖アナログ・シンセサイザー・ムーグで作られた富田勲版。
しかもアナログ版だよ。
こういうのを電気つかってるからダメとか言う人がいたのだとしたら困っちゃうな。


MIDI版
ちらは問答無用の電子楽器。
MIDIだって自在にBPMを変化させることもできるし、高品質のピアノ・サンプルとサンプラー(たぶん今では普通に聴く分にはよほどのプロでもない限り聴き分けることが出来ないレベルになってると思われる)を使うこともできる。アナログ入力だって可能だ。でも、譜面を打ちこんじゃうとね・・・

クインシー・ジョーンズ版



エラ・フィッツジェラルド版

サラ・ヴォーン版

デラ・リーズ版


英詞付

そう言えば、勝手に英語歌詞つけられて印税をかっさらわれた「カリプソ」とかあったそうだ。
「スキヤキ」とかも被害者だけど、今なら勝てそうだなぁ。

「夢のたたかい」より「君の上には花ばかり」作曲フェデリコ・モンポウ

元ケーキ屋さんだったとかなんか素敵な感じなのに、全体的にメランコリックでカタルーニャを感じる。
でも、ほとんど記憶になくてショパンの主題による変奏曲の方が好きだった。

「愛の夢」 作曲フランツ・リスト
やっぱ印象派の元祖なのか。

Florian Bertmer

サイバーパンク・ショック」なんて日本語惹句をクライヴ・バーカー本人が無邪気に喜んでいたのを思い出す。ギブソンはそれほどでもないが、スターリングは大好きなサイバーパンクスとしてあえて突っ込まぬ。しかし原作はいまいち。ホラー監督として方が才能があるのではないのか。「ミディアン」は思い出せぬ程の凡作。

だが第二作「ヘルバウンド」は最高である。
総指揮に徹したのが功を奏したのかとも思ったが、それ以降は忘れてよし。
まさか未来の宇宙ステーションにまで魔導士たちが現れる事になろうとは誰が予期し得ただろうか


この映画なぜかキング・クリムゾンの「フレイム・バイ・フレイム」を思い出すのと、
意味もなくセリフもなく出演して消える背の高い美人の看護婦(たぶんホドロフスキーの息子のガールフレンドか嫁?)が気になってしかたない。

Florian Bertmerってどんな人物なのか知りませんが、これらの選択がツボにはまったので。

2012年9月29日土曜日

偽ヒブナと偽テツギョ

旧仮名遣い表記である為やゝ読み難く、
故に数年来ほっとらかしとなって居たが題名通りの興味深い内容であると思ふ。



科学と趣味から見た金魚の研究」(著)松井佳一を眺めていたら、「朱文金」の親の「ひぶな」についてちゃんと書かれていたよ。

まず、初代秋山吉五郎氏が「ひぶな」としたものは、検定交配の結果6%程度の開き尾が出現。金魚との雑種と確認された。残念。



ともあれ言いかえれば「朱文金」には「ヒブナ」でこそないものの、「マルブナ」の血が入っている可能性はないわけでもない。この「マルブナ」と言うのがなんなのかよく分からないのだが、「平鮒、丸鮒。又は金鮒、銀鮒」と言う記述からも「ギンブナ」と推測。3倍体じゃない系統なんだろうか。



ちなみに秋山吉五郎氏の「朱文金」作出の際、自由交配で2万尾の内14~15尾しか出現しなかったのだと言う。これってつまり「ギンブナ」が親として機能していなかったと言う説明にならないか?


松井氏の著書では最近のものほど情報が更新されていると思われるし、ダイジェスト版である「金魚」もサイズの割にはかなり詳細に書かれているが、やはり本書は別格。





保育社の「金魚」掲載の写真だとやはり「ギンブナ」っぽく見える。おそらくこれ自体も金魚との雑種と推測。顔が丸いのでナガブナ系ではなさそうだし、鱗の色がキンブナっぽくない。背鰭の軟条数も多いように見える。一応数えてみると16本か17本程度。



同書に「朱文金」の写真もあり、ちょっとヘラブナや北方系鮒っぽい体型をしているのが気にはなるのだが、おそらく片親の「キャリコ出目金」の体型からだと思う。



金魚と言っても品種によって体型がまったく異なるので、ショートボディのものなんかは骨自体が詰まっていたり、減っていたりしている例もありそうなので平均化するのに無理がありそうだが。

金魚の背鰭軟条数については

14本~15本がそれぞれ1%。16本が16%。17本が44%。18本が38%。

であるとのこと。
基本的には17~18本が殆んどであるようなので、一応「キンブナ・ナガブナ」か「キンギョ」かの簡易判断の基準にはなる・・・・と思ったのだが、松井氏の全国50数か所から採取したサンプルでは14~18本、17本が 最頻値 であるとか・・・なんだよ。区別できんじゃないか。
それもその筈、ギンブナ、キンブナ、ナガブナ等区別せずに統計を取っているようだ。



ちなみに諏訪湖で発見された天然産の「ひぶな」、山形県若林沼の「テツギョ」、朝鮮咸鏡北道鏡城公立小学校内の城ヶ池の「テツギョ」も「キンギョとの雑種」だろうと書かれている。

「魚取沼純系の鉄魚」
とのことだが、う~む。キンブナの変異体にしては背鰭が・・・
確証がないものは使えない・・

ただ、意外だったのは「魚取沼」のテツギョを雑種とは断定せず今後の遺伝子検査にゆだねるとしていたり、「厚岸」のヒブナを野生としていたりもする。



「金魚と日本人」の鈴木克美氏が著書で松井氏の意見について補足や訂正されていたのでちょっと誤解していたけど、かなり古い本にも関わらず科学的で冷静な判断をされていると思う。


なお2000年の「厚岸町教育委員会のヒブナ調査報告書」と言うA4サイズ17頁の冊子にはヒブナの写真があるのだが、背鰭の軟条数は不明。顔は小さくナガブナっぽくないが、キンブナ系ではあるかも知れない。山形のキンブナ系がこんな顔つきだったような気もしないでもない・・・。

「山形県産 キンブナ」
いややっぱし気のせいかも・・・。やっぱり鮒類の外見からの判別は無理だよ。
とは言え、顔つきや色合いの違いが系統の違いと一致しないと言うのは、感覚的にどうも釈然としないのだが。

論拠
「日本産フナ属魚類(Carassius)の遺伝的実態と系統関係」 山本軍次・高田未来美・井口恵一朗・西田  睦 本論文 57(3): 215–222

日本主列島・中国・ロシアから採集したフナ属魚類(Carassius,以下フナ)のミトコンドリア DNA 調節領域前半部の塩基配列決定および核 DNA の AFLP 分析に基づき,日本産フナに現在提唱されているすべての種・亜種,すなわちゲンゴロウブナ(C. cuvieri),ナガブナ(C. auratus subsp. 1),キンブナ(C. a. subsp. 2),ニゴロブナ(C. a. grandoculis),オオキンブナ(C. a. buergeri),ギンブナ(C. a. langsdorfii)の遺伝的実態と系統関係を推定した.その結果,ミトコンドリア DNA の系統解析と核 DNA の系統解析からはほぼ同様の樹形が得られ,上記の種・亜種の中で,遺伝的・系統的に他と明瞭に区別できたのはゲンゴロウブナだけであった.
Carassius auratus では,いくつかの系統が確認されたものの,どの系統も 5 亜種とは対応しなかった.
Carassius auratus の5亜種はどれも他から遺伝的に独立しておらず,互いに区別できなかった.
独立種として扱われることもある 3 倍体亜種のギンブナは,同所的な 2 倍体と多くのハプロタイプを共有し,異所的な 3 倍体よりも同所的な 2 倍体と近縁であった.ギンブナを含む日本産フナ類の系統関係は,従来考えられていたよりも,はるかに複雑なものであると考えられる.


「(略)3 倍体性は、一部のフナだけが持つ性質ではなく、全てのフナの系統が持つ性質で、各地域で繁殖を通して 2 倍体から 3 倍体が、3 倍体から 2 倍体が恒常的に生じている可能性があると考えられました。 (略)」

[補足:同ソースより抜粋]
(1) 世界に分布するフナ類は、ゲンゴロウブナ、ヨーロッパブナ、その他のいわゆるフナの 3 種に分けることができる。その内のいわゆるフナは、さらに 2 つの大系統から成る。 
(2) 2 つの大系統の歴史は非常に古く(約 400 万年前に分化)、一方は日本列島に固有で他方は大陸・台湾・琉球列島に固有。前者はさらに 3 つの地域固有系統から成る。 
(3) これら 3 つの地域固有系統は。日本に分布するといわれるキンブナ・ギンブナ・ナガブナ・ニゴロブナ・オオキンブナなどと呼ばれるグループとは対応関係がない。また、3 倍体性とも対応しない。 
(4) キンギョは全て中国系統の一員。 
「ギンブナの倍数体は雑種起源であるらしい」 (情報が少し古めかも)
via MEDAKAFISH HOMEPAGE 
 単性個体群である倍数性ギンブナの起源については不明な点が多いが,野生集団の アイソザイム解析やゲノム中の反復配列の解析から雑種起源である可能性や在来の2 倍性種のゲノムの関与が示唆されている。
 筆者らは、日本各地で採集したギンブナについてその倍数性とアロザイムパターン を調べ、キンブナ、ゲンゴロウブナ、韓国産フナと比較した。AMY-2のバンドパター ンに関して2倍体はギンブナ、キンブナ、ゲンゴロウブナともA型であったのに対し、 AB型の個体はすべて3倍体であった。一方、中国産フナに由来する金魚や韓国産フナ はB型であった。また、東日本の倍数性ギンブナにはキンブナ由来のPGMの対立遺伝子 をもつことが明らかになった(19)。これらの結果は倍数性ギンブナが日本産フナと 大陸産フナの雑種起源である可能性を示唆するものであったが、倍数性ギンブナに特 異的な反復配列が日本産の2倍性フナや金魚には認められない(20)ことから、AMY-2 Bとこの反復配列をもつギンブナの一方の祖先種は未だ明らかになっていない。今後 、大陸産フナ類の広範囲に及ぶ遺伝子調査とギンブナ倍数性個体のゲノム構成の詳しい解析が待たれるところである。



厚岸のヒブナは白とオレンジの混じったような薄い色であまり綺麗には見えず、「春採湖」のヒブナほど赤くないそうなので、金魚との雑種ではないかも知れない。だが、北海道のフナの例に漏れず3倍体以上のクローン系統である可能性は極めて高いと思われる。松井氏の研究でも「♀100に対して、♂13匹」としているので、少なくともサンプルの一部ではギンブナがほとんどであったようだ。



2012年9月28日金曜日

水の変態

「水の変態」 作曲 宮城道雄
14歳で作曲したってのはマジかよ・・・印象派とか学習した後のもんだと思ったよ。
ピチカートを多用できる琴ほど「水」を表現するのに適した楽器はないだろうと思ふ。


「エステ荘の噴水」作曲フランツ・リスト 演奏 クラウディオ・アラウ

サティ、ドビュッシーら「印象派」のルーツとも言われる有名曲で、一番好きなピアノ曲の一つ。
いろんな人がプレイしているが、アラウが一番「水」を感じる。

この演奏ではよく指が動いている感じなんだけども、なんかグルーヴィじゃないなぁ・・
もっと後年の演奏がお気に入りで、もたつくかのようにテンポも若干遅め。おそらくテクニック的には衰えているのだが、まさにプルプル零れ落ちるような水の動きが表現されているのでうっとりしてしまう。

と言うか、他の演奏家たちは「噴水」を見たことがあるのか?

「水の反映」 作曲クロード・ドビュッシー 演奏 クラウディオ・アラウ

80歳の誕生日とは。
なんか途中でもたっているのか、止まってしまうんじゃないかって言う瞬間もあってちょっとヒヤっとするが、
演奏技術に頼らずに、ちゃんとピチャっとした水の動きの変化を表現していると思うんだよなあ。

ドビュッシーと言うと、静岡人には富田版の「夢」がおなじみと思うのだが、
あの曲実はジャズでよくプレイされてる古いスタンダードだって知ってた?歌詞までついてるバージョンまであり、いろんな有名歌手(古め)が歌ってる。

ウィキペディアの印象主義音楽の項目では各国版で内容が結構違って面白い。英語版だとフロイドやクリムゾンやポポル・ヴー果てはエイフェックス・ツインにまで言及。嬉しいけどちょっとやり過ぎな気もする。あと、ドイツ版ではフランス人作曲家たちについて極めて詳細にリストアップされおり、その他時代がやや新しい気もする「フェデリコ・モンポウ」にも触れられていて情報ソースとして一番役立つ気がする。ちなみに、「ジークフリート・カルク=エーレルト」の名前を失念したのでチェックしたのだった。たしか「魚」関係の曲があったような気がしたのだが・・


鳥だった・・・(水鳥じゃないよなあ?)

それにしても、印象派の曲に水はつきものだねえ。


「水の戯れ」 作曲ラヴェル 演奏(ピアノロール)ロベール・シュミッツ(発音不明

めっちゃくちゃ早いテンポだなあ。ホントにこのBPMで合ってるのか?
「ピアノロール」ってのは、「ウルトラマン」時代のコンピュータみたいに、パンチ穴の空いたロール紙に記録された生演奏。強弱の記録までは出来ない(筈だが出来てるなあ・・・)のだが録音じゃないので音質は再生機材による。MIDIの超元祖みたいなもの。「コンロン・ナンカロウ」が有名だが、こだわる人だと再生機材も本人使用(指定?)のものでないといかんらしい。作品集となんか別のものを持っているが、違いが分かりませぬ・・・。そもそも曲の区別すらよく出来んし・・・


フォーレの生演奏のピアノ・ロールもあったりしてYoutube様様なのだが、
でもこれがラヴェル本来の意図に近かったりして。


「同名異曲」演奏 ビョルン・シュテイデル(?発音不明) aka Orsino.

このアルバムだいぶ前に買ったんだがちゃんと聴いてないわ。北欧系の名前っぽいけどパガニーニをアコースティック・ギターで演奏するドイツ人だそう。確かに早弾きギタリストって感じ。


「ショパンの泉」 作曲セヴラック

水的な要素は冒頭のみ。あんまり印象主義的じゃないな。
持ってる筈なんだが定かでない。

「ヘリオガバルス」と言う曲名に惹かれたのであったが、もっと土着的な曲想を期待していたのであった。


「アレトゥーザの泉」 作曲カロル・シマノフスキ

なんだか、テルミンみたいなヴァイオリンの旋律がデューンのテーマを彷彿とさせる・・・
シマノフスキは一時期凝ってほとんど持ってるんだが、印象に残る曲があんまりない。

2012年9月27日木曜日

9月の富士山

友達を富士山観光に連れてゆく機会があったのだが、9月って結構いろいろな花が咲いていて良い感じであった。

フジアザミ
富士山スカイライン沿いに一本だけ発見。
富士山麓に巨大なアザミがあるのは知っていて、長年見たいとは思っていた。
でも、ちょっと登山でもしないと発見できなそうだと思ってあきらめかけていたのだったので確認できた時はうれしかった。

デカイ!
10cmくらいあった。
折ろうとしたが持つ所がない。折り重なるような葉っぱのトゲトゲが痛くてたまらん。

日が暮れかけていたのでちょっと暗いがこの凶悪な風情。
トリフィドとか言いたくなるな。

もういろいろトゲトゲしていて、敵意むき出し

「セイヨウタンポポ」
せめて在来種を見たかったよ・・・・・
やっぱりこれだけ車の往来があると運ばれてくるんだろうなあ。

ホタルブクロ
ウチの近くでも見かける色。
5合目の駐車場の近くにて。わりと良く見かけた。

キク科だと思うが、なんなのか。
結構咲いていた。


「ノアザミ」
だと思う。「フジアザミ」の巨大さにくらべると繊細に見えるが、それでも大きく育っていた。
ノハラアザミ」(?)違いがわからん。
ノアザミ」(?)
こんな感じでいろいろな花が咲いていてキレイだった。
ドライブには意外といいシーズンかも。
ちなみに5合目はちょっと寒いので長袖以上は持っていった方がいいよ。

あれれ、良く見ると奥の方にデカイアザミがいるなあ。
スイバとかなのか黄色の葉っぱに花の彩りもよかった。
山野草と言うよりは雑草って感じではあるが・・・
5合目からの富士山。
下界からは完全に曇りでまったく見えなかったのだが、ほんの10分程だけ雲がなくなってくれた。


黄色やオレンジ色の印象派風の色合いの茂みが上に向かって続いている。

富士山写真であんまりこう言う景色を撮ったのはないかと思う。
だいたい富士山っていわれなけりゃ分からんし。
雲に隠れてしまった太陽。
日蝕みたい。

下界の様子。
伊豆半島が見えない。

2012年9月22日土曜日

黒猫のタンゴの原曲

[ Volevo un gatto nero ] 「黒猫が欲しかった」

Zecchino d'oro と言うのはイタリアの「みんなの歌」みたいな子供向けの歌番組だそうで、昔静岡でやってた子供歌番組みたいなやつ。

このちょっと生意気そうな感じの少女が、数年前に売春斡旋かなんかの罪で逮捕されている。本人は部屋を貸しただけと釈明していたがまあ事実はともかく。これはかわいらしい。

いつの間にやらRAIの公式動画になってたので記念に紹介してみた。

[ Valzer del moscerino ] 「ハエのワルツ」

この子は、日本のアニメのイタリア版の主題歌なんかをよく歌う歌手(80年代後半?)になったらしい。
アペマーヤ」(みつばちマーヤの冒険)とか、「ゴールドレイク」(グレンダイザーの英語版経由らしい)なんか全然別の曲をつけていたようだが、

「Ape Maia」1980
イタリアの子供たちには人気があったらしいんだが、
日本版ですら見たことがないので思い入れもなんにもなく説明できん・・・
ハッチの方ならちょっと見たような・・


80年代にも翻訳した曲はあるらしいので、おそらく輸入元や再放送の年代によって著作権の都合とかあるのかもしれない。キャラクターの名前の変更も途中から行われなくなったとも言う。「マジンガ」とか辺りから日本語名も問題なく理解されると分かってそのまま使用されるようになったとか。


日本のアニメは当時安価だったのか、ベルルスコーニのTV局なんかでは朝から晩までずっと放映されて視聴率をがっぽり稼いだそうである。イタリアの子供たちは学校へ行く前に見て、帰って来て(午後は授業がないらしい)また見て、なんて生活をしていたとか。

おそらく、地方局で制限のあった自分なんかよりもずっと多くの日本のアニメを見ているんじゃないかと思うな。

そのせいか、日本じゃ「ガンダム」が「スターウォーズ」&「スタートレック」的なおっさん世代~人気にも関わらず、イタリアでは「グレンダイザー」やら「マジンガーZ」やらが未だに郷愁を誘うようで、すごいクオリティのCGが作られていたりする。




こっちはイタリア人作じゃないみたいだけど、フルCG?サムネイルはガンヘッドみたいだが、すごい。
「ボトムズ」とかもやってくれんかなぁ(バンダイのお膝元にクセに静岡では放映されなかったんで知らんのだけど・・)。



ところで、違法アップダウンロード厳罰化が問題になっているのだが、BGMとして部分が流れているだけでも判別して違法扱いにしてくれたりして困る。ラジオやTVでたまたまなんかの曲が流れているのを撮影中に拾ってしまっただけでもアウト。

本来それで飯を食っている人たちに適正に利益が分配されるべきなのは当然だと思うし、リマスターされる度にお気に入りのアルバムを購入しているような者としてはコピーするのが当たり前と思ってる人たちに「バカじゃない」とまで言われるのは正直むかつくのだが、それが有料だったり視聴制限があったりしたら、おそらく興味を持つこともなければ購入することもないと思う。

「アニメーション紀行 マルコ・ポーロ」

あと、こんな作品の場合はどうだろう。オリジナルのテープがすべて紛失されてしまっているらしいのでDVD化も出来ない。この動画がなければ今後視聴すること自体が不可能になってしまう訳だが。CDなんかも廃版になってしまうと同様の事が起きる


まあ、一応この作品の場合、海外向けにコピーされたテープがイタリアなどでは芸術として大切に保存されているとも聞いた。まあ音声は無理にしても完全に消え去ってしまった訳ではないようだ。

NHKなんかでは再放送する事もなく、30年ぶりくらいに「キャプテン・フューチャー」を見た時に、幼い記憶がちゃんと正しかったりして驚いたものだが、同時になんでそんなに長く放っておいたのかも釈然としない。

「死蔵」させるのも文化に対する罪だと思うな。

せっかく、1つのオリジナルさえあればコピーや配信が安易に出来る状況になったのだから、有益な古書も含めてもっと簡単にアクセス出来るようにならんもんかな。









2012年9月21日金曜日

「朱砂」か「もみじ」か「網透明鱗」のあれこれ

「網透明鱗」は普通鱗同様「褪色」現象が起こる事で「透明鱗」と区別できる。

できるのだが、色変わりも終わってしまっている魚が網であるかそうでないかは、分かるの?

って訊きたいくらい自分でも良く分からん。


正直、眠い感じのボケた色の透明鱗が「網透明鱗=劣性透明鱗」と解釈していたのだが、ほんとかよ。自信がない。

国産「もみじらんちゅう」
と言うことで金魚屋さんから購入したのだが、オリジナルの「もみじ」じゃないな。
色合いがもっと赤いし、体型ももっと長手だったと思う。肉瘤もこんなに出てなかった。
流通上仕方ないのだろうけど、違う系統を同じ名前で販売して欲しくないなあ・・・


と言うのも、ウチの「琉金型パール」みたいに、馬蹄型に鱗の縁だけグアニンの乗っているパールが「網透明鱗パール鱗」だと思ってたんだが、この前に行った某ホームセンターで同じタイプのピンポン2尾も発見したんだよなあ。どうも系統が違う気がするんだが・・・。他の金魚屋で見かけたことがないんだよなあ。思えば親魚をそこから購入してたんで系統が同じなんだろうな。


「金魚」(著)松井佳一に掲載されている古いタイプの「珍珠鱗」写真の鱗がまさにそれ。数匹映っているが、どれも自分の思っていた所の「網透明パール鱗」っぽく見える。典型的な「ピンポンパールスケール」の石灰分が白く見えるだけの透明鱗と違って何故「真珠鱗」と呼ばれたのかがよく分かる。

だが同時にパールの乗りが見えにくいと言う問題もあり、初期選別に苦労する気がする。肉瘤と同じく、晩成型の形質と言えるかも知れない。


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ところで、「科学と趣味から見た金魚の研究」(著)松井佳一には、陳楨氏(1928)の「例外的透明鱗」なる劣性透明鱗についての記述がある。おそらく、網透明鱗だと思われるが不明とのこと。

褪色する劣性透明鱗網透明鱗」であり、他の遺伝形質の存在を否定されている訳ではないので、透明鱗の形質にも何種類かある可能性もある。


松井氏は「網透明鱗」を昭和2年にワキンの交配から発見したそうで、

明白な褪色現象をして、体色も真紅色なものがある、又透明の様子が恰も金砂子を置いたように光って美しい、又褪色前の色も普通鱗のものとは異なっている。この変種にはまだ各稱がないので「朱砂(しゅしゃ)と命名して、わきんでは「朱砂和金」とする」

としている。

「朱砂緋鮒」と言うべきか。
松井氏の「朱砂和金」とほぼ同一形態だと思われる。


「黒出目水泡花房」子に混じって泳いでいる「ヒブナ網透明鱗」子(上動画魚の子供。全滅した)
「褪色前」の典型的な「網透明鱗色」。

*褪色現象は「母親遺伝」の傾向があるそうである。



パール鱗」なのは確かだし、交配結果から「劣性遺伝」でもあると思うのだが、
これは「網透明鱗」でいいのか?


「丹頂」とか純白系の魚でも、背鰭周辺の鱗が透けている魚がいて気になっていたのだが、単純に反射の問題で見えてないのか、それとも透明鱗なのか、鱗がないのかよく分からん。


皮膚最深部の銀色がなく、完全に透けているのが「透明鱗」ってのは合ってると思うのだが、そうでないのも結構いる。

「琥珀」と言われる透けたフナ色のものは視覚的に分かりやすい「網透明鱗」だし、フナの透明鱗も大体コレだと思うのだが。

ちなみに松井氏の言う兵庫県の「焼鮒」「行基鮒」、滋賀県の「かったい鮒」以外にも全国50数か所から採取したサンプル内の魚たちにも透明鱗性のフナが含まれたと言う。



キャリコの「完全透明鱗」と「モザイク鱗」については、その多少に差があり判別しにくい場合があると松井氏も書いておられるので、外見から区別しにくい。理論的には検定交配で判断は出来なくもないが、金魚の遺伝では「突然変異」とその逆の先祖返りというか「突然修正」も起きている模様で、実験結果に例外も出てきてしまうようである。

2012年9月20日木曜日

沈没病の治療法

えーと。何と言うのが正確なのか分からないんだけど「転覆病」なのかな。

1週間程度金魚の世話が出来なかったので、多めに餌を与えて放置した。
ここの所餌のやり過ぎで水質が悪化しつつあったので、濾過細菌が消化を終えて水質も安定するだろうと思っていたのだが、なんと沈没魚が発生。

しかも、「朱文金」系である。

朱文系交配魚2尾と、本東系交配魚の1尾。本東の方は、もともと沈没ばかりする系統なので納得する部分もあるが、文金なんてあんな平たい極めてフナっぽい魚がなんでまた。


高温が続いていたので、水温低下によるものではない。朝の気温は確かに前よりは下がっていたと思うが、部屋の中でもあるし20℃以上は確実。むしろ最高気温が30℃を確実に越えてる方が魚体に負担がかかったと思う。


当歳魚は寄生虫による腎肥大があるらしいが、腹は普通。
普通のままお座りしているだけ。


水もまあ濾過の効いた水槽のそれ。ちょっとトロっとした感じのフミン酸色の水。
最近めっきり金魚屋に行かなくなっていたんだけど、DIYセンターの金魚の水の澄みきった有様にちょっとしたカルチャーショックを受ける始末。ちゃんと餌やってんだろうか・・・
みんな熱帯魚みたいにして管理してるんだろうかとちょっと反省もしたりして。


まあそれは置いておいて、とりあえず水は交換し、濾過が進んで硝酸の量が増えた「硝酸中毒」と仮定して、メチレンブルーで解毒(今回は殺菌目的でない)。
翌々日まで沈没していたが、3日目夜に文金2尾は回復した。


これが、沈没病に対する特効薬であるか?と言われると?本東が絶望的なので、「場合によっては治療可能かもしれない」程度で有効かも。単純にきれいな水にするだけでも違うかもしれないが・・・


むしろ、原因をしっかり考えた方がいいな。
うちでよくあるのが、餌を切って数日放置していると死んでいると言うもの。

無論「餓死」ではありえない。

普段超富栄養化している水槽が突如貧栄養化すると、飢餓状態に陥った枯草菌類が金魚に悪さをし始めるんじゃないかとも思ったりする。活性汚泥を腸内にもかなり取り込んでいるだろうし。異常発酵とかもするのかなあ・・・分からんが。

ちなみに濾過が効いているせいで、何匹か蒸発して行方不明になってしまっている事もよくある。数えてみてなんか足りないとか、お気に入りの魚がどうしても見つからないし、飛び出してもいないとなると・・・・・・・・・・密室殺人事件みたいだな。


今回はたぶん、死んだ魚はいないと思う。
「北陸筋の宇野系」「京都の宇野系(不詳だが古い系統らしい)」や「地金」の稚魚たちもうちの環境に適応したのか、腐海みたいな投げ込みフィルター水槽の中でも元気に餌を欲しがっているので、「水質悪化=沈没」と単純に推測していいものか分からん。


もっとも、濁っているから汚いとも限らないし、そんなこと言うなら平地の大河なんてみんな濁ってるし、水中の微量元素や微生物量も肉瘤の発達に関係あるんじゃないかと思ったりもするので、ズボラだから放置しているだけでもないんだよ。ただ「水が臭い」のは危険なサインだと思うので、最終的な換水の目安にしている。


フィルター性能は同じで同じくらいの餌をやっていても濁ったり濁らなかったりする水槽もあるので、この辺りも意味不明。


何世代か金魚を拡大再生産的累代できているから「ブリーダー」と自称する権利はあると思うのだが結局、いつも分からないことばかりだなあ。





2012年9月9日日曜日

斑入りエゾ(仮)タンポポ復活

「斑入りエゾタンポポ(仮)二歳(の筈)」

復活ってたって、地上部が真夏のさなかもなくならなかったんだけど。
直射日光のあたるような場所では厳しいかもしれないが、涼しい・・・と言っても日除けしてるわけでもないやや暗めだったり、東側の「日本蒲公英」は実生も含めて枯れ切らなかった。

在来種のタンポポ、シロバナ、キビシロ(仮)を実生したものも多少ボロボロにはなったものの、地上部が完全になくなることはなかったし。意外と丈夫なのか、セイヨウタンポポとの交雑なのか自信がないけれど・・・

*直射日光下のシロバナ親個体は完全に消えてたけれど、最近復活した。


最近は若干涼しくなってきたり、日が短くなってきたせいか元気を取り戻し始めた。

そしてやはり左の個体の斑が飛んでしまっている。もうダメだと思うので引っこ抜いた。
もったいないけど、これで2回目。実生個体も緑に戻ったやつがたっぷりいるので、管理の失敗だけでもあるまい。

むしろ、斑入りを維持した個体が偉い。
それと今回ちょっとチェックしたかったことがあった。

「ツワブキ」には春と秋に出てくる葉があり、それぞれに「芸」が異なる場合がある。たとえば、春にはガンガン斑入りが出てほとんど幽霊みたいになってしまっても、秋にはただの緑になってしまうとか。

以前、捨てようと思ったツワブキ「初冠雪」から淡い白~黄色の斑入り葉が出てきた時には驚いた。しかし、それもコガネムシの幼虫に根をヤラレタらしく腐ってしまったけど・・・。


同じキク科でもあるし、タンポポも季節によってでる葉が違うかと思ったんだけど。どうも変わりはないみたい。むしろ、単純に地上部の生え換わりで変化する可能性はあるかも(晩春にあった)。

いずれにせよ、消えた斑入り個体の復活はないと思われる。実生ですでに選抜していたものからも、斑が消えた個体がいくつもあるので、数百は播いたうちからせいぜい十数本くらいしか優良株が残らないかも。そのうちいくつが来年まで維持できるのか。


まあ、これクローン個体みたいなので一株でも十分なんだけど。むしろ、2倍体のニホンタンポポから斑入りを作出したら維持がえらく困難になる気がする。


あとは、普通のニホンタンポポ系(分布域からするとトウカイだと思うが交雑種かも)の実生からなにか変なのが出てくれればいいなと思う。一つ「斑入り」かなああ?と思ったようなのがいたが、やはり気のせいか。「赤花」や「青花」が出てくれるといい。

ちなみに、双葉の段階では「石化」してるっぽい個体がいくつかいた。

肉厚であきらかに石化と思われる。
この形状のせいで本葉も出てこなかった。

なんだかヘンテコな形の双葉たち。
一部は生き残ったが、でも本葉がでるとごく普通に戻ってしまうのだった・・・。

斑入りでも変なのが混じっている。
これも普通の葉っぱに戻ったと思う(枯れたかも)。
斑入りは継続中だと思う。

双葉じゃなくて三つ葉なんですけど。
これは枯れてしまった気がする。